本日は民藝学校最終日。プログラムは我孫子市立白樺文学館学芸員の稲村隆氏による講演「白樺派と鹿児島」と閉校式。しょうぶ学園で昼食を頂いた後、バスで鹿児島中央駅まで送っていただいて解散となった。
稲村氏の講演はタイトルには「鹿児島」と入っているものの、主に白樺派の説明であり、そのなかで鹿児島出身者が何人か登場するというものだった。私が今暮らしているところから徒歩15分ほどの場所に武者小路実篤が晩年を暮らした家が保存されており、その周辺が公園と資料館として整備されている。民藝館の友の会に入ってこうしたイベントに参加したり、柳の著作を読むようになってから、白樺派というものを知るようになって、たまたま住むようになった場所がそういうところだっただけなのだが、それも縁といえば縁なのかもしれない。
ここ数年、神社仏閣を訪れることが多い。今回鹿児島を訪れるに際して、少し下調べをしてみたが、このあたりの一の宮である鹿児島神宮は霧島のほうにあり、日程と動線からして参拝はかなわなかった。鹿児島市内にあって最大級である照國神社にはお参りした。島津斉彬を祭神とする神社で境内にある資料館では斉彬が推進した諸政策、なかでも産業の近代化についての展示が充実していた。
この後、市立美術館の常設展を見学。展示品がかなり断片的であるのは仕方がないが、けっこう意外なものがあって面白かった。黎明館も見学したかったが、既に午後4時半を回っており、今回は城山入口交差点から桟橋交差点のほうへ抜け、市電の走る通りを歩いて地元百貨店の山形屋を覗いてみる。建物はいかにも百貨店らしい構えだが、店内は特にこれといったものは感じなかった。地下の菓子店が並ぶところで、地元の店が思いの外少ないが、おそらく地元老舗は近隣の商業地区に大きな店舗を構えているので、敢えて百貨店には出店しないのかもしれない。
夕食は昨日と同じく和総でいただく。昨日いただいたのとは別の焼酎を飲み、昨日とは違う肴をいただいたが、どれもそれぞれに特徴があってたいへん愉快に食事させていただいた。食事、殊に夕食の印象が初めて訪れる土地の印象を大きく左右する気がする。鹿児島は楽しいところだ。