花の詩山の詩

花の詩(うた)山の詩(うた)へようこそ
このブログは「花と山とを友として」の続編です

光の矢あふれて

2014年01月04日 15時11分14秒 | 日記

6時46分


6時47分


6時48分


6時52分


6時52分 広角に引いて


6時54分 日の出始まり



当分の間、家内を送り迎えしなければならず、遠くの山にはなかなか行けない
暗い内に起き出して、出勤前までに帰るという弾丸撮影を敢行した。
本来臆病な私は、暗い山道は歩きたくないのだが、背に腹は代えられない。

LEDライトの光芒の中に、風で揺れたススキが幽霊のように見えてギョッとする
背筋が凍り付く瞬間だ。

昔読んだ地方の民話に、年頃の娘が暗い山道を、恋しい男に会いたさに、何里も
歩いていく話があった。
電気のない時代の話で、山は真の闇である。
狼だっている物騒な山道を、ただ会いたい一心で歩いたので有ろう。
家を出るとき手に持って出た餅米が、必死に握りしめていたため、着く頃には
餅になっていたという話である。

ふとその話を思い出して、苦笑した。
乙女だって夜道を歩くのに、男の爺が何を今更。

山頂に着くと、遙かに東京まで続く夜景がきらめいていた。
東の空が白み始めると、夜景は光を失い、白い霞が覆い隠していく。
黒いカーテンのように連なる雲が、霞ヶ浦の奥に山並みを作っていた。

やがてその頂の一点から光が矢のように四方に走り、空の雲を
染め上げていった。

雪山はどこも見えなかったが、荘厳な光のドラマに私は満足だった