尾崎咢堂さんって、尾崎行雄さんのことなんです。第一回衆議院選挙から25回連続当選した方なんだそうです。10代半ばにお父さんの仕事の関係でこちらに来て、そういう縁もあってここから選挙に立ったそうです。
そういう関係で、伊勢の宮川河畔に記念館があります。
私は初めてこちらを訪れました。ここの前を通ったことがあったけれど、こんな夕方に何で私はここにいるんでしょう。
昔から知っている若者で、古楽コンテストで優勝して、回り道をしたけれど、やっと大学も卒業して、昨日までは奈良で、明日からは名古屋で、コンサート活動をしている人がいて、誘われて行って来ました。
彼は、チェンバロ奏者になったそうでした。ピアノはもう地域ナンバーワンという人でしたけど、日本で、世界で、ピアノから転身してチェンバロに突き進んでいるということでした。どういう出会いがあったんだろうな。
生でチェンバロを聞かせてもらうのは初めてだし、チェンバロの仕組みも教えてもらったし、実りあるコンサートでした。
ピアノはしばらく音が残っているから、次の音にいくまでに何だか間ができてしまうんですが、チェンパロははじいて音を鳴らすので、音がどんどん重なっていくし、休んでいる時間がありません。ずっと鳴らしているか、絶えず震えているみたいな、風の中の羽みたいにフワフワ音が移動していきます。
バッハのヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタを3曲演奏してもらいました。かなり気に入ったので、これはすぐにCDを買わせてもらった。でも、CDは残念ながらNくん演奏ではありませんでした。……もうアマゾンで彼のソロCDを買うしかないなあ。
夕方に現地について、少しだけまわりを散歩していたら、Nくんに出会ってしまって、久しぶりではあったので、ほんの少しだけ話をして、でも、外では冷たい風も吹いてくるし、彼の指先を冷たくしてはダメだと思い、私はもうしばらく外を歩いてみることにして、彼には中に入ってもらうことにしました。
目の前の宮川は、もう見えなくなりつつありました。
夕映えが少しだけ西の山の上に輝いている。さすがに寒くなってきて、中へ入ろうと決めて、外からもう1枚撮りました。なかなかいい雰囲気です。中はわりと今風で、その会議室でコンサートがあるということでした。咢堂さんが生活していたわけではないから、新しいのは新しいわけです。そうか、そういうことか。
感動したんだけど、うまくまとまらないから、明日でも書くことして、夕やみに浮かぶ記念館だけ貼り付けておきます。