とりそぼろ弁当が台無しになった後、私たちは熊野市から御浜町へ抜けて、神木地区へ向かいました。
神川・神上(かみかわ? こうのうえ)、神木(こうのぎ)と、神のつく地名が熊野にはいくつかあるようです。やはり、わりと神様と近しくなれる感じの土地なのだと思われます。
神木にはみかんを買いに行きました。たくさん買って、スッカラカンになった。
そして、どこの温泉にも行かないで、サッサと帰ることにしたつもりでした。
でも、「神木のイヌマキ」という看板を目にしたので、ぜひ行ってみようということになった。
何かがしたかったんでしょう。
5分とあったので、すぐに到着できるものと、ノコノコ歩いてみました。それくらいあたたかなお昼過ぎでした。この5分というのは、あとで考えれば「クルマで5分」ということなのだと思いましたが、その時の私たちは歩いてみたかった。
ネコが三匹日向ボコをしています。ああ、のどかな小春日和。
私たちは、どんな木かわからないけれど、その木を視界にとらえようとしていました。でも、そのてっぺんは見えてこなかった。どうなっているんだろう。
川をさかのぼっていくと、ようやく山のとっかかりのようなところに木のてっぺんが集落に囲まれて見えていて、そちらに向かって歩きました。
木は、川を挟んで道の向こう側にあって、まるで橋を渡ると、木の聖域に入ることができる感じです。
私は、もちろん木のそばまで行きました。奥さんは、橋を渡ると木の聖域に踏み込んでしまうから、そんな恐れ多いことはできないと、橋の所から見上げています。あいかわらずの奥さんです。いつも神様に対して敬して近寄らずなのです。その意固地なところが彼女らしい。
私は、感受性は低いのにノコノコ近づくことはできて、木を見上げています。すると、木にはたくさんの鳥がいるみたいで、みんなであれこれおしゃべりしていました。1羽や2羽ではありません。とてもたくさんの鳥の声でした。
木のありがたさも教えてあげたかったし、鳥たちの声を聞かせてあげなくちゃと、橋の向こうの奥さんを呼んで、彼女もおそるおそるやってきて、鳥の声を聞きました。
1 小春日や神の木から降る鳥の声
2 控えめな妻呼び寄せて冬の鳥
神川・神上(かみかわ? こうのうえ)、神木(こうのぎ)と、神のつく地名が熊野にはいくつかあるようです。やはり、わりと神様と近しくなれる感じの土地なのだと思われます。
神木にはみかんを買いに行きました。たくさん買って、スッカラカンになった。
そして、どこの温泉にも行かないで、サッサと帰ることにしたつもりでした。
でも、「神木のイヌマキ」という看板を目にしたので、ぜひ行ってみようということになった。
何かがしたかったんでしょう。
5分とあったので、すぐに到着できるものと、ノコノコ歩いてみました。それくらいあたたかなお昼過ぎでした。この5分というのは、あとで考えれば「クルマで5分」ということなのだと思いましたが、その時の私たちは歩いてみたかった。
ネコが三匹日向ボコをしています。ああ、のどかな小春日和。
私たちは、どんな木かわからないけれど、その木を視界にとらえようとしていました。でも、そのてっぺんは見えてこなかった。どうなっているんだろう。
川をさかのぼっていくと、ようやく山のとっかかりのようなところに木のてっぺんが集落に囲まれて見えていて、そちらに向かって歩きました。
木は、川を挟んで道の向こう側にあって、まるで橋を渡ると、木の聖域に入ることができる感じです。
私は、もちろん木のそばまで行きました。奥さんは、橋を渡ると木の聖域に踏み込んでしまうから、そんな恐れ多いことはできないと、橋の所から見上げています。あいかわらずの奥さんです。いつも神様に対して敬して近寄らずなのです。その意固地なところが彼女らしい。
私は、感受性は低いのにノコノコ近づくことはできて、木を見上げています。すると、木にはたくさんの鳥がいるみたいで、みんなであれこれおしゃべりしていました。1羽や2羽ではありません。とてもたくさんの鳥の声でした。
木のありがたさも教えてあげたかったし、鳥たちの声を聞かせてあげなくちゃと、橋の向こうの奥さんを呼んで、彼女もおそるおそるやってきて、鳥の声を聞きました。
1 小春日や神の木から降る鳥の声
2 控えめな妻呼び寄せて冬の鳥