甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

子を思う心 徒然10

2019年01月27日 16時16分47秒 | つれづれ草の抜き書き

 心なしと見ゆる者も、よき一言いふものなり。

 ある荒夷(あらえびす)の恐ろしげなるが、かたへにあひて、「御子(おこ)はおはすや」と問ひしに、「ひとりも持ち侍(はべ)らず」と答へしかば、


 情味がないと思われる者でも、時にはよい一言を言うものである。

 ある荒々しい関東武士で、恐ろしそうに見える者が、仲間に向かって、「お子さんはおいでですか」と尋ねると、訊かれたその人は「一人もいません」と答えたので……、

 兼好さんは京都人だから、関東の人にはそれなりに偏見は持っています。でも、お仕事で、関東の人に接するチャンスはありましたし、関東に行ったこともあったのではないのかな。

 偏見があるように見えて、わりとスンナリと人の心に入っていくこともできる人なので、すぐに受け入れたり、その人の本質を見つけたりもできたはずです。

 さあ、この関東の人はどんなことを言い出すんでしょう。そして、このエピソードは京都での出来事だったんだろうか。それとも関東に出向いた時に聞いたんだろうか。どっちだったのかな……。

「さては、もののあはれは知り給はじ。

 情けなき御心(みこころ)にぞものし給ふらんと、いと恐ろし。

 子ゆゑにこそ、よろづの( ? )は思ひ知らるれ」と言ひたりし、さもありぬべきことなり。


 「それでは、ものの情味はおわかりにならないでしょう。

 情味のないお心でいらっしゃるだろうと、たいへん恐ろしく思われます。

 子どもがあるからこそ、すべての情味は理解できるのです」と言っていたのは、そのとおりだと私は思う。

 そんな、子どもは天からの恵みだし、ついつい自分の子どもは特別だと思ってしまうものだけれど、確かにそうなんだけど、せっかく自分たち夫婦に運命の神様が与えてくださった有り難い授かりものだという意識、日々持っていきたいですね。兼好さんも共感できたのかな。兼好さんにも子どもさんがいたの?

 まさか、そんなことはないでしょう。ただ心優しいことを言うものだと感心したんでしょう。

 そして、子どものおかげで、少しだけ人の人情・気持ちみたいなのがわかるようになる。お説教くさいところもありますが、それは真実という気がしたんでしょう。

 恩愛(おんあい)の道ならでは、かかる者の心に慈悲ありなんや。
孝養(きょうよう)の心なき者も、子持ちてこそ、親の志は思ひ知るなれ。〈142段〉


 親子の愛情でなくては、こういう男に慈悲の心がありえようか。
親孝行の心がない者でも、子どもを持って初めて、親の子を思う心をしみじみ感じるものなのだ。

 そういうまとめになっています。でも、まだ話は続くみたい。とりあえず、質問は?

☆ 人は見かけによらない。このエピソードもその例で、荒々しい外見の東国人が「愛」を語る。
  空欄に、心の中に持っておきたいひらがな三文字をどうぞ!


☆ どんなときも、「心なし」にはなりたくない! また、他人から「恐ろし」と思われるのもイヤだ! そのために「自分の子ども」がいればいいのですね。そこから すべての人間味が理解される(らしい)。一つのとっかかりですね。



★ 正解は、「あはれ」でした。これが人としての情愛という意味になるのですね。

★ この142段はまだまだ続きます。

 それはまた今度にします。とりあえず、この人情味あふれる関東人に出会った兼好さんが、メモしておかなくちゃ! ということで、書いたエピソードでした。 


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