八日市ICより30分くらいだろうか、長浜ICに到着する。途中でトイレに行ったのでもっと時間はかかっていたと思うが、とにかく1150円の高速料金を支払う。料金所利用の半分くらいの車はもうETC対応の機械をつけているようで、こうしてチビチビお金を払っているのはなんだか情けなくもなる。
けれども、料金所の、見るからに自分よりも年上の方たちに対応してもらうと、ほんの一瞬ではあるが、「ああ、こんな所へ来た」という異国感覚が湧いてくる。特に何をしてもらうわけではないが、「自宅から三時間かけてとうとう来た!」そういう意気込みが湧いてくる。それを見透かしたように妻は「オトーサンがフガフガしてきたよ」と素早く指摘する。自覚症状はないが、とにかく鼻息が荒くなるらしい。早く目的地に着きたいという焦り、あれこれ観光スポットを回りたい功名心などがいっぺんにやってくる。そこでジタバタすると危ないので、とにかくその中心をめざし、少しずつ車を進める。
この日は、国道8号線に左折するレーンからうまく逃れて、市街地へ向かう車線を取ることができて、どんどん市街地が近づく。ここらで左折しようと大きな工場を左折するとそこは三菱化成か何かの工場で、あまり風情があるとはいえない雰囲気。両側が工場で、大都市近郊の化学工場の雰囲気だった。
そこを抜けると一度に市街地が現れた(フガフガした気分も高まったか?)。近代的な病院や県立看護学校などの看板も視界には入るが、それよりも街の古そうな雰囲気だけにしか関心はなくなっている。道の行き止まりは古い学校のようで、市街地や駅をめざして右折すると、もうそこは長浜だった(インターを降りる前から長浜市なのだけれど……)。ビルや古めかしい建物・民家が駅前通を構成している。たぶんめざすところはかなり近いし、今走る右手あたりが黒壁地区と呼ばれる観光地のはず。適当なところで車を止めておきたいのだが、適当な駐車場所が見つからない。
一時間百円の看板が道の両側にチラホラ見えた。「このあたりでいいのでは?」とも思ったが、なぜか駅をめざす。すると簡単に駅は見つかり、駐車場もあった。しかし止まらずにそのまま北陸本線の下をくぐって湖岸へ出る。長浜城が見えた。ここにも行きたいなと提案すると、即座に却下され、またの機会に来ようと切り替える(今度はいつ来れるだろう?)。しばらく走ると湖岸が一瞬見えた。時間の関係と、もとから予定に入っていなかったので竹生島には行かず、ふたたび市街地に戻り、市営駐車場に車を止めた。12時3分だった。途中何度もトイレ休憩をしたわりには3時間かからずに着いた。自宅から136キロだった。
風が少しあって、くもっていた。車は冷房をかけてきたが、外に出ても温度差はあまり感じなかった。この日四度目のトイレに行く。車は止めたが、どこに行くのか目当てがなかった。とにかく長浜に行くという目的があって、いざ着いてみると、どこへ行ったらいいのかわからない。通りをまっすく行けば長浜御坊といって浄土真宗のお寺があるらしいので、そこをめざしててくてく歩くことにした。
お寺の参道という風情で、しかもお祭りの屋台が並んでいる。本番は夜らしいが、昼間も観光客を相手にするためか、焼きソバ・氷・一口カステラ・ボールすくいなどのお店が開いている。その後には本物の店屋もあるし、アーケードも縦横につながっている。そんなに欲しい物はないし(物欲はもとから夫婦ともにない)、何がめあてというわけではないけれど、観光客もまばらで、ワシャワシャしていなくて、静かな雰囲気だった。
古道具もあるし、中壮年の女性対象の服屋さんもあるし、そのままのレトロな街である。そこをひやかして歩くのだが、まず空腹を満たそうということになった。お寺の見学はそのあとということで、お店を食べ物屋ということで探すと、イタリアン、そば、すし、中華などがあった。どこも決め手がなく、例によって決めかねていると、のっぺいうどん895円というのが目に入り、一度ここをやり過ごすが、結局ここに入る。あんかけとしょうが味と直径十五センチくらいの楕円の椎茸の煮たのと湯葉が具で入っていて、椎茸は食べにくいのだが、好きな食べ物ではあるので、楽しんで食べた。妻は焼き油揚げの入った花のっぺいうどん(料金は同じ)を食べる。女性向けのボリュームだったらしい。
さて、お腹もふくれて、市街地見学となるが、ガラス工房やお店の見学(知らなかったが、ガラスの町らしい!)、北国街道沿いの旧家、海洋堂のお店、文具店などを見て回った。お寺にはとうとう行かず、お城にも駅にも行かなかった。女子高生が何人もいて、ブラウスに紺のスカートが進学校の長浜北高校? そうじゃないくだけた感じの子たちは進学校じゃないフツーの子たちだったのだろう。
ガラス工房ではこの日最大の買い物の、ガラスのコップを二個購入。200CCくらいのもので、泡が流れて入っている手作り作品は一つ1500いくら、これを夫婦用ということで二つ、自分のポケットマネーで買う。ボーナスの小遣いが入るからか、金遣いが荒く、これであとは何も使わす、帰りも高速に乗らずにR307をたどり、18時24分に帰宅する。「車の往復6時間は疲れた」と妻は語り、自分も少し疲れたが、楽しい外出ではあった。
けれども、料金所の、見るからに自分よりも年上の方たちに対応してもらうと、ほんの一瞬ではあるが、「ああ、こんな所へ来た」という異国感覚が湧いてくる。特に何をしてもらうわけではないが、「自宅から三時間かけてとうとう来た!」そういう意気込みが湧いてくる。それを見透かしたように妻は「オトーサンがフガフガしてきたよ」と素早く指摘する。自覚症状はないが、とにかく鼻息が荒くなるらしい。早く目的地に着きたいという焦り、あれこれ観光スポットを回りたい功名心などがいっぺんにやってくる。そこでジタバタすると危ないので、とにかくその中心をめざし、少しずつ車を進める。
この日は、国道8号線に左折するレーンからうまく逃れて、市街地へ向かう車線を取ることができて、どんどん市街地が近づく。ここらで左折しようと大きな工場を左折するとそこは三菱化成か何かの工場で、あまり風情があるとはいえない雰囲気。両側が工場で、大都市近郊の化学工場の雰囲気だった。
そこを抜けると一度に市街地が現れた(フガフガした気分も高まったか?)。近代的な病院や県立看護学校などの看板も視界には入るが、それよりも街の古そうな雰囲気だけにしか関心はなくなっている。道の行き止まりは古い学校のようで、市街地や駅をめざして右折すると、もうそこは長浜だった(インターを降りる前から長浜市なのだけれど……)。ビルや古めかしい建物・民家が駅前通を構成している。たぶんめざすところはかなり近いし、今走る右手あたりが黒壁地区と呼ばれる観光地のはず。適当なところで車を止めておきたいのだが、適当な駐車場所が見つからない。
一時間百円の看板が道の両側にチラホラ見えた。「このあたりでいいのでは?」とも思ったが、なぜか駅をめざす。すると簡単に駅は見つかり、駐車場もあった。しかし止まらずにそのまま北陸本線の下をくぐって湖岸へ出る。長浜城が見えた。ここにも行きたいなと提案すると、即座に却下され、またの機会に来ようと切り替える(今度はいつ来れるだろう?)。しばらく走ると湖岸が一瞬見えた。時間の関係と、もとから予定に入っていなかったので竹生島には行かず、ふたたび市街地に戻り、市営駐車場に車を止めた。12時3分だった。途中何度もトイレ休憩をしたわりには3時間かからずに着いた。自宅から136キロだった。
風が少しあって、くもっていた。車は冷房をかけてきたが、外に出ても温度差はあまり感じなかった。この日四度目のトイレに行く。車は止めたが、どこに行くのか目当てがなかった。とにかく長浜に行くという目的があって、いざ着いてみると、どこへ行ったらいいのかわからない。通りをまっすく行けば長浜御坊といって浄土真宗のお寺があるらしいので、そこをめざしててくてく歩くことにした。
お寺の参道という風情で、しかもお祭りの屋台が並んでいる。本番は夜らしいが、昼間も観光客を相手にするためか、焼きソバ・氷・一口カステラ・ボールすくいなどのお店が開いている。その後には本物の店屋もあるし、アーケードも縦横につながっている。そんなに欲しい物はないし(物欲はもとから夫婦ともにない)、何がめあてというわけではないけれど、観光客もまばらで、ワシャワシャしていなくて、静かな雰囲気だった。
古道具もあるし、中壮年の女性対象の服屋さんもあるし、そのままのレトロな街である。そこをひやかして歩くのだが、まず空腹を満たそうということになった。お寺の見学はそのあとということで、お店を食べ物屋ということで探すと、イタリアン、そば、すし、中華などがあった。どこも決め手がなく、例によって決めかねていると、のっぺいうどん895円というのが目に入り、一度ここをやり過ごすが、結局ここに入る。あんかけとしょうが味と直径十五センチくらいの楕円の椎茸の煮たのと湯葉が具で入っていて、椎茸は食べにくいのだが、好きな食べ物ではあるので、楽しんで食べた。妻は焼き油揚げの入った花のっぺいうどん(料金は同じ)を食べる。女性向けのボリュームだったらしい。
さて、お腹もふくれて、市街地見学となるが、ガラス工房やお店の見学(知らなかったが、ガラスの町らしい!)、北国街道沿いの旧家、海洋堂のお店、文具店などを見て回った。お寺にはとうとう行かず、お城にも駅にも行かなかった。女子高生が何人もいて、ブラウスに紺のスカートが進学校の長浜北高校? そうじゃないくだけた感じの子たちは進学校じゃないフツーの子たちだったのだろう。
ガラス工房ではこの日最大の買い物の、ガラスのコップを二個購入。200CCくらいのもので、泡が流れて入っている手作り作品は一つ1500いくら、これを夫婦用ということで二つ、自分のポケットマネーで買う。ボーナスの小遣いが入るからか、金遣いが荒く、これであとは何も使わす、帰りも高速に乗らずにR307をたどり、18時24分に帰宅する。「車の往復6時間は疲れた」と妻は語り、自分も少し疲れたが、楽しい外出ではあった。