一年半前のお正月、人吉市を歩いていました。火野正平さんの「こころ旅」という番組で、球磨川沿いの旅館でたたずむ少年の姿を思い出す、というような手紙が来ていて、そこを正平さんが訪ねていて、その旅の川沿いに行ってみたいなと、カゴシマの指宿の家からずっと鉄道を乗り継いで、ようやくこちらに着いたのは、いつだったか、お昼は過ぎてたでしょうか。
確か、この町のお城の石垣まで歩いて、その芝生の上から町を眺めながら、母が作ってくれたオニギリを食べたような気がします。
オッチャンなのに、母は子ども扱いして、「外で食べたらおいしいやろ、私は食堂なんかで食べるのはキライや」とかなんとか。
お母さん、今までずっと外食しないで節約してきたから、いつの間にか、そういうふうに理論武装して、それが自分の本来の姿にしてしまいましたね。ボクも母の教えを受けているので、その指導が絶対というところがあって、イマイチ外でのお食事って、楽しめないところがあるんですけど、損な性格ですね。
とにかく、念願の人吉の町を歩いてたんでした。古都というから、それなりの風情を見つけたかったんだけど、ボクの歩きでは見つけられなくて、この国宝の青井阿蘇神社の不思議な雰囲気だけが印象に残りました。
国宝の神社というけれど、わら葺・茅葺の建物ではないですか! 確かにすごいんだけど、もっとじっくり見たいんだけど、参拝客の方たちがいっぱいで、見られなかった。何しろ正月の三日だったんです。並ぶのが嫌で、参拝もしなかった。ああ、せっかくここまで来ていたのに!
南側の鳥居のところもこんな感じで、とても賑わっていた。それから、町をフラフラ一時間以上歩いて……。
というのを、もっと早く書いておくべきでした。あれからちゃんと書けないまま時間は過ぎて、この前の豪雨で、建物や町全体も被害にあったようでした。
ふたたび行けるのかどうか、それは分からないけど、この町や神社やお城の復興を祈らなくてはならないと思うし、また行ってみたいです。今度はクルマかな。
そして、お正月じゃなかったら、青井阿蘇神社という不思議な名前の神社にも落ち着いてお参りできるだろうし、そういう時、またSLを撮りに行きたいです。
人吉や球磨川流域のみなさん、応援しています。私は何にもできないけど、いつかまた行きます。もう少し勉強して、古い町をみせてもらえるようにしたいです。たぶん、そういうところ、あると思うんだけど……。