近世までのことば 芝居がかっていますね！

◇ 次の空欄に適当な言葉を選び、昔の人の言葉を完成しなさい。

24　（　　　　　　　　　）が一万石(いちまんごく)を買いかねて今日も五斗買(ごとか)い明日も五斗買い……曽呂利(そろり) 新左衛門(しんざえもん)

訳　富も権力も手に入れた方なのに、一万石の米が買えずに、毎日毎日五斗ずつ買っている。

25　露とおち露と消えにし我が身かな（ 　　　　　　 ）のことも夢のまた夢……豊臣秀吉

　訳　露のように生まれ、露のように消えていく我が身であることだ。妻子の住む○○のことも夢のようにはかないものだ。

26　石川や浜の真砂(まさご)は尽きるとも世に（ 　　　　　　 ）の種(たね)は尽きまじ……芝居のセリフ

　訳　浜辺の砂がなくなろうとも、世の中に○○は決してなくならないだろう。

27　不（ 　　　　　　 ）を常と思えば不足なし……徳川家康
　　　
　意味　自己抑制の心がまえとして、どんな苦境でもいつものことと思う。

28　（ 　　　　　　 ）なき民は喜ぶ丑(うし)の年ながき返報(むくい)に糞(くそ)を食はせん……狂歌

　訳　○は泣き、人は喜ぶ丑の年、長い間のお返しにクソでもたべさせよう。


［語群］　ア・ぬすびと　　　　　　　　イ・猫 　　　　　　　ウ・摂政(せっしょう)　　　　
　　　　　エ・太閤(たいこう)　　　　　オ・難波(なにわ) カ・犬
　　　　　キ・自由 　　　　　　ク・鳥



［ヒント］
24・曽呂利新左衛門は、秀吉が朝鮮半島を侵略して、その先の中国まで攻め上るという計画は誇大妄想で、ご渡海(とかい)ご渡海(とかい)と海外侵略ばかりで、内政がおろそかになっていると皮肉ったわけです。なかなか勇気がありますね。あえて諫言したのかもしれませんが、聞く耳を持たなかったようです。

25・その秀吉の辞世(じせい)は、とうとう無常観を手に入れたようにも見えますが、やはりこの人は現実への未練を捨てきれていない。[1598年8月18日・死去 63歳]

26・和歌仕立てになっていますが、芝居のセリフです。「石川」は五右衛門(ごえもん)のこと。人間がいるかぎりこの世に存在し続けるのはどんなお仕事？
　
27・徳川家康には勝算があって、持ち前の自己抑制力で、最後には勝利者となりました。家康さんはただ耐えるだけではなく、自分を磨くことも忘れなかった！

28・時として悪法が生まれます。二十四年間の綱吉のひどい法律が消滅したときの歌です。




［答え］……24・エ 　　　　25・オ 　　　　　26・ア
　　　　27・キ 　　　　28・カ