甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

鳥たちと日曜日、そぼろを返せ!

2016年12月18日 21時16分56秒 | 三重・熊野さんぽ
 お世話になっている人たちに、お歳暮というわけではないけれど、ミカンを送ろうと思っていました。それで、またも三重県の南にドライブに出かけたのです。最近よく行くようになりました。ETCはないけれど、無料区間だけを利用させてもらって、南の方へ行くのです。

 たしか先週も行きました。でも、先週はお昼に母たちと別れてから、一目さんで帰ったので、あまり南の方へ行ったという感覚がなかったのです。何も買わなかったし、どこにも降りなかったし、車窓を風景が流れていただけでした。そんなのは旅ではないです。ただの移動で、全然おもしろくない。



 でも、うちでは奥さんが待っているし、もう十分疲れていたから、早く帰ったというところかな。それで、日曜日はというと、朝はゆっくりで、ゆったりゴハンを食べました。コーヒーだって久しぶりに淹れました。

 そうすると、伸び放題の庭木のプリペットに、メジロの集団がやってきました。プリペットとは、垣根などに使われる、そんなにメインになるような木ではないのです。それがうちでは、5本植えて一番日当たりの悪い木は枯れて、一番大きく伸びた木が次から次と枝を伸ばし、他の仲間をいじめるのです。なんだか人間を見ているようで、伸び切れていない小さい木を伸ばしてあげよう、上に隙間を作ってあげようとすると、またも、のさばっている木がそこに枝を伸ばすのです。

 ああ、こうして木同士の戦いというのか、伸び合いというのかは続いていて、この冬は紺色の小さな実をつけています。うちの庭をエサ場だと考えているヒヨドリが来て、乱暴に食べていきます。

 そして、集団のメジロたちは、気まぐれなヒヨドリがどこかへ飛んでいくのをどこかで見ていて、すぐにみんなでやって来て、コツコツ食べていました。

 うちの庭にメジロが来るなんて、珍しいことでした。

 そうか、せっかくの日曜日だし、少し庭の掃除をしなくては! と少しだけ枯れ枝枯れ葉を集めてみました。すると今度は、メダカの鉢で水浴びする鳥がいました。

 だれでしょう? スズメくらいの大きさです。私がすぐそこにいるのに、わりと熱心に水浴びをしている。少しメダカが心配になるくらい、バシャバシャしていた。

 すっかり浴びたのか、プリペットの枝にもどって、身震いしている。紺色の実も食べたかもしれない。こんな優雅な鳥はだれ? と思ったら、それはジョウビタキのようでした。

 彼と同じ空間にいられたことで、私は何だかうれしくなりました。

 それで、家族みんなが準備ができて、しばらくして出発になりました。

 お気に入りのうどんやさんがあるので、そこで食べてもよかったけれど、暖かだし外で食べようとお弁当を買いました。ここで私はいつものとりそぼろ弁当にしてしまいました。ああ、鳥づいていたんですね。唐揚げやトリカツなんかにはしませんでした。

 そして、どこで食べようか思案したあげく、新鹿の海岸で食べようと決めたんでした。



 浜辺に向かう階段に座って、「さあ、食べよう。その前に写真を撮ろう」と一枚撮って、一口食べました。おかずのポテトのフライも食べようとしたとき、バンとはたかれて、弁当はひっくりかえりました。おかずは階段に転げ落ちた。しかし、それにしても今の衝撃は何だ? と、見上げると茶色の猛禽類が私のお箸とオカズのきれっぱしをつまんで空中でホバリングしているではありませんか。

 カラスたちも集まっていました。おこぼれを狙うウミネコも一匹来ていた。

 さあ、大変です。私たち家族は狙われている。

 みんなであわててクルマの中に避難しました。もう、階段に転げたものは拾えないし、鳥たちにおそわれることから逃げなくてはならなかった。

 そうすると、もう階段では鳥たちの弁当パーティになったのです。みんなで寄ってたかって食べています。カラスもトンビに済まなさそうに食べさせてもらい、トンビはみんな仲良くムシャムシャ食べて、ウミネコはそこに割ってはいることは許されず、しばらく鳥たちのパーティはつづきました。

 しばらくしたら、みんなどこかへ消えたので、どうなったのかを奥さんは見に行きました。ゴミが散らかるのを心配したのです。すると、そこは何もなくて、きれいな階段があるだけだったそうです。

 私は、もうアホらしくって、とても見る気にはなれませんでした。

 ああ、そんな鳥の日曜だったんですね。


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