前日の雨がやっと上がる。坂の途中のお宿を早く出て、駅まで30分ほどと教わったけれど、せっかく晴れてくれたのだから、昨日は傘さして歩いたけれど、傘を差さないで、駅の方角に向かってみよう。
そう思ったんでした。お宿はなかなかおもしろいところでした。オーナーの方が、私が歩いていくよ、というとこっちの坂道を降りていって、突き当たったところを右に行けば駅だよ、と見送ってくれました。友人宅に泊まった朝のような、少しだけ後ろ髪ひかれるような、何とも言えない旅立ちです。
とはいえ、口コミでおいしいという朝食も知らないで、みみっちく節約した私でした。朝は何を食べるつもりだったんだろう。
できれば、コンビニ系の食べ物でないものが食べたいのだけれど、朝の小樽の町にそういうのはあるんだろうか。めざすは地元の焼き立てパンだったけれど、駅まで行く途中にはそんなお店はありませんでした。
それで、駅に着いたら、何だか変な予感がして、ホームに向かうと、すでにディーゼルカーは入っていて、お客さんは満員だったのです。ああ、先を越された。余裕だと思って町をフラフラしている場合ではなかった。
けれども、たったの30分だし、駅は三つしかないから、立ってるうちに余市に着くでしょう。そして、余市の町でもニッカの工場見学のメンバーには入れなかったけれど、外から見たり、町を歩いたり、ニッカミュージアムは誰でも入れるということだから、もうそれでいいや、みたいないい加減な気持ちで余市の駅に到着しました。同じ車両の何人かは、みんな予約済みの方たちで、すごすごと中へ入っていきました。私は、入れてもらえなかった。もっと計画的に進めてたら、入れたんだろうか。
いや、わからないね。いつもこのいい加減でやってますから。
小樽の町は、それなりに歩いてみたけれど、私みたいなオッサンがホイホイと入り込めるところは見つけられなかった。もっとあれこれネットを駆使していいところ、見たいところを研究すればよかったけれど、それも面倒で、昔歩いたところ、昔歩いてないところ、何か感じるところ、そういうのを探したつもりだったけれど、見つけられなかった。
ただ、確かに口コミの言うとおりに、泊まったお宿はたったの四人しか収容できないところだったみたいだけど、満室で、常連さんやら、旅慣れた人たちがよく来るみたいだった。でも、歩きの私は、とても苦労しましたし、雨の中を坂道で傘さして、どこにいったかわからないお宿を見つけるのは苦労しました。今来た道が見つけられないくらいに、暗くて、同じような感じで、寒かった記憶があります。まあそれも旅の楽しみでしたか。
もう一度チャンスがあるなら、泊まりたいけど、なかなか行けないね。今回だって40年ぶりでしたから。次に40年というのは絶対に無理だしなあ。人生って、そう考えると短いです。だから、ジタバタしなくちゃ、と思ってしまう。