甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

岩井三四二「戦国連歌師」(2002)

2018年09月03日 22時26分33秒 | 本読んであれこれ

 18キップの4回目は、岐阜県に行きました。それはまた今度書くことにして、とりあえずその時少しだけ本を読んだんですよ。珍しいでしょ。少しボンヤリしすぎていて、たまには本でも読みたい気分でした。

 字は相変わらず見えないけれど、とりあえず本はなんとか読めました。往復7時間くらいあったと思うけど、その間に、チビリチビリと本を読みました。集中攻撃のできない、ダラダラ読書しかできなくなっています。

 この岩井三四二(いわいみよじ)という人は、1958年生まれで、直木賞の候補にもなったことがあるそうです。それをどうにかスルーして、着実に作品は残しておられるようです。

 私は、第一話がなかなか読めなくて、苦労して、最後にアレっ?! と思ってから、二つだけ読み進めることができました。私としては早い方です。

 この本は、四年前の年末に、大津の古今書房という古書店で買いました。大津に来たのだから、どこか戦国風か、時代劇風の作品でも買おうと、全く見たことも、聞いたこともない本を買いました。590円の本を300円で買っています。あまり古本屋さんで買うメリットがどれだけあったか、それは微妙だけど、大津の古本屋さんで買ったということが素晴らしい、とにかく思い出に残る本ではありました。

 4年間放置して、今ごろ手を出しています。何をやっているんだか……。


 一つ目は、旅の連歌師の宗牧(そうぼく)とその一行が、終わりの那古野に織田信忠を訪ねた時の話でした。連歌師というのは、文芸が仕事ではなくて、そのやりとりの中でいろいろな情報交換と一座の人々の交流を図る、一種独特の中世ならではの遊びでした。

 みんなが王朝文学に一種の憧れを持ち、その文学世界の雰囲気を借りて、今の現実を切り取る。短歌を作ってもいいけれど、それでは大家だけが偉そうな風を吹かせるだけで、それではおもしろくないから、ゲーム性を持たせて、いろいろと制約・きまりを設けて、みんながその決まりの中で五七五と七七を分担して、勝者を決めていく遊びです。

 みんなが争って作り、判定する人が勝者を決めたり、お互いに譲り合ったり、認め合ったり、私も一度だけしたことはありますが、大人の遊びです。お酒を飲みながら、みんなでワイワイと競い合う楽しみもあります。

 でも、この時は違います。戦国の世です。

 大人の遊びと称し、みんなで風流を分かち合い、わざわざ京の都から高名な先制をお呼びし、みんなでその教えを請いながらする、特別な連歌の席が設定されます。

 何しろ、信長さんのお父さんですから、それはもう、油断もすきもりません。

 この時は、仲間うちの裏切り者をおびき寄せる口実として都からの宗匠であり、裏切り者は主人公たちの目の前で殺されていきます。そういう修羅場が描かれます。

 二つ目は、桑名の地侍で、没落気味の家から脱出するお話。三つめは、知多半島の海沿いの町の地方で名士の連歌師とその娘の悲哀が描かれます。

 かくして私は、いつの間にか、戦国の連歌師たちの生活に親しんできました。最初はホントかな、何だかウソっぽい、会話にもついていけない、とか思っていたのに、少しずつこの人の描く世界に入り込まされています。

 それをやっと四年かけて読み始めた。きっかけはなく、たまたま目に入ったから、旅のお供に連れてきました。お話はあと五つ残っています。全部読み切るのはいつなのか、それはわからないけど、それなりにおもしろいみたいです。

 そりゃ、たいていの本は、それなりにおもしろいのです。ただ、私がモタモタして、読み進められないだけです。まあ、仕方がありません。

 さて、今から、四話でも読みますか、それとも寝転がったらすぐコテリかな……。


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