万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

韓国併合と菅談話の奇妙な合わせ鏡

2010年08月14日 16時43分36秒 | 国際政治
韓国併合談話「過ちに素直に謝罪は当然」 岡田外相(朝日新聞) - goo ニュース
 韓国併合と菅談話。一世紀もの時代の違いこそあれ、両者の間には、奇妙な合わせ鏡があると思うのです。

 丁度100年前の1910年8月22日に、韓国併合条約は調印されました。当時の韓国の内閣総理大臣は、1907年に、伊藤博文統監の推挙の下で就任した、親日派の李完用でした。1909年10月に安重根による伊藤博文暗殺事件が起きると、日本国内の世論は韓国併合に一気に傾き(併合の方針は、暗殺事件前の3月に閣議決定されていたが、”適当な時期”とされていた・・・)、同年に、韓国国内からも、親日派の一進会による「韓日合邦を要求する声明文」が発せられます(対等合併の申し入れ)。1910年6月3日に、日本側では、対等の提案は退けて、「併合後の韓国に対する施政方針」が閣議決定され、韓国側の返答を待つ段階となります。この提案を受けた親日派の李完用内閣では、賛成が多数を占め、合併の受託が決定されるのです。

 菅談話では、国民の意に反して強制的に韓国が併合させられたことを強調しています。自力で独立を保つ能力を備えておらず、しかも、李朝の悪弊に苦しめられてきた当時の韓国国民が、実際に、どれほどこの併合に反対したのかは分かりませんが、もし、国民の反対を押し切って併合を強行することができたとしますと、それは、日本国政府が、親日派の政権を成立させていたからです。

 合わせ鏡とは、親韓派の菅首相が、国民に是非を問うこともなく、国民の反対の声を無視し、韓国政府とのみ相談して、勝手に菅談話を公表したところにあります(民主党は、選挙に際して民団から支援を受けている)。しかも、自国民の意に反しながら、相手国に対しては、国民の意に反したことを謝罪しているのですから、奇妙この上ないのです。100年という時を経て、今日では民族自決の原則と民主主義が確立しているにも拘わらず、民主党政権は、歴史に何も学んでいないのではないかと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。

にほんブログ村 政治ブログへにほんブログ村

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 菅談話―菅首相は韓国と歴史認... | トップ | 終戦の日に寄せて »
最新の画像もっと見る

国際政治」カテゴリの最新記事