熊本熊的日常

日常生活についての雑記

十人十色とは言うけれど

2006年07月10日 | Weblog
コーヒー教室に通うからといって、コーヒー好きであるとは限らない。コーヒーの「苦さ」というものがどのようなことなのか知りたい、濃いコーヒーは飲めない、という人が「おいしいコーヒーを飲みたい」と言ってコーヒー教室にやってくる。かなり年配の御婦人だが、この年齢で「苦いとは?」という味覚の根本について疑問を抱えているということは、これまでどのような人生を歩まれてきたのだろうと素朴に疑問に思ってしまった。

しかし、味覚に限らず、主観というのは個人毎にばらつきがあるのが当たり前である。みんなが「おいしい」というものをまずいと感じたり、「まずい」というものをおいしいと感じるのは奇異なことではない。むしろ、一般論やその場の雰囲気に飲まれて本当に感じていることを表明できないことのほうが不健全なことだと思う。

コーヒーを淹れるとき、自分なりの「おいしい」イメージがあり、それを他の人もおいしいと感じてくれるものと思いこんでいた。今日は、当然のことなのに、自分が失念していたことを再認識することができて、本当によかったとお思う。やはり、自分の行為を他人に見てもらうということは、物事の道理を知る上で重要なことである。