四日市駅のカラス

　先日、名古屋からの帰り、快速みえに飛び込みました。もちろん座れません。そして、四日市で降りなければならなかった。快速みえに乗り続けると、450円支払わないといけないし、仕方がないから、四日市で降りて、しばらく待つことにしました。

　駅の表示板を見てみると、数十分待たねばならなかった。

　本を読む気力がないですし、暑かった。もう夕方なのに、十分にダラッとするくらい、気力はなかった。



　ぼんやりホームで突っ立っていると、カラスがノコノコ歩いてきてくれました。左から右へゆっくりゆっくり歩いていきます。

　何をしているんだろう。何かを探している、という感じではないですね。



　私は、これは写真で撮らなきゃ、しかも白黒で、ということで三枚撮りました。

　その間、ずっとカラスさんは私の前を横切っていきました。クロネコじゃないから、別に何ともないけど、

　「まあ、そんなにカリカリしないで、暑いけれども、ボンヤリ過ごしなさい。私は、とりあえず散歩していますよ。特に何をする、というわけではないんですよ。」

　そんな感じでした。



　それから、ディーゼル機関車に貨車を組み替える作業をじっと見たりしていました。そうすると、時間はすぐに過ぎていきました。

　時間は、ボンヤリしていても、スイスイ過ぎて行ってくれるものです。私のようなウカツな人間は、たいていボンヤリしていますから、どんどん過ぎていく。

　ああ、何にもしていないけど、夏の終わりの日の夕方、どういうわけか四日市駅にいて、いろんな貨車が動かないようで少しずつ動かされていく、その一瞬をのぞくことができました。

　得した気分です。これもそれもカラスさんのおかげかな。ありがたいことです。

　どうして白黒にしようと思ったんだろう。それなりに絵になる、という判断だったのかな。白黒三枚どうですか。どうということないかな。　



　お仕事をする人は、着実に積み上げています。たいしたもんだ。



　毎日暑いけど、鉄道と一緒にあることって、うらやましいくらいステキです。

　私は？　まあ、私も誰かから見たらステキなことしてるかな？　してないかも……。