甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

人間(じんかん)と青山(せいざん)と島と

2020年06月16日 21時23分42秒 | 草にうずもれて

 私は、たぶん、人見知りなんだと思われます。だったら、すごく仲良しになったら、何でも話ができるかというと、そうではなくて、今度は自分からしゃべらずに、おしゃべりは相手にお任せしたい人間だという気がします。

 よほど、おしゃべりするのが面倒なようです。だったら、いつしゃべるのか、それが不安ですけど、あまり話さず、ブログとか、ツイッターとかで、ブツブツつまらないことを書いて満足しているだけなような気がします。

 ナマケモノです。これは確かで、自信があります。ものすごくグータラです。

 でも、旅した時など、旅仲間がいたらいいのに、と思うこともあります。そういう気持ちはあるものの、結局、楽なのはひとりなので、ポツンとフラつくのがいいみたいです。その結果、大事なところは見落とすけれど、自分のわがままな立場で見たものを信じて、つまんない人生を送るようになっていました。まあ、自分の責任です。

 心の底では、仲間を欲している。でも、なかなか仲間は得られなくて、ポツンとしてきました。

 物語でも、そういう仲間がお互いを見つけ合い、めぐり合う物語はわりと好きでした。これは小さい時からずっと好きだったのかもしれない。

 それが完全に確定したのが、中学の時に知った「八犬伝」の世界でした。貧乏武士の家に生まれた犬塚信乃(表記がまちがってる気がする)さんが、自分たちの運命の仲間七人を求めて国内を巡り、みんなで出会ったところで安房の国の里見家に出向き、ここで協力して戦国時代に立ち向かう話だったのだと思われます。

 岩波文庫で読もうと思って、五巻だけを買いましたけど、すべて読んでないし、買ってもないし、全く無縁のまま何十年も過ごしてきました。それでも、「八犬伝」に関するものはずっと興味はあった。

 それで、今から十年ほど前、餘部鉄橋の最後の姿を見るために鳥取に行き、ついでに倉吉にも行き、そこをフラフラ歩いていたら、里見家のお殿様と八人の家来たちはこちらまで流され、ここで最期を遂げたというのを知ったわけでした。

 しばらく忘れていたけど、突然思い出したのです。

 私は、どんな旅の仲間を見つけてきたのか、いつか私はどこへ行くのか、私の最期とはどんな形になるのか、ふと思ったのです。



 芭蕉さんは、九州をめざしていたけれど、大阪で倒れて、そのまま亡くなってしまう。お墓は遺言通り、尊敬する木曽義仲さんのおそばで眠ることにされた。

 どうして、そんなマイナーな方に憧れたんだろう。「平家物語」の最後の場面が気になってたんでしょうか。みんなに慕われ、可能性はいっぱい持っていたのに、源氏お得意の仲間割れで、親戚の人に討たれてしまった木曽義仲さん、奥さんもずっと戦場に寄り添っていたわけだから、愛されてたのは確かです。でも、歴史的にはどうだったのかな。いや、芭蕉さんは、歴史的な評価なんかどうでもよくて、物語の中の義仲さんにあこがれたんでしょう。その気持ちは動かないものですもんね。

 そういう悲劇がなんとも言えなかったんだろうか。芭蕉さんのこと、気にしている割には不勉強で、どうして大津に眠っておられるのか、わからないですけど、とにかく芭蕉さんはそこに決めたようです。

 芭蕉さんと「おくのほそ道」の旅をした曽良さんは、最期は長崎の壱岐の島だったといいます。そういう調査関係のお仕事をしていたのか、それとも酔狂だったのか。ここでも、曽良さんはポツンと長崎の島です。

 島と言えば、二葉亭四迷さんという明治の真ん中ごろ、言文一致で小説を書こうとした人がいましたけど、あの人もシンガホールで亡くなっている。


 みんな、誰かを求めて旅をしていたと思うのです。でも、たまたま運命により、そういう形で亡くなることになった。

 今日の夜、2014年の5月ころの「こころ旅」を見ましたけど、火野正平さんは、佐渡島の「梨の木地蔵」というところに行くようにお願いされて、ヒーヒー坂道を6キロ登って、ようやくたどりついたら、森の中に一めんのお地蔵様の群れで、もうたくさんのカンパニーはいたんですけど、すべて病気が治癒したり、しなかったりの思いのこもったお地蔵さん、ということでした。

 いつか、誰かと、どこかで、みんなで遠い所を旅するのかもしれないけど、せめて生きてるときに、気の合う仲間と、近くでもいいから、旅ができたらいいなあ。

 そういうチャンス、見つけていきたいと思いました。人見知りの私ですけど、いろんな人に声をかけて、一緒に行こうと言ってもらえるようにしたいです。



 

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