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大学教授キョトンCブログ!!
昨晩やっと最終回を。
我が東京経済大学のまん前にある竹茂食堂の堂主様、すなわち、ひげ親父様のご厚意により、
<任侠ヘルパー>の最終回のDVDをいただきました。
嬉しい限りです。ありがとうございました!また、いつも貴重なコメントをありがとうございます!
さて、
暴力団の幹部候補生が幹部として選ばれるための研修として、老人介護施設<たいよう>の介護スタッフになるという奇想天外な設定でしたが、ドラマが視聴者に投げかけるメッセージは、新鮮かつユニークでした。
高齢者専用賃貸住宅(高専賃)が、ドラマの中で語られるとは全く想像していませんでした。
シナリオ作家氏は、先般の無許可有料老人ホームの火災事件をきっかけとする、劣悪な環境にある老人専用アパートに対する問題意識が強く、ドラマで取り上げたのだと思います。
たいようが閉鎖され、暴力団の幹部候補生達が、介護スタッフの経験を通じて人生をチェンジし、その後新しい人生を歩んでいく姿。
これも現実にはありえないのでしょうが、一部の候補生が足を洗ってかたぎの生活に戻る姿にも少しホッとしました。
介護保険制度を牽引する厚労省の幹部。そのパートナーが介護施設をチェーン展開する会社の社長。その社長が、若年性認知症に罹患するという設定にも驚きました。
閉鎖するはずの<たいよう>に、家族や劣悪施設から捨てられた多くの要介護高齢者が集まるという<現代の棄老>。
彼らを守ろうと<たいよう>にバリケードを築く幹部候補生達。
やがて警察との衝突になり、悲惨な戦いに。
この激突をきっかけに、厚労省の幹部が介護に対する見方、考え方を変え、新しいパラダイムで、高齢者ケアを立て直そうと再出発する。
そんなシーンで終わりました。
ブザービートのような恋愛ものも素晴らしいのですが、もう一方で、シリアスな社会問題を、奇想天外な設定でこれからも扱ってほしいと思いました。
奇想天外な設定ほど、記憶に残るし、現実よりも、<より>リアリティがあって説得力があることを、今回のドラマを通じて学びました。