性懲りも無く今日も映画を観に出かけた。口腔の状態はかなり落ちついたが、長いこと慣れ親しんだものを突然失った喪失感は避けることができない。これは心情的なものではなく、舌先の感覚のことである。今日は、無事、映画を最後まで観ることができた。
「美しい人」は原題”Nine Lives”が示す通り、9つの短編を集めた作品で、それぞれがワンショット、ワンシーンで構成されている。10分間で表現される、人の心の美しさと醜さ、人生の豊かさと儚さ。改めて、一言の饒舌さを思い知らされる。
しかし、先日観た「報道写真展」の戦火のなかを必死に生きる人々の姿が記憶に生々しく、映画の中の主人公たちが抱える問題が、薄っぺらなものに思われてしまう。映画の舞台はアメリカであり、どの主人公も日々の生活に不自由はない。彼女たちが抱える問題は、結局は我が儘でしかないのである。自分の欲求が満たされないからと己の不運を呪う姿は傲慢にさえ映る。そうしたなか、9つ目の作品は、晴天に映える芝の美しさも相まって、悲しくもほのぼのとしたものを感じ、後味が良かった。
「美しい人」は原題”Nine Lives”が示す通り、9つの短編を集めた作品で、それぞれがワンショット、ワンシーンで構成されている。10分間で表現される、人の心の美しさと醜さ、人生の豊かさと儚さ。改めて、一言の饒舌さを思い知らされる。
しかし、先日観た「報道写真展」の戦火のなかを必死に生きる人々の姿が記憶に生々しく、映画の中の主人公たちが抱える問題が、薄っぺらなものに思われてしまう。映画の舞台はアメリカであり、どの主人公も日々の生活に不自由はない。彼女たちが抱える問題は、結局は我が儘でしかないのである。自分の欲求が満たされないからと己の不運を呪う姿は傲慢にさえ映る。そうしたなか、9つ目の作品は、晴天に映える芝の美しさも相まって、悲しくもほのぼのとしたものを感じ、後味が良かった。