シャネル株式会社社長のリシャール・コラス氏の講演を聴いた。世界中で認められるブランドというのは愚直なまでに厳格な規律によって支えられているというのが講演の主旨であった。事実、シャネルの中核となるデザイナーや調香師は20年以上勤務しており、コラス氏も約20年在籍している。創業者であるココ・シャネルが1971年まで存命だったこともあり、社内には創業者の薫陶を受けた人々がまだ残っているという事情もあろうが、「一貫性、継続、統合、調和」というのが同社、あるいは同社の製品を語る上でのキーワードであるようだ。
私はブランド物に興味も縁もないのだが、世界中で支持を受けブランドというある種の幻想に価値を創造させるビジネスには大いに興味がある。今日の講演を聴いていて感じたのは、シンプルでわかり易いものが、時代を超えて人々の価値観に訴える力を持つということだ。結局、多くの人に受け入れられるということは、その商品やサービスを消費する人が納得できる何かがあるということなのである。それは、単に機能だけの問題ではなく、物やサービスに込められた情念とか愛情のようなものである。人間が生活のなかで使う道具類には、求められる機能があり、それを満足するなら一応の評価を得て商品となる。機能を超えたフィット感のようなものが、その道具を作った人の愛情なのだろう。言葉で説明できない機能を超えた価値というのは誰もが創造できるものではない。しかも、継続的にそうした価値を産み出し続けることは至難である。だからこそ、その価値がブランドとして結実したものには金銭では計ることができない価値がある、ということなのだろう。
私はCHANELの何たるかを知らない。しかし、コラス氏の話を聴いて、「価値」というものについて考えるヒントを得た。
私はブランド物に興味も縁もないのだが、世界中で支持を受けブランドというある種の幻想に価値を創造させるビジネスには大いに興味がある。今日の講演を聴いていて感じたのは、シンプルでわかり易いものが、時代を超えて人々の価値観に訴える力を持つということだ。結局、多くの人に受け入れられるということは、その商品やサービスを消費する人が納得できる何かがあるということなのである。それは、単に機能だけの問題ではなく、物やサービスに込められた情念とか愛情のようなものである。人間が生活のなかで使う道具類には、求められる機能があり、それを満足するなら一応の評価を得て商品となる。機能を超えたフィット感のようなものが、その道具を作った人の愛情なのだろう。言葉で説明できない機能を超えた価値というのは誰もが創造できるものではない。しかも、継続的にそうした価値を産み出し続けることは至難である。だからこそ、その価値がブランドとして結実したものには金銭では計ることができない価値がある、ということなのだろう。
私はCHANELの何たるかを知らない。しかし、コラス氏の話を聴いて、「価値」というものについて考えるヒントを得た。