明日は久しぶりに休みです。何だかうれしいなあ。ウチの片付けをしないといけないですね。
私はいつも一本道を走っています。だから、途中でとんでもないゆっくりオジイサンドライバーとかがいると、それだけで道は大混乱するんです。たいていは我慢するのだけれど、時々追い越し魔に変身します。でも、心臓はタフではないので心拍数が上がります。いつも、ああ、変な邪悪な心をよみがえらせてしまった。とあとで反省します。それなのに、すぐに反省した内容を忘れてしまう……。
今朝もそうでした。大きなダンプ、怪しい動きをしながら変なタイミングでブレーキを踏むワンボックスカー、この2台に道をふさがれていました。私はモヤモヤしながら運転していた。7時前の山道でした。
「えーい、追い抜かしてやる!」
なんていう、過激なことは考えませんでした。なぜかというと、今朝は、お伊勢さんの方角にぽっかり浮かんだ島のような朝熊山(あさまやま)のすぐ横から出てくる朝日を拝むことができたからでした。朝焼けもとてもきれいだし、大地の上から出てきた朝日は、赤くて大きかった。本当なら赤い大地と島のような山と大きな朝日の写真を撮りたかった。でも、運転中だし、心に焼き付けたつもりでした。そうやはりお伊勢さんは、太陽の神様なんだという気がしました。
そんなありがたいお日様を見ることができたので、私は穏やかに運転していました。でも、どんくさいクルマを見つけると、すぐにイヤになって、別の道で追い抜かせるようにしてしまうんです。まあ、たいていそんな小細工は裏目に出て、逆にどんくさいクルマとの間にさらに何台かはさまることが起こるのでした。
出し抜いたつもりが逆に出遅れること、私の人生においてはよくあることです。そんな時は、まあ、リスクを承知で抜け道を選んだのだから、ゆっくりと進む正統派に文句は言うまいと思います。うまく追い抜けたら、してやったりで、「ははーん」とか思うんですから、それはまあ仕方ない。
それで、今朝は?
信号に止まりました。私はダンプとワンボックスの後ろの3台目でした。後ろから迫る黒いブリウスはうるさ型で、チャンスがあれば人を出し抜いてやろうというクルマのようでした。それで、右折レーンに入ったと思ったら、青になったとたんにダンプの前に出て、そのまま追い抜いて行きました。
私は?
私は、せっかくありがたい朝日を拝んだのに、邪心が起こって、いつもの抜け道でダンプとワンボックスを抜き去る作戦に出ました。
抜け道が一本道に合流する地点で、よーくまわりを見てみましたが、2台ともいなかった。仕方がないので、そのまま普通に走っていたら、あんなに必死にセコセコ抜いていった黒のプリウスは、その前を走るクルマを抜くに抜けずでチンタラ走っていました。私はプリウスさんの後ろについて、せっかくせこく走ったのに、また一緒になったねとアピールして走ったものでした。
それから、大きな道に出たプリウスさんは、道に大きな木の折れたのがあったのをよけ損ねて、ガサガサと踏み越えていました。あんなにすばしっこい運転をしていたのに、人が変わったようにモタモタ走っていました。クルマって、その人の性格で、クルマにはたいしたキャラはないのに、まるでその人になってしまうところがあって、人はクルマにもなれてしまうのだと思いました。どんくさいクルマへと変身していた。
さて、私のクルマはどんなキャラなんでしょう?
私のクルマは、どんくさいのに、かっこいいと思ってる自意識過剰のトッチャンボーヤですね。いつまでも未熟なままで、いいオッサンなのに落ち着きがないし、まともなコメントも言えない、頭カラッポの白いクルマですか。
それはクルマじゃなくて、私そのものですね。いやはや……。
帰り道、お月さんがキレイでした。もう十代後半のお月さんでした。満月から何日か経っていました。左上が少し欠けているけど明るい月でした。月のおかげでとても明るかった。自分の影さえくっきりしているし、建物の影がしっかり影になっていた。
空もキレイで、星はそんなに見えないのですが、南から東北へ低く動く光が見えました。
中学生の頃なら、「あっ、UFOだ!」喜んでしまうところなんですが、もう低く東北へ飛ぶ光というのは、自衛隊のヘリコプターなんだろうと思ってしまって、あまりときめきも何にもありません。
それで、気持ちは突然「宇宙人ポール」の世界に飛んでしまって、昔っから、私たちは宇宙人の乗り物といえば円盤というイメージでもう何十年もやってきていることに気づきました。宇宙人の乗り物は、どうしてあんな丸型なのか? その宇宙船はどんなふうにして飛ぶのか? 推進力は何なのか? 磁力線か? それとも宇宙には何だかわからない力があって、宇宙人たちはそれを利用して宇宙を移動するのか? たまには地球人が作ったロケットとか、宇宙船みたいなものに乗る宇宙人とかいないかなあとか思いました。
確かに、「スターウォーズ」の世界では、みんなが地上も宇宙空間もわりとモノラルというのか、シンプルというのか、そのような乗り物で移動していましたけど、地球的な宇宙船で、宇宙を移動する人たち、イメージできないものかなあ。……とか、つまらないことを考えていました。私のイメージは60年代後半のアポロ宇宙船のままなんですね。それから50年近く経過しているんだから、ちがう宇宙船があってもいいのだけど、人間はまだ重力をうまく飛び抜けないですね。いや、ずっとしばられたままなのかな、これからも。
三角帽子がBGMでした。音量はなるべく大きく、スペインの祝祭空間の中を走り抜けるような気分で走っていました。もう夜も遅いので走るクルマもあまりいません。だーれもいない道をトントンと走っていた。
山の中の道から、少しずつ都市部に入りかけたとき、夜なのにどんくさいクルマが前にいました。帰りのクルマの運転の時、時々私は追い抜き魔になるときがあって、この時も人が変わりそうでした。一声吠えて追い抜きそうでした。
でも、地球の宇宙船のデザインの無骨さに、少しがっかりして、せいぜい円盤的なものが欲しいけど、いつまで経っても、なかなか難しいなあと思った直後だったので、急ぎませんでした。
細い一本道を、どんくさいホンダの乗用車のあとに従っていました。いつか抜かせるか、違う道を選ぼうと考えていました。さあ、カーブを曲がって、チンタラ道が細くなっているカーブのところ、そこで遅いクルマが突然止まりました。
どうしたんでしょう? ゆっくり近づくと、地面から何かがわき上がりました。黒い影は、シカのようで、クルマにぶつかったけれど、キズは深くなくて、立ち上がり森の奥へと消えていった。
「ああ、変な気分でどんくさいクルマを片っ端から抜いてやろう」という変な気持ちはセーブすることが、たまたまできた。そのおかげで、つい1分前、このどんくさいクルマを追い抜いてやろうとした私は、シカにぶつからなくて、いやな気分を味わわずに済んだ!
シカの被害はどれくらいなのかわからなかった。クルマは普通に走りました。
「ああ、軽くぶつかったのだ。それはよかった。」と思っていたら、道の側道スペースを見つけて停車しました。クルマから4人くらい人が出てきました。この人たちは、のんびりおしゃべりしながら走っていたのでしょう。そうしたら、つっかかってくるシカがいて、少しだけぶつかってしまった。幸いシカは元気で、一度倒れたけれど、すぐに起き上がることができた。
小さな事故でした。警察も呼ばず、ぶつかり損でイヤーなドライブになってしまったかもしれない。あんなにゆっくり走っていても、シカの暴走は避けられなかった。私はたまたま運がよくてシカにぶつからなかった。でも、シカって、こわいものだと思い、私の暴走モードは収まって、シンミリ帰りました。
それからは、どういうわけか何度も信号に引っかかりました。でもこうして幸せで入れるということは、何度も何度も試されるということなのだと、今日わりとしあわせな気分ではあったので、信号に合わせてゆっくり走りました。お月さんはもう後ろから私の動きを見ていたことでしょう。
みなさん、秋の1日、どのように過ごされましたか? どうなんでしょう、いつかみなさんと一緒にやれる日を夢見て、生きていくしかないですね。ああ、私は睡眠不足です。
★ この最後の呼びかけ、意味不明です。何が言いたかったんだろう。翌朝になった私には、わかりません。酔っていたのか、ボケているのか、本当に何を言い出すやら……。
私はいつも一本道を走っています。だから、途中でとんでもないゆっくりオジイサンドライバーとかがいると、それだけで道は大混乱するんです。たいていは我慢するのだけれど、時々追い越し魔に変身します。でも、心臓はタフではないので心拍数が上がります。いつも、ああ、変な邪悪な心をよみがえらせてしまった。とあとで反省します。それなのに、すぐに反省した内容を忘れてしまう……。
今朝もそうでした。大きなダンプ、怪しい動きをしながら変なタイミングでブレーキを踏むワンボックスカー、この2台に道をふさがれていました。私はモヤモヤしながら運転していた。7時前の山道でした。
「えーい、追い抜かしてやる!」
なんていう、過激なことは考えませんでした。なぜかというと、今朝は、お伊勢さんの方角にぽっかり浮かんだ島のような朝熊山(あさまやま)のすぐ横から出てくる朝日を拝むことができたからでした。朝焼けもとてもきれいだし、大地の上から出てきた朝日は、赤くて大きかった。本当なら赤い大地と島のような山と大きな朝日の写真を撮りたかった。でも、運転中だし、心に焼き付けたつもりでした。そうやはりお伊勢さんは、太陽の神様なんだという気がしました。
そんなありがたいお日様を見ることができたので、私は穏やかに運転していました。でも、どんくさいクルマを見つけると、すぐにイヤになって、別の道で追い抜かせるようにしてしまうんです。まあ、たいていそんな小細工は裏目に出て、逆にどんくさいクルマとの間にさらに何台かはさまることが起こるのでした。
出し抜いたつもりが逆に出遅れること、私の人生においてはよくあることです。そんな時は、まあ、リスクを承知で抜け道を選んだのだから、ゆっくりと進む正統派に文句は言うまいと思います。うまく追い抜けたら、してやったりで、「ははーん」とか思うんですから、それはまあ仕方ない。
それで、今朝は?
信号に止まりました。私はダンプとワンボックスの後ろの3台目でした。後ろから迫る黒いブリウスはうるさ型で、チャンスがあれば人を出し抜いてやろうというクルマのようでした。それで、右折レーンに入ったと思ったら、青になったとたんにダンプの前に出て、そのまま追い抜いて行きました。
私は?
私は、せっかくありがたい朝日を拝んだのに、邪心が起こって、いつもの抜け道でダンプとワンボックスを抜き去る作戦に出ました。
抜け道が一本道に合流する地点で、よーくまわりを見てみましたが、2台ともいなかった。仕方がないので、そのまま普通に走っていたら、あんなに必死にセコセコ抜いていった黒のプリウスは、その前を走るクルマを抜くに抜けずでチンタラ走っていました。私はプリウスさんの後ろについて、せっかくせこく走ったのに、また一緒になったねとアピールして走ったものでした。
それから、大きな道に出たプリウスさんは、道に大きな木の折れたのがあったのをよけ損ねて、ガサガサと踏み越えていました。あんなにすばしっこい運転をしていたのに、人が変わったようにモタモタ走っていました。クルマって、その人の性格で、クルマにはたいしたキャラはないのに、まるでその人になってしまうところがあって、人はクルマにもなれてしまうのだと思いました。どんくさいクルマへと変身していた。
さて、私のクルマはどんなキャラなんでしょう?
私のクルマは、どんくさいのに、かっこいいと思ってる自意識過剰のトッチャンボーヤですね。いつまでも未熟なままで、いいオッサンなのに落ち着きがないし、まともなコメントも言えない、頭カラッポの白いクルマですか。
それはクルマじゃなくて、私そのものですね。いやはや……。
帰り道、お月さんがキレイでした。もう十代後半のお月さんでした。満月から何日か経っていました。左上が少し欠けているけど明るい月でした。月のおかげでとても明るかった。自分の影さえくっきりしているし、建物の影がしっかり影になっていた。
空もキレイで、星はそんなに見えないのですが、南から東北へ低く動く光が見えました。
中学生の頃なら、「あっ、UFOだ!」喜んでしまうところなんですが、もう低く東北へ飛ぶ光というのは、自衛隊のヘリコプターなんだろうと思ってしまって、あまりときめきも何にもありません。
それで、気持ちは突然「宇宙人ポール」の世界に飛んでしまって、昔っから、私たちは宇宙人の乗り物といえば円盤というイメージでもう何十年もやってきていることに気づきました。宇宙人の乗り物は、どうしてあんな丸型なのか? その宇宙船はどんなふうにして飛ぶのか? 推進力は何なのか? 磁力線か? それとも宇宙には何だかわからない力があって、宇宙人たちはそれを利用して宇宙を移動するのか? たまには地球人が作ったロケットとか、宇宙船みたいなものに乗る宇宙人とかいないかなあとか思いました。
確かに、「スターウォーズ」の世界では、みんなが地上も宇宙空間もわりとモノラルというのか、シンプルというのか、そのような乗り物で移動していましたけど、地球的な宇宙船で、宇宙を移動する人たち、イメージできないものかなあ。……とか、つまらないことを考えていました。私のイメージは60年代後半のアポロ宇宙船のままなんですね。それから50年近く経過しているんだから、ちがう宇宙船があってもいいのだけど、人間はまだ重力をうまく飛び抜けないですね。いや、ずっとしばられたままなのかな、これからも。
三角帽子がBGMでした。音量はなるべく大きく、スペインの祝祭空間の中を走り抜けるような気分で走っていました。もう夜も遅いので走るクルマもあまりいません。だーれもいない道をトントンと走っていた。
山の中の道から、少しずつ都市部に入りかけたとき、夜なのにどんくさいクルマが前にいました。帰りのクルマの運転の時、時々私は追い抜き魔になるときがあって、この時も人が変わりそうでした。一声吠えて追い抜きそうでした。
でも、地球の宇宙船のデザインの無骨さに、少しがっかりして、せいぜい円盤的なものが欲しいけど、いつまで経っても、なかなか難しいなあと思った直後だったので、急ぎませんでした。
細い一本道を、どんくさいホンダの乗用車のあとに従っていました。いつか抜かせるか、違う道を選ぼうと考えていました。さあ、カーブを曲がって、チンタラ道が細くなっているカーブのところ、そこで遅いクルマが突然止まりました。
どうしたんでしょう? ゆっくり近づくと、地面から何かがわき上がりました。黒い影は、シカのようで、クルマにぶつかったけれど、キズは深くなくて、立ち上がり森の奥へと消えていった。
「ああ、変な気分でどんくさいクルマを片っ端から抜いてやろう」という変な気持ちはセーブすることが、たまたまできた。そのおかげで、つい1分前、このどんくさいクルマを追い抜いてやろうとした私は、シカにぶつからなくて、いやな気分を味わわずに済んだ!
シカの被害はどれくらいなのかわからなかった。クルマは普通に走りました。
「ああ、軽くぶつかったのだ。それはよかった。」と思っていたら、道の側道スペースを見つけて停車しました。クルマから4人くらい人が出てきました。この人たちは、のんびりおしゃべりしながら走っていたのでしょう。そうしたら、つっかかってくるシカがいて、少しだけぶつかってしまった。幸いシカは元気で、一度倒れたけれど、すぐに起き上がることができた。
小さな事故でした。警察も呼ばず、ぶつかり損でイヤーなドライブになってしまったかもしれない。あんなにゆっくり走っていても、シカの暴走は避けられなかった。私はたまたま運がよくてシカにぶつからなかった。でも、シカって、こわいものだと思い、私の暴走モードは収まって、シンミリ帰りました。
それからは、どういうわけか何度も信号に引っかかりました。でもこうして幸せで入れるということは、何度も何度も試されるということなのだと、今日わりとしあわせな気分ではあったので、信号に合わせてゆっくり走りました。お月さんはもう後ろから私の動きを見ていたことでしょう。
みなさん、秋の1日、どのように過ごされましたか? どうなんでしょう、いつかみなさんと一緒にやれる日を夢見て、生きていくしかないですね。ああ、私は睡眠不足です。
★ この最後の呼びかけ、意味不明です。何が言いたかったんだろう。翌朝になった私には、わかりません。酔っていたのか、ボケているのか、本当に何を言い出すやら……。