甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

グルジア、栃ノ心、じゃぁね!

2023年05月24日 20時59分52秒 | ことば見つけた!

 米原万里さんがグルジア(現在はジョージア)のことを書いておられました。

 西側から黒海、東側からカスピ海に挟まれるようにコーカサスの山々が連なる。気候温暖で肥沃な土壌に恵まれたこのあたり一帯は、歴史的に民族移動の交差点でもあって、古くから文明が栄えてきた。今でも多数の民族が複雑に入り組んだ形で居住している。

 ここにグルジアという美しい小国があり、コーカサスの真珠と呼ばれる首都トビリシには、わたしも何度か足を運んだことがある。緑の山々に縁どられた谷間をクラ川が流れ、町はクラ川に沿って細長い形をしている。

 町はずれにクラ川の岸辺に山の急斜面が迫ってくるような場所があり、その急斜面に張り付くようにして、その小さな居酒屋はあった。

 あれ、万里さん、居酒屋にも行かれたんですね。どんなだったんだろう。ワインとか飲んだの?

 町一番の評判どおり、店内はいつ行っても満席。グルジアは世界有数のブドウの産地であり、美味しいワインやブランデーがたくさんある。この店は、目利きの主人が選り抜いたワインの産地と直接契約している。それに、料理もうまく安いので、一度来た客は、必ず常連になるそうだ。

 かくして万里さんは、何度も訪れて、おいしいお酒を飲み、たくさんの人たちと出会ったんでしょう。おしゃべりもたくさんして、お仕事もしたんだろうな。

 それが、ソビエト崩壊の混乱で長い間行けなくなっていた。十年ぶりに行けた時には、お店の中ではたくさんの張り紙があって、宗教と対立でケンカをしない! という教訓みたいなのが貼られていたということでした。


 そして、われらが栃ノ心さんはここジョージアの出身でした。引退して日本国籍も取らず、親方名跡も買わず、相撲協会にも残らないことにしたそうです。

 でも、ちゃんと日本とジョージアのかけはしになってくれるみたいで、引退してからも応援できそうで、何だかうれしかった。

 引退してからすぐに相撲の解説にも出てたのは、何日前だったかな。

 後輩の力士たちのことも、「……関は力が強いですね」「〇〇関はさしみがいいですから(相手のまわしをサッと取ってしまう)、組んだら強いです」

 なんて、丁寧に解説して、どれもこれも傷つけるコメントはありませんでした。しこ名をそのまま呼ぶのではなく、ちゃんと「〇〇関」と呼んでいた。栃ノ心さんの仲間への敬意を感じました。解説にしても、相手の弱いところを取り上げるのではなくて、強いところに目を向けていた。

 膝をケガしている。まわしを取っても力が出ない。あそこで引いてはいけない。などと下手くそな解説を入れなかった。常にプラスのコメントをするというのは、とても勉強になりました。

 そんな中で、アナウンサーが印象に残る言葉だったか、好きな言葉だったかの質問をしました。

 栃ノ心ファンの私なんかは、どんな言葉を教えてくれるんだろうと期待して待ちました。

「あの……、じゃあね、というのが……」
「えっ、何ですか?」
「お別れする時に、じゃあねって、言うでしょ」
「じゃあね、ですか……」
 アナウンサーさんも、それからは突っ込めなくなりました。

 「さようなら」とか、「それでは」とか、「ほいじゃ、また」とかでもなくて、関東の人が言う「じゃあね」

 栃ノ心さんは、そこに何とも言えない軽やかさ、あとくさりのなさ、さわやかさ、みたいなのを感じて、おもしろい日本語だなと思ってくれたみたいです。

 もっともっとおもしろい日本語を見つけてもらって、また教えてもらえるとうれしいな。もっとテレビに出てくれたらうれしいです。期待して待とうと思います。

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