甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

ブリューゲルです。コンバンハ!

2021年03月12日 22時30分55秒 | わたしの好きな絵!

 昔、TBS系列で「月曜ロードショー」という番組がありました。そこで番組当初から解説を担当したのが荻昌弘さんという方でした。

 1970年から1987年まで担当され、降板した翌年には63歳で亡くなられています。そんな早くに亡くなられたのだと今さらながら思ってしまいます。

 荻昌弘です。こんばんは。というスタイルで番組が始まって、どこに何があるのかをそっと教えてくれて、すぐに映画はスタート、コマーシャルもあるし、吹き替えもあったりするんですが、二時間後には映画は終わって、見終わった後に、こういうところを見てくれたかと再度指摘してくれたり、今見た映画はどんな流れの中にあったのかを教えてくれたりしました。

 荻昌弘さん、水野晴郎さん、淀川長治さん、高島忠夫さん、映画愛にあふれたテレビ解説のみなさんたちはいなくなってしまった。今は解説抜きで、どこかのだれかの卓説に振り回される時代になりました。切り捨てられてしまったら、映画としては終わってしまいます。つまらないとされる映画にも、どれほどの価値があったのか、私たちは自分で見つけるしかなくて、みんなでおもしろかったというのを話し合うチャンスはなくなりました。

 それはそれ、今はそういう時代なんでしょう。テレビ局も、なりふり構わずに視聴率に一喜一憂してるんだろうか。それも仕方のないことですか……。



 どうして荻昌弘さんなのか、というと、もう7年くらい寝かしてあった本「歴史はグルメ」(1986  中公文庫)を突然読みだしたからです。たまたま目に着いたので読むことにしました。映画のことはまるで書いておられず、旅とグルメ、そういうことがテーマになっているようでした。

 ブリューゲルのことを書いておられました。抜き書きしました!

 ウィトゲンというフランドールの小都市で行われたブリューゲル祭りは、戦後できの新しいパレードだけに、アイディアは凝ったものだった。千名ばかりの行列参加者がすべて、ブリューゲルの絵から抜け出たような十六世紀農民の服装で、町を練り歩くのである。



 しかもこの祭りは、パレードのあとの趣向が愉快だった。教会と市庁舎にはさまれた町の広場に、数十の樫の木机と木のベンチが整然と並べられ、そこにはずらりと当時の食べものが山づみされる。ライ麦のパン、獣の肝のテリーヌ、ミルク菓子、チーズ。それに不気味な傑作は、ナマ肉としか思えない巨大なべとべとソーセージ。これを、外皮をチューブにして、ぎゅっとしぼり出して食べる粘着感は、かりに、中にジストマがいるにしたって、止められるものではないウマさである。



 それへ、行列を終わった中世風俗の千名がワッと殺到し、グループごとに大机を囲み、ビールのジョッキを挙げながら、手づかみで食べものへくらいつく。ベルギーは、豊饒多彩なビール国である。国内に二百何十種のビールを生産する。シャンパン風の自然発酵ビールや、サクランボ入りの甘酸っぱいビールなど、うっとりするほどだ。発酵の進んだ黒ビールのコクは、ビールなどと呼ぶのさえはばかられる。鼓笛隊の少年までが、ジョッキをふりまわして歌をうたいながら、呑む。町のビアホールなんて十代の少年少女の溜まり場みたいになっている。そんなお国柄である。



 ライパンにソーセージを挟み込んで、ムシャムシャ食べてるブリューゲル風人物を眺めていると、そうか、世界には、サンドウィッチなぞという名が流布する(十八世紀後半)以前から、サンドウィッチの実質は生きていたのだな、なぜってヨーロッパでは十七世紀の終わりまで、食事は、ナイフもフォークも使わない〝手づかみ〟だったものな、という、当然きわまる事実にも、改めて気づかされるのである。


 ブリューゲルはてっきりオランダの画家さんだと思ってたら、荻さんはベルギーを旅しておられた。中間あたりの土地なんでしょうか。そして、ビールがいろんな味があるみたいで、そんなとこへ行ってみたいなと思ったものでした。

 でも、ベルギーだから、そんな風にいろんなビールがある。だったら、日本は? いろんなお酒があるはずでした。確かに、三重県にだって、地域ごとに造り酒屋があって、今も新しい製品を国内だけではなくて、世界に販路を求めて活躍しているところもあるみたいです。

 でも、ベルギーだったら、若い人までビールを愛飲しているみたいだけど、日本の若い人が、地元の日本酒に酔いしれているなんて、聞いたことがありませんでした。日本酒メーカーは高級をめざすか、年寄りを相手にするかで、若者に飲んでもらうための工夫はしてこなかったのかなあ。

 そして、確実に日本酒離れは進んでいて、小さな造り酒屋さんは次から次と廃業していくようです。

 どうしたらいいのかな……。若者向けの日本酒が必要かな。カクテルとか、サイダーで割るとか、パンの生地に使うとか、化粧品を作るとか、チーズケーキと混ぜ合わせるとか、何かアイデアが必要です。

 荻昌弘さんのブリューゲル、忘れてた画家さんを思い出しました。お酒も飲みたくなった。お酒飲んでフラフラになるのは、人生の喜びの一つなんですよね。あとでしんどくなっても、それは仕方がない。そういえば、最近二日酔いってしたことないですね。オッサンだから、そんなのしてはダメなんだろうな。

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