朝8時半ごろホテルを出た。景色を楽しみながらブラブラとマハトマ・ガンジー・ロードの方へ歩いて行く。様々な宗教の寺院があり、学校があり、公園があり、オフィス地区があり、住宅地があった。全体的に緑が多く、空気が爽やかに感じられるせいか、歩いていて気持ちがよい。ただ、通りを行く路線バスの混雑はマドラスと変わらない。普通の大型バスからトレーラー型のダブルデッカーまでいろいろなバスが行き交うが、どれも溢れんばかりに客が乗っている。停留所では速度を落とすだけで完全に停車するバスはなく、客は器用に飛び乗ったり飛び降りたりしていた。
ホテルからマハトマ・ガンジー・ロードに出るまで1時間ほど歩いた。この通りは美しく、立ち並ぶ商店もきれいである。ブリゲイ・ロードに入ると少し賑やかになった。エアコン完備のスーパーもあればゲームセンターもあった。ちょっとしゃれた雰囲気のカフェもあり、インド離れした街になっている。そんなカフェのひとつに入ってみた。客はあまりいない。コーヒーを注文すると、見慣れたアルミのカップに入って出てきた。味も量も町中の屋台と変わらないが、1杯1ルピー25パイサもした。水も出てきたが、これは塩素臭が強かった。
カフェを出て再びマハトマ・ガンジー・ロードへ。マドラスで利用していたCorporation Bankがここにもあった。営業時間はマドラスよりも短く、午前10時半から午後2時までだった。そのまま銀行の前を通り過ぎ、州立博物館へ行ってみた。博物館の周りには水族館、美術館、科学技術館が建っており、ちょっとした遊園地のようなものもあった。博物館の展示は、動物の剥製、化石、古代や中世の遺跡からの出土品、仏像や絵画などだが、どれも中途半端な感じでテーマ性が感じられない。博物館の裏手には州政府の政庁舎、中央郵便局、高等裁判所、マイソール銀行、職業安定所などの公共機関が林立している。昼食時ということもあり、高等裁判所脇の軽食スタンドには黒い法衣のようなものをまとった人々や黒いブレザー姿の人々で賑わっていた。彼等にバクシーシー(喜捨)をねだる乞食の姿も少なくなかった。当地の公務員は黒のブレザーを制服にしているらしく、駅の職員も黒ブレザー姿だった。この暑いのに、よくブレザーなんか着ていられるものだと感心してしまう。ところで、州政庁舎はドラヴィタ様式の巨大な建物で、その白く優雅な姿は空の青に映え、美しいことこの上ない。まるでアラビアンナイトかなにか、お伽話に出てくる城のようである。
州政府庁舎を眺めているうちに、バンガロール滞在中に古都マイソールへも足を伸ばしたいと思った。早速、駅の観光局カウンターへ行き、マイソールへの日帰り旅行を申し込んだ。駅で観光案内を見ていたら背後から「日本の方ですか」という声がした。日本人男性二人組であった。これから市内観光のバスツアーに参加するとのことだが、バスが予定の時刻を過ぎても現れないと言って不安そうにしていた。あれこれ話を交わしているうちに、そのバスがやって来て、彼等は急いでバスに乗って消えてしまった。この後、駅のカフェテリアでコーヒーを飲み、ついでに水も飲んだ。駅舎の一角に"Drinking Water"という表示のある大きな箱型の機械が静かに唸っていた。蛇口が2つついており、そこから冷たい水が出てくるようになっていた。おいしかった。
ホテル近くの商店街へ行き、ブラブラした。屋台でバナナを買って頬張っていると、脇から黒い小さな手がヌウーと出てきた。バクシーシーを求める子供の手であった。無視して食べ続けた。いちいち乞食に気をつかっていてはインドの旅などやってられない。次ぎに、昨日のスイカの屋台へ行ってみた。昨日と同じ値段だったが、屋台のニイチャンは少し大きく切ってくれた。腹が膨れたところで、ホテルの部屋へ戻りひと休みである。
夕食は昨日と同じ店へ行く。ウェイターは私の顔を憶えていたようで、目が合うとニヤリとした。ほぼ昨日と同じものを食べた後で、この店のヨーグルトが食べてみたくなったので、「ダヒー!」と注文した。ウェイターの顔が一瞬明るくなったように思われた。何故だかわからなかったが、帰り際に"Do you know Hindu?"と聞かれ、納得した気になった。やはり、英語だけで通すのと、その土地の言葉に挑戦するのとでは体験の幅が全然違ってくるのだろうと思った。今更ヒンドゥー語など憶えられないが、もし、片言だけでもヒンドゥー語を話すことができたら、もっといろいろな話を聞いたり、普通の旅行者では経験できないようなことが経験できたりできるのだろう。
ホテルからマハトマ・ガンジー・ロードに出るまで1時間ほど歩いた。この通りは美しく、立ち並ぶ商店もきれいである。ブリゲイ・ロードに入ると少し賑やかになった。エアコン完備のスーパーもあればゲームセンターもあった。ちょっとしゃれた雰囲気のカフェもあり、インド離れした街になっている。そんなカフェのひとつに入ってみた。客はあまりいない。コーヒーを注文すると、見慣れたアルミのカップに入って出てきた。味も量も町中の屋台と変わらないが、1杯1ルピー25パイサもした。水も出てきたが、これは塩素臭が強かった。
カフェを出て再びマハトマ・ガンジー・ロードへ。マドラスで利用していたCorporation Bankがここにもあった。営業時間はマドラスよりも短く、午前10時半から午後2時までだった。そのまま銀行の前を通り過ぎ、州立博物館へ行ってみた。博物館の周りには水族館、美術館、科学技術館が建っており、ちょっとした遊園地のようなものもあった。博物館の展示は、動物の剥製、化石、古代や中世の遺跡からの出土品、仏像や絵画などだが、どれも中途半端な感じでテーマ性が感じられない。博物館の裏手には州政府の政庁舎、中央郵便局、高等裁判所、マイソール銀行、職業安定所などの公共機関が林立している。昼食時ということもあり、高等裁判所脇の軽食スタンドには黒い法衣のようなものをまとった人々や黒いブレザー姿の人々で賑わっていた。彼等にバクシーシー(喜捨)をねだる乞食の姿も少なくなかった。当地の公務員は黒のブレザーを制服にしているらしく、駅の職員も黒ブレザー姿だった。この暑いのに、よくブレザーなんか着ていられるものだと感心してしまう。ところで、州政庁舎はドラヴィタ様式の巨大な建物で、その白く優雅な姿は空の青に映え、美しいことこの上ない。まるでアラビアンナイトかなにか、お伽話に出てくる城のようである。
州政府庁舎を眺めているうちに、バンガロール滞在中に古都マイソールへも足を伸ばしたいと思った。早速、駅の観光局カウンターへ行き、マイソールへの日帰り旅行を申し込んだ。駅で観光案内を見ていたら背後から「日本の方ですか」という声がした。日本人男性二人組であった。これから市内観光のバスツアーに参加するとのことだが、バスが予定の時刻を過ぎても現れないと言って不安そうにしていた。あれこれ話を交わしているうちに、そのバスがやって来て、彼等は急いでバスに乗って消えてしまった。この後、駅のカフェテリアでコーヒーを飲み、ついでに水も飲んだ。駅舎の一角に"Drinking Water"という表示のある大きな箱型の機械が静かに唸っていた。蛇口が2つついており、そこから冷たい水が出てくるようになっていた。おいしかった。
ホテル近くの商店街へ行き、ブラブラした。屋台でバナナを買って頬張っていると、脇から黒い小さな手がヌウーと出てきた。バクシーシーを求める子供の手であった。無視して食べ続けた。いちいち乞食に気をつかっていてはインドの旅などやってられない。次ぎに、昨日のスイカの屋台へ行ってみた。昨日と同じ値段だったが、屋台のニイチャンは少し大きく切ってくれた。腹が膨れたところで、ホテルの部屋へ戻りひと休みである。
夕食は昨日と同じ店へ行く。ウェイターは私の顔を憶えていたようで、目が合うとニヤリとした。ほぼ昨日と同じものを食べた後で、この店のヨーグルトが食べてみたくなったので、「ダヒー!」と注文した。ウェイターの顔が一瞬明るくなったように思われた。何故だかわからなかったが、帰り際に"Do you know Hindu?"と聞かれ、納得した気になった。やはり、英語だけで通すのと、その土地の言葉に挑戦するのとでは体験の幅が全然違ってくるのだろうと思った。今更ヒンドゥー語など憶えられないが、もし、片言だけでもヒンドゥー語を話すことができたら、もっといろいろな話を聞いたり、普通の旅行者では経験できないようなことが経験できたりできるのだろう。