甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

よだかの星は燃えています!

2017年02月02日 21時19分16秒 | 賢治さんを探して
 「オツベルと象」「なめとこ山のくま」「オホーツク挽歌」と私の賢治さんブームは続いています。

 どういうわけか、「注文の多い料理店」は、アニメで見ても、朗読で聞いても、すぐイヤになってしまいます。なぜなんだろうな。だまされてる男たちのおとぼけぶりがイヤなのかもしれない。私なんか真っ先にだまされるウッカリ者なんですけど、ホイホイ中に入っていくやつらは、まるで自分そのもので、そういうのに向き合えないのかなあ。あんまり好きになれません。

 「銀河鉄道の夜」は、興味はあるんですが、アニメになっても、マンガになっても、まともに見ることができません。できれば、大きな活字で、イラストのない、さっぱりした装丁で三百円くらいで売ってくれたら、買うんだけどなあ。でも、読まないかなあ。もう一度チャレンジしてみないといけないですね。そのうちにチャレンジしてみます。今の私には少し高いハードルですけど……。



 「よだかの星」が、最後によだかが星になるのは知っていました。それで、いつもそこにたどりつくまで、カワセミのところへ行き、お別れの挨拶をして、太陽やオリオン座その他の星に願いを叫び、真上に飛びますが、パタリと落ちて死んでしまう。たぶん、死んだと思うのだけれど、星になっていて、いつまでも燃えている、というところでお話は終わります。

わたし「どうして星になってしまったのかな。もっと違う終わり方はなかったのかなあ?」

ケンジさん「この悲しいお話の、宇宙世界を感じないといけないんですよ。」

「それって、お話の中に星がいっぱい出てくるということですか? そして、最後はよだかもそこの仲間入りができたということですか?」

「星はたしかにお話の中にいくつか出てきますが、その星ではないのです。星は、トリたちとは違う世界にあります。よだかはトリの世界で苦しんできた。自分の目で見て、自分の力で飛び、自分の思いを一生懸命まわりの者たちにぶつけました。でも、まわりの鳥たちは無理解で、見た目にしか目がいかないし、鳴き声まで気に入らないと、よってたかってよだかの悪口を言い、よだかをおとしめようとし、タカなどは脅迫まがいのことをしました。これらは、鳥たちだけのことでしたっけ?」

「いえ、これは鳥たちの世界に借りた人間世界だという気がします。無理解・非難・中傷・いじめ・ターゲットへの集中攻撃・レッテルを貼ったものへの全く判で押したような対応、もうウンザリするほど人間世界だと思いますよ。」

「そうですね。人間世界がそこにはありますね。そうすると、いじめられている立場の人は、多角的に・余裕をもって・広い視野でものが見えますか?」

「おっしゃる通り、すべてその反対で、狭い範囲で、余裕がなく、性急に結論を出そうとするでしょうね。逃げ出したくなると思います。だから、よだかは遠いところに行こうとしたんだと思います。」

「生半可な遠いところに行って、問題は解決しますか?」

「たぶん、どこに行っても同じような人たちがいて、同じようなイジワルが繰り返されるかもしれないですね。人間はどこを切り取っても、意地悪で思いやりをなくし、自分本位で存在していることでしょうね。」

「そうです。よだかも何も見えなくなって、とにかく目に見える遠いところに行きたかったのはわかりますね。山の向こうではダメですね。」

「山の向こうも同じ、というのはそうです。平行移動じゃなくて、垂直移動しかないわけだ。」

「山焼けということばが何度か出てきますが、鳥たちには山が燃えているようにしか見えないんだけど、実際はただの夕焼けなんです。それがよだかには山が燃えているように見えている。よだかには山の向こうのこともちゃんとわかっていなくて、燃えている。火事だ。というふうにとらえている。山の向こうに行っていないから、火事かどうかは確かめられないし、いつまで経っても山が燃えているという認識のままなんです。」

「そうですね。夕焼けはどんどん西の方へ消えていくし、山が燃えているのかどうか永遠に確かめられないんだなあ。それはまあ人間も同じかな。一応理科で習ったから、夕焼けと判断できるけど、鳥の世界は山が燃えているように見るしかないでしょうね。」

「鳥たちの世界から逸脱しようとしたら、それを望んだら、違う世界に行くしかないでしょ? 生身の鳥の体を持っていたら、違う世界には行けないでしょ。大切なものは目には見えない。違う世界には、違う体をもっていくしかないのです。」

「そうか、死んだんじゃなくて、新しい世界に再生したというふうにとらえるべきなのかな。つい私たちは変な理屈をつけて、死んだ人は天に上るというから、よだかだって死んでしまって、それで星になったのだ、と理解しようとしたけど、そういう自分だけの納得の仕方って、よくないですね。そういうものなんだ。」

「わかってもらえたか、わからないですけど、よだかは死んだんだとか、言わないでほしいなあ。」

「はい、そうします。でも、つい理屈こきになってしまうんですよね……。」



★ 2週間後に、賢治さんのイベントが岩手大学であるみたいです。行きたいんだけど、勇気がありません。1人ででも行ってみるかな。お金はないけど、あまり交流できないかもしれないけど、なんだか行きたいんです。  


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1 コメント

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なんとなく (amigurumi)
2017-02-03 18:06:46
まづもろともに かがやく宇宙の微塵となりて 無方の空に ちらばらう
 
と関係ありそうな…。
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