熊本駅は、1984年に降りたくらいで、もう35年ぶりということになるのでしょうか。懐かしい建物はどうしたの? あのガッシリした建物は?
なんと張りぼてになっていました。残念な感じです。どこでも同じのツルンとした駅舎になるのかな。仕方のないことですけど、この張りぼてを活かした建物が作られるんでしょうか。
駅の前から、路面電車に乗って、中心市街地をめざしました。お城も繁華街も、みんな東の方にあるようです。この電車に乗るために、わざわざイコカを持ってきました。ピッとして、乗りました。降りる時も再度ピッとしてください、とのことで、お正月の三日の夕方にお仕事をしているせいか、運転士さんのアナウンスは、丁寧に至れり尽くせりではありますが、停車ボタンを押さないおじいさんが「次におります」と言っただけで、「ボタンを押してください」と慇懃に言います。「ハイ、わかりました」じゃなくて、「ボタンを押してください」でした。少しイライラしているようでした。
私は、おじいさんの代わりにボタンを押してあげました。少しイライラムードの混雑した車内でした。何度も何度もカーブして、その度に「カーブします、ご注意ください」のアナウンスも、何だか御機嫌ななめな感じです。
次に私の降りる駅が来ました。次のカーブを曲がれば、いよいよ降りなきゃ、というところで車内が一斉に警報だらけになりました。うるさいなあ、この警報だけで落ち着かない気分じゃないの! と思ったら、ちゃんと私のガラケーさんも鳴っていました。
いつ、どこであるの? 画面を見たら、福岡の方で地震ですと書いてあります。そうか、明日行く福岡が地震なのか、熊本はたいしたことないなと、電車を降りました。
道に面した商店街を少し歩いてみたら、みんなが地震のことを話しています。妻からも、「大丈夫なの?」と電話も入りました。
そうか、大変なのか。自分がうかつにも揺れを体感できなかったので、何だかウソみたいな感じです。でも、チャンポンチェーン店でごはんを食べたんですけど、揺れを感じた、下からズーンと来た、という話を聞かされて、そうか、三年前の四月のことを思い出したのかと、大変な気持ちになりました。
でも、せっかくここまで来たのだから、ライトアップされている熊本城のおそばまで行かなくちゃと、テクテク歩いてみて、灯りがついているし、お囃子も聞こえてきます。ポツリポツリと降りてくるお客さんもいます。
灯りに誘われて上がってみると、そこは加藤神社というところだそうで、まるで「地獄の黙示録」(1979)の川の奥の灯りのついた橋の状態でした。
そこへひよっこりたどり着いたので、とりあえずお参りをして、お城を望ませてもらい、また歩いてホテルまで帰りました。路面電車の撮影にもチャレンジしたんですけど、全部失敗でした。
お城の写真も、ちゃんと撮れませんでした。明日、早く起きられたら、もう一度お城の方へ行かせてもらうかな。どうなるだろう。行き当たりばったりで、何だか申し訳ないです。