万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

米教科書慰安婦記述の修正は執筆者が鍵?

2015年05月16日 15時25分01秒 | 国際政治
米学者、慰安婦問題に「ぶれ」 異なる見解の声明に同一人物署名 修正応じない出版社主張との食い違い浮き彫りに(産経新聞) - goo ニュース
 アメリカの大手教科書出版会社であるマグロウヒル社の教科書には、慰安婦問題についておよそ史実とかけ離れた記述が掲載されています。この教科書で教育を受けたアメリカ人の多くは、日本国と日本人に対して、生涯、消しがたい偏見を持つことでしょう。

 捏造とも言うべき記述に危機感を抱いた日本国政府も、マグロウヒル社に対して修正を申し込んだもののなしの礫であり、同社は、今後とも、修正には応じない姿勢を示しております。「歴史的事実をめぐって、米歴史学者たちがぶれることはない」と…。けんもほろろな態度ですが、望みが全く失われたわけではありません。同社が説明した修正拒否の理由は、米歴史学者達が教科書の立場を堅持していることにあるからです。このことは、歴史学者、特に、問題の部分を執筆した学者が見解を変更した場合、教科書も連動して修正される可能性があることを示しています。上述した日本政府による是正申し入れを批判した歴史学者19人のうちの10人ほどが、教科書とは異なる見解を示した先日の「187人の声明」にも署名しているとも伝わりますので、執筆者の見解の変更も大いにあり得ることです。教科書会社に修正を求めるよりも、執筆者に対して直接に働きかけた方が、修正実現への近道であるかもしれないのです。史実を示す慰安婦関係の資料を大量に添付して…。

 執筆者が歴史学者である以上、資料を無視することはできないはずです。ここは、出版社である教科書会社よりも、学者としての良心を信じるべきなのではないかと思うのです。

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コメント (2)
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