熊本熊的日常

日常生活についての雑記

麋角解 さわしかのつのおつる

2017年12月27日 | Weblog

旧暦11月10日 友引 七十二候の麋角解 月は昨日が上弦で来月2日の満月に向けて徐々に膨らんでいく。東京の夜空は今夜も雲が少なく、半月が輝いている。暦は自分が生まれたときから当然のようにあるものなのでそこに疑念を抱くことなどないのだが、疑いもせずに世界中で同じ暦を使っているというのは不思議なことである。もちろん、局地的には今でも独自の暦で生活している人々はいるだろうが、それはたぶん少数派だろう。その人たちの生活が他所の人たちとは没交渉に完結しているのならそれで不自由は無いだろうが、どのようなことであれ交渉事があるのなら時間軸を揃えておかないと話にならない。日本が旧暦から新暦に切り替えたのは開国から少し時間を置いていたが、当時の情報の流通速度がそれだけのんびりしていたということだろう。

数年前にカルチャーセンターのようなところで暦の講座を受講した。積極的な理由があったわけではなく、なんとなく興味があったというだけのことだ。講座は3か月ほどのものだったが、ほぼ皆勤で、しかし、それきり暦のことなど忘れていた。それが間欠泉が湧き出る如く急に気になり始めて、当時のノートや講義レジメをひっくり返しながらExcelで暦のワークシートを作成した。一応、使う都度にカレンダーや手帳に記載されている旧暦の日付と突合させるが、たぶん間違えてはいないと思う。自分で作成したシートには通常使われている太陽暦、七曜、旧暦、六曜、二十四節気、七十二候、雑節、朔望月を記載した。旧暦の算出に際しては暦講座のレジメとノートに加えて理科年表を参照した。新旧にかかわらず暦には起点が必要だ。旧暦は朔(新月)の日を月初とし、朔望月のサイクルを一か月としている。この朔望月は天文台が計算したものを使うので理科年表を購入した。国立天文台のサイトを参照すれば済むことなのだが、たまに理科年表をぱらぱらとめくってみたいと思ったのである。朔望月で日は決まるが月は決まらない。月を決めるには二十四節気が必要だ。二十四節気は十二節気と十二中気から成る。正月は十二中気の雨水を含む月と定義されている。中気のない月は閏月とする。とまぁこんなふうにして暦のシートをこしらえた。それで何がどうというわけでもないのだが、これから旧暦を気にしていこうと思っている。

ただ気がかりなことがある。2033年は中気のない月が3つもあるのだ。こういう場合はどうするのか、講座では教えてもらわなかった。月が決まらないと六曜が決まらない。六曜は旧暦の1月、2、3、4、5、6の順に月初が先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口となり、7月からも同じサイクルで、月末で六曜は断絶する。閏月は前月と同じ六曜で始めるという規則があるのだ。六曜は冠婚葬祭と関係するので、社会的にもけっこう大きな問題なのである。尤も、2033年ともなれば私は生きていないだろうから、気がかりもへったくれもないだろう。