甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

泉水さんを氷点下に今想う

2018年01月30日 21時55分13秒 | わがまま音楽

 1990年の初めだったかのことです。そのころは大阪に住んでおりました。写真好きの知人が、わざわざ鈴鹿サーキットでレースクイーンたちの写真を撮ってきたということで、その作品を見せてくれました。どの人もみんなキレイで、ひときわ輝いていたのが、岡本夏生さんであり、蒲池幸子さん(後の坂井泉水さんです!)であったようです。他にももっともっとキレイな人たちはいたみたいだけど、私にはどれも同じような人に見えて、あまり違いがわかりませんでした。

 私は三十代になったばかりだったので、もう少し興味を持ってもよさそうなものだけれど、モデルさんたちが営業スマイルをしている写真をいくら見せてもらっても、それは本物ではなくて、ただのキレイなお姉さんたちであり、私には関係のない世界の人たちでした。

 どんなにかわいくても、彼女たちが私に何をしてくれるわけでもないし、彼女たちに恋焦がれて夜も眠れないとか、全くありませんでした。

 まあ、それは当たり前です。今の芸能人の人たちと一緒で、どんなトップアイドルでも、すべて私には一緒に見えます。何も私に語りかけはしないのです。お互い様ですか……。

 でも、今思うと、その知人に見せてもらった女の子たちの写真の中に、のちの坂井泉水さん、バンド名はZARDとして活躍するその人がいたわけでした。今となっては、それがわかるけれど、当時はすぐに忘れてしまうものでしかありませんでした。

 それから、泉水さんは、少しずつ音楽活動をしていき、90年代からずっとシングルのヒットを出し続け、私が、深夜テレビでたまたま見つけたPVは「Don't You See」という作品で、1997年に1位を記録した作品だそうで、97から99年くらいまで、ずっと活躍し続けていたそうです。レースクイーンからわりとすばやく転進できたんですね。

 たぶん、そのころに流れに乗り遅れてはいたけれど、CD「Sun&Stone Zard Blend」という夏の曲を集めたベスト盤みたいなのを、妻に隠れてこっそり買いました。家でも聞かず、こっそりクルマで聞いたか聞いてないかくらいの、ひっそり感で、ほとんど聞かずに放置しておりました。聞く場がなかったのかなあ。照れくさかったのか、好きと言えなかったのか。好きなのは奥さんだけにしたかったのかどうか(たぶん、そうではないな)……。



 その泉水さんが、21世紀になって、突然の病気ということで、よくはわからなかったけれど、闘病生活をしているということでした。もとからテレビにも出ないし、コンサートもあまりしない人だったし、ミステリアスな存在だったので、今どうしているのか、全くわからんなあと、ほとんど忘れていたような気がします。

 それが、突然ビーズといううるさいギターのオッチャンと組んで、久保田早紀さんの「異邦人」を歌ってみたりしておられた。あれ、こういう活動もしているんだと、そのPVを見て、いいなあとは思ったけれど、ビーズのうるさい伴奏が邪魔で、とても買う気にならず、気にはなったけれど、そのままで過ごしていました。



 2007年、突然に彼女の死が報道され、どういうことなのか、まったくわからないまま、どうしたらいいのか、何をすればいいのかもわからず、ぼんやりと10年近くが経過して、病気は大変だったらしいというのを、ごく最近ネット情報で知ったくらいでした。

 ネットでは、あれこれ書いてありますが、そんなことより、今さらながら、こういうボーカリストがいて、はかなげだけど、強さもあって、声量は足りないけど、ささやかに何かを伝える人だったのだと改めて感じ、今さらながらCDをやっと全部聞いてみました。

 13曲目の「こんなに愛しても」っていう曲があって、なんかさびしい内容が気になりました。いつもの彼女のキャラではなくて、なんだか取り残された女という感じでした。内容から彼女のキャリアの最後の方の作品なんだろうと勝手に解釈して、あれこれネットで調べてみたら、1991年のB面の曲だったというのを知るわけです。……2018年の突然のファンだから。



 ああ、彼女は、そのキャリアの最初から、いつもそばにいてねとか、ゆれる思いがあるのよとかの思わせぶりな曲だけではない、いろんな面を持ったボーカリストであり、アーチストであったのだと、今ごろ知った次第です。

 曲の内容は、こんなに愛しても、あなたはだれか知らない人のところに行っているし、私はあなたの部屋で一人で眠っていたよ。どうか、私をつかまえに来て、離さないで(Hold Me)という、わりとせつない内容を淡々と歌っています。

 私は、内容よりも、彼女にはそういう待つ女、弱い女としての一面もあったのだ、いつもキラキラした、あなたのそばにいるわよん、みたいな明るいキャラの女の子ではなかったのだというのが新鮮で、最近はこの後ろの方だけを聞いてみたりしています。

 いいオッチャンが何をしているんでしょう。もっとしなきゃいけないことがあるような気がしますが、私はしんみり泉水さんの世界に浸っています。そして、家に帰ったら、酔っぱらって寝る。なんというオッサンなんだ。ただの酔っぱらいだな。

 そうなんです。何も生み出せない、しょうむないしょぼくれモードです。もうすぐ二月だから、気分を切り替えなきゃいけないかな。どこかに行かないとダメですね。反省します。何だかこもっている感じですもんね。



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