古い写真です。でも、こんなところにボクと母とで、初日の出を拝みに行きましたっけ。のん気なものでした。
恐ろしいくらいに大隅半島から出てくる朝日はキレイだった。
もうわざわざキレイねえ、とか、そんなありふれたことは言わなくてもいいくらいに、圧倒的な朝の光でした。出てきたと思ったら、もうみんな照らされまくってました。
あの年、何かいいことあったかな。
とりたてていいことはなかったけれど、その年の終わりに四十年以上切り離されていた人たちと再び会うことができたのは、それはもうボクの人間回復にはよかったと思うのです。
すべての過去を切り捨てて、家族とわずかばかりの友人とほんの少しの親戚だけが知り合いで、あとはみんな今だけを過ごす人たちというくくりでしか見ていなかった。
でも、中学の時の仲間、高校の時の仲間、大学の仲間、それから今までの仲間、それぞれみんながボクの中でつながったみたいで、すべてを大事にしなきゃと思えた、それが2019年でしたっけ。
2019年の元旦から1年と3ヶ月ほどが経過して、少しだけボク人生観も変わったのかもしれない。今だけ適当に、それなりにやってればいいやみたいな、何十年のつながりを持たない、その場限りの人間だったボクが、少しだけすべてはいつも、いつまでもつながっているのかもしれない、淡白に見える関係も、バカにしたものではないと思えたのだと思います。ずーっと時間をかけて変わってきたわけです。
母とボクだけしかいないお正月から、少しだけいろんな人たちとつながろうとする時間があった。その結果として今は、大事にしなきゃいけない母をポツンと大阪に残したまま、もう三ヶ月ほど会いに行けていない。
先日、母の大好きなタケノコをやっと送ってあげたけれど、母は喜んでたけど、何だかもどかしいんです。
そうだ、うちのオカンって、何だかパンダみたいなところもあるなあ。歯もないのに、ムシャムシャとやたらタケノコを食べたり、野山に出ては変てこな野草を食べたり、何してるんだろう。
まあ、いいや、近いうちに、大阪に行きます。母も誰ともしゃべってないだろうし、それも心配です。