朝ドラの「ちむどんどん」は、脚本が浅い。薄っぺらい。
というのは、うちの奥さんのコメントです。
確かに、「ねっ、みんなで海に行こうよ」だなんて、徹夜明けに飯豊まりえちゃんが提案するところを先日見ましたけど、それはなあ、あまりにも定番すぎるんじゃないの? と、心配になりました。
波打ち際でいい大人たちが服が濡れそうになりながら戯れてたけど、役者さんたちもイマイチ乗れないなあと思いつつ、戯れるシーンをやってましたね。何だかディレクターさんも定番的なものをやってしまえと思っているのかもしれないな。
群像劇だから、いろいろなキャラがいろいろなところでそれぞれの役柄を演じていく。
お姉ちゃんは、東京で仕事をしながら、好きな人は誰なのか、わからなくなっているけれど、とにかくみんなと前へ進むのは楽しい。服を濡らしてもいいから、友だちとのひと時を楽しみたい、そんな風に過ごしていました。
妹さんは、沖縄の海が見えるところで、「娘ジントヨー」を歌っていました。三線は、ちゃんと萌歌ちゃんは弾いているみたいでした。音楽的センスはあるんでしょうか。その歌の内容は、
娘ジントヨー
1 南風吹けば 咲く花の美(ちゅ)らさよ
島の美童(みやらび)の ジントヨー
思(うむ)い染めてよ
ジントヨー ジントヨー
5 流す涙なら 潮風で消えるよ
つらい思い出は ジントヨー
歌で消えるよ
ジントヨー ジントヨー
作詞:久米仁、作曲:普久原恒勇。民謡歌手の我如古より子さんが歌った新民謡……だったそうです。「ジントヨー」とは「ほんとに」「そうだ」といったニュアンスのハヤシ言葉なんだそうです。
妹さんは、沖縄で歌をうたっていた。これも定番でした。でも、こちらはシンミリする歌で、リアルだった。
私はリアルを求めてたのかな。萌歌さんは初めて見る女優さんだけど、鹿児島出身ではあるし、ささやかに応援したい気持ちはありましたけど、上手だったから、定番であろうが、作りすぎた展開であろうが、素直にいいなあと思いました。
でも、やはり、冷静に考えると、あまりに定番かな。いや、朝ドラはそんなふうに定番を重ねていくものでしょ? いや、登場人物たちがもう少しリアルにならなきゃ、生きてる人間として描かれなきゃダメでしょ。
そうも思います。ドラマもまともに見ていないテレビウォッチャーの私には、何も語る権利はないんでしたね。
ただ、たまたま見た回が、徹夜明けの海のシーンで、自分なら嫌だなと思っただけです。とても海に戯れる気分ではありませんでした。もう少し静かな海に行けばよかったのに、荒れ狂う外房の九十九里浜じゃなかったかな。あんなのイヤでした。
オッサンは、あれこれとうるさいです。それに比べて、海を見下ろすシーンは、とても静かで、海は穏やかでした。姉と妹のコントラストを出そうとしたの? まさかなあ。