甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

鳥たちは見ていた。私たちも……

2017年07月10日 22時11分23秒 | わたしと大阪
 先日、実家の大阪のてんのうじ動物園に行きました。母と甥っ子と私の3人で出かけました。母としては自分が主導権を握れるメンバーでのお出かけです。もちろん母の行きたいところにいくわけですが、私は動物園の後に、野菜直販所のチェーン店ができたというので、母を連れて行こうと思っていました。

 十数年ぶりの動物園は、基本はそんなに変わってはいなかった。でも、最近はいろいろと地方の動物園が工夫しているというし、大阪市の動物園も何か新機軸をつくろうとあれこれしているのだろうな、という気にはなりました。

 でも、まだまだ改良の余地はあるし、放置されているところがたくさんあったので、少ない予算で少しずつ変えていこう、市民の皆さんに認められる動物園を作っていこうという意欲は感じました。

 とはいうものの、基本のフォーマットはあまり変わっていなくて、アシカの池なんて、もう何十年もそのまんまという気がしました。たぶん、私が昔見たアシカくんたちはいないはずだから、ずっと昔の形で、メンバーだけを入れ替えて、同じ形を見せている気がしました。

 これではなんだかかわいそうだし、何十年も同じというのは、少し工夫がなさ過ぎかもしれない。アシカは、そんなに見栄えのする生き物ではないかもしれないけど、もっと距離を近づける工夫があってもいいですね。



 すごく昔、コンクリートの恐竜たちが置かれていたところ。昔、環状線の外回りで天王寺から新今宮に行くとき、突然地下から三階くらいの高さまでの高架を走ることがあって、いつも上からてんのうじ動物園を眺めるのが好きだったあたり、十数年前以上昔に、大きな網で覆った鳥の楽園というスペースができあがっていました。

 私たちは、そこへ入ってみて、サギたちが楽しげに暮らしている様子を見せてもらった。巣もあちらこちらにあるようでした。

 見上げると、たくさんの鳥たちを、網の外から、かわいそうに自由がなくて……と眺める鳥たちがいるのに気がつきました。

 確かに自由はないけど、まあ、都会の真ん中で、たくさんの鳥たちが天敵も感じずに平和に暮らしていた。

 網の外には足だけになった鳥の死骸があるような気がしました。動かないのだから、自然に横たわっていて動かないのたから、死んでいるのです。

 ふと見上げると、小さなサギの子がいました。カラスに追われているようです。そりゃもうまる見えだから、ターゲットにされたら、あまり逃げるところがないようです。カラスは次から次とやってきて、小さなサギの子をつかまえました。生きたままたくさんのカラスたちに食いちぎられているようでした。

 遠くで惨劇が起こっているので、本当のことなんだろうか。動物園の演出か? という気もしたけれど、どうやら網の外で事件が起きている。



 さっきまでのんびりしていた鳥たちは、網の上で、子どもの鳥がカラスに襲われているのを見ているようでした。決して助けないのです。みんな見ているだけでした。

 まるで私たち人間の世界を見ているようで、もうあまり見る気がしなくなって、鳥の楽園の網の上で、鳥の地獄が起きていると、怖くなりました。どうしてこんな目立つところに小さな鳥はいたんでしょう。親はどうしたんだろう。ある程度大きくなったから、油断していたんだろうか。もう下からボンヤリ見ているしかなかった。

 鳥たちも、私たちも、どうにもできないという点では同じでした。ああ、ザンネンでした。ああ、むごい。でも、それが自然というものかな。嘆いても仕方のないことなのかもしれないな……。


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