甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

渡し船の思い出

2018年12月12日 17時25分02秒 | わたしと大阪

 もう3週間前の写真です。あのころは暖かで、上着が1枚でも大丈夫でした。でも、もう今は大変です。上着を何枚も重ねて、ダウンまで着ることもあります。そうだ、ネックウォーマーも探さなくちゃいけませんね。どこに行ったんだろう。

 3週間前、母のカゴシマ行きの予行演習で新大阪駅に行きました。だから、てっきり新幹線で行くと思っていたのに、高速バスだ、飛行機だと母は言っています。そんな、バスは年寄りには大変なんだし、飛行機は乗り方があれこれ面倒なんだし、新幹線が一番! と、私は思うんですけど、また電話しないといけないです。

 そして、12月の半ばの今です。あと2週間したら、私は18キップでカゴシマまで行くことになります。ちゃんと行けるだろうか。風邪ひかないだろうか。あれこれ心配なのに、あんまり深く考えていません。とにかく電車に乗って遠くまで行くのが、ただただうれしい。……楽天的のオプティミスティク!?

 それは楽しいけれど、渡し船のこと、心にとめておきたいのです。

 渡し船に乗ると、親戚のおばさんたちの住むところでした。何度か行ったことがあるはずですが、あまり記憶はありません。おばさんたちはどんなところに住んでいたんだろう。古い写真を見ると、ものすごく古典的な、明治・江戸の風情の路地に住んでいたみたいですけど、やがて家を建てて郊外に引っ越していきましたっけ。

 私たち家族は、大阪の離島の大正区にずっと住んでいました。南と中央ばかり埋め立てを進めて、離島のままの私の住んでた町は、そのまま放っておかれました。だから、路面電車は昔は走っていたのに、21世紀の今も、区内を貫く電車は一本もなく、バスだけが私たちの町と大阪市をつなぐ交通でした。それで、罪滅ぼしに大阪市は、無料の渡船を7路線今も継続しています。

 確かに、それは有難いし、風情もあるし、船にも乗れるし、タダだし、乗組員のみなさんは穏やかだし、いいのだけれど、それでも大阪市の無策が腹立たしくなる時もあります。



 大阪を離れて30年近く。相変わらず渡船は動いているし、川のそばは、貴重な財産なのに、あまり開発されることもなく、ずっとそのままにされている。海のど真ん中の無理矢理作った埋め立て地(大阪市のゴミ捨て場で、使いみちがなくて、カジノにしかならないとされていた埋め立て地です!)は、万博騒ぎがあと7年は続くだろうけど、私の町がスポットライトが当たる時は、この7年ではこないんでしょう。まあ、それもいいんですけどね。

 イケアはあります。海遊館が来るといううわさがありましたが、港区に持っていかれました。戦前は空港だってありました。工場群は少しずつ縮小しています。私が育った町、これからどうなるんでしょう。

 弟たち家族、母は、今もこの浮島のような区に住んでいます。父もここで人生を終えました。

 私は飛び出て、三重県にいるけれど、母を訪ねて、これからも行くでしょう。



 この渡し船、前にも書いたかもしれないけど、となりの区に渡り、衣料スーパーに行く時に利用していたようです。もう50年くらい前です。

 「私たちの住むところには、服を買うところがなかったから、渡し船に乗って、となりの区に行ったんだよ。」

 母は言ってました。そうか、お隣の区の方がお買い物するところがあったのか。それから、自分たちの区でお買い物できる時代があって、21世紀の今、母たちがいろいろと買い物をした商店街は開いているお店が、もう数軒あるかないかという状態にまで追い込まれています。

 少しずつ私たちが住んでいたコミュニティが縮小している。

 家は、空き家もあるだろうけど、それなりにたくさんあるし、空き地はあまりないのです。でも、人口は減りつつあり、少しずつ外国の人たちが入り込んでいるようです。観光ではなくて、住んでいる感じ。これからどうなっていくのかな……。



 そうでした。切手集めをしていた小5のころ、渡し船に乗ってずーっと歩いて行った先に、子どもたちあこがれの切手やさんがありました。もう、カタログでしか見たことがないよう切手が、次から次と出てくるし、いろんな人たちが次から次とやって来る夢のようなお店でした。

 お金もないし、めったに行けないのだけれど、ごくたまに誘い合っていく時、あれは楽しかったですよ。そのころ、子どもたちはみんな歩きでした。自転車で移動すれば早かったのに、みんなごく当たり前にテクテク歩いていました。

 あのお店、今はないだろうな。切手に子どもたちが夢中になった時代があったなんて、信じられないです。

 あの頃の私たち、何がしたかったんだろう。とにかく好奇心はありました。



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