熊本熊的日常

日常生活についての雑記

大阪にて

2020年11月14日 | Weblog

国立民族学博物館のバックヤードツアーに参加。参加者は3組5名とこじんまりとしていたので、限られた時間ではあったが、大変楽しく過ごすことができた。

みんぱくのトーテムポールはこれまで気にしたことがなかった。昨年の今頃、新たなトーテムポールを立てるためのクラウドファンディングの知らせがあり、そこでトーテムポールが立っていたということを知ったのである。時すでに初代のトーテムポールはいい塩梅に時代がついていた。

トーテムポールがこのように巨大化したのは、そう古い話ではないそうだ。もともとカナダ先住民のあいだで行われていたポトラッチという贈与のような消費蕩尽行為があり、その中に家の柱に装飾するとか、装飾柱を立てるといったことが行われていたそうだ。ポトラッチの目的は自分の存在を誇示すること。多くの動物が発情期になると外観が派手になったり、行動が過激化したりするように、人間も個人や文化で個性はあるものの、自分を大きく見せたいという根本的な欲求があるのだろう。しかし、自己表現が派手になるということは外敵からの攻撃を容易にするということでもあるし、身の丈を超えて消費や投資をするというのは自分の生活を苦しくすることでもある。つまり、承認欲求は自己破綻のリスクを内在しているのである。そもそも命には限りがあるのだから、自己破滅であろうがギリギリまで生き永らえようが、結果は同じだ。何事も極めれば自滅に通じる、またそれくらいやらないと周囲からは承認されないということなのだろう。


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