万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

”日の丸隠せ”のテロ対策は逆効果では?

2015年02月07日 15時01分21秒 | 日本政治
海外遠征選手に“日の丸を隠せ”通達(日刊スポーツ) - goo ニュース
 「イスラム国(ISIL)」が日本人をテロの標的にすると宣言したことで、スポーツ界では、海外遠征の中止といった反応を見せています。日本フェンシング協会に至っては、”日の丸を隠せ”と海外遠征中の選手たちに通達したそうですが、こうした臆病な過剰対応は、逆効果となるのではないかと思うのです。

 これまでの「イスラム国(ISIL)」の行動を観察してみますと、一般常識など通用するはずもなく、否、あらゆる期待を完璧なまでに裏切り、鼻を明かすことで、人々に恐怖心を植えつけてきました。情報収集能力にも長けており、日本フェンシング協会の安全策も、既に筒抜けのことでしょう。このことは、「イスラム国(ISIL)」は、”日の丸を隠せ”の対応に対して、逆に、”日の丸を隠しても無駄”であることを誇示する行動を採る可能性を示しています。実際に、たとえ日の丸を隠したとしても、国際大会の競技会場では、否が応でも国籍を明示せざるを得ません。三位以内の成績を納めれば、表彰式で国旗も掲揚されることでしょう。隠そうしても隠し通せるわけでもなく、他の参加国の選手たちが、通常通りにその国ユニフォームを着用し、国旗を付けているとしますと、日本チームだけが私服となるのですから、余計に目立つことにもなります。

 テロを怖れる故の過剰反応は、「イスラム国(ISIL)」にテロの効果を確信させ、裏をかく行為を誘発するかもしれません。無用な外出を禁じる等に留め、平常通りに徹する方が、むしろ、安全ではなかったとと思うのです。

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コメント (2)
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