甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

時空のゆがみに沿って……

2021年01月28日 21時20分47秒 | 賢治さんを探して

 どういういきさつだったのか、何年か前に岩手大学の宮沢賢治学会みたいなのに入れてもらいました。ただのオッサンとして入れてもらって、会費も払わないし、論文だって書いてないですし、そんなヤツでも入れるの? という半信半疑のまま入れてもらいました。

 時々連絡のメールが入ります。二ヶ月に一回開かれる例会には参加したいな、といつも思うものの、盛岡は遠いし、往復するだけで数万はかかりますから、なかなか参加できていません。一度だけ盛岡まで行かせてもらったけれど、折角参加しても、すぐに意識が遠くなって、わざわざそのために来たのに、寝てしまうんですから、日々本末転倒ですけど、ものすごく反省したことがありました。

 今日、普通なら絶対に参加できないのに、zoomで参加できるということですので、参加してみました!
 
 光文社新書の「宮沢賢治『銀河鉄道の夜』と宇宙の旅」という本を書いておられる、放送大学の先生の谷口義明さんがお話をしてくださいました。天文学の博士だそうで、東北大から東大ほかを経て、愛媛大でも教鞭をとっておられたということでした。

 

 天文学という、星の研究をされてきた人なので、賢治さんに取り組んだのは三年くらい前だそうで、それでも本が出せるんだから、適応能力も高いし、今までにもいろんなことを考えてこられたんでしょう。

 私みたいなどシロウトにも、天文学がどうなっているのか、簡単に教えてくださって、ニュートン力学を高校の時に学び、それで大学に行ってみると、全く否定されていて、すべてはアインシュタインの相対性理論で説明がなされているのだ、ということでした。

 どういうことなんでしょう?

 地球が太陽のまわりを回るのは、私は太陽の引力によって引っ張られ、振り回されているのだ、というふうに理解してきました。それがニュートン力学だったのかもしれません。

 ところが、アインシュタインの理屈で説明すると、そうではなくて、地球は太陽がつくる時空の歪みに沿って運動している、という風に説明されるんだそうです。

 太陽の存在が、時間や空間をゆがめる働きをして、それに揺り動かされるように水金地火木……の星々が動いていく。一部、ローカルな関係の地球と月、木星とその衛星、その他はニュートン力学で説明されることもあるが、大抵の星々は、みんなゆがみ、ひずみ、空間の中に働くすき間に左右されているそうです。

 よくは分からないけれど、そういうものかと納得してみました。でも、あまり賢治さんにつながらないじゃないの! と思ってたら、賢治さんの作品その他に、そうした相対性理論を学んだ人の宇宙観があるし、実際に原書でこんな本を読んでいたようだ、というのも教えていただきました。

 そうですか。賢治さんはアインシュタインさんの最新の理論を吸収しようとしてたんですね。ただの農業の先生ではなかったんでした。

 そういえば、中学の時に、宇宙観を語っている文章もあって、それも現代の理論につながるものだし、それらをひけらかすのではなくて、詩として上手に取り込んでいるところがすごいのだというのも教わりました。

 私なんて、何も分からないので、チンプンカンプンの意味不明なことばと、時々私みたいな者にも取っ掛かりを与えてくれるフレーズがあったり、分かりそうなところと、まるで分からないところのまだら模様なんですけど、その分からないところは、科学的な知識から組み立てられたものだった。だから、見る人によっては、すごく分かりやすい、シンプルな種明かしもしてくれてたようでした。私が知らないだけだった。


 そんなことを教わって、ああ、リモート、楽しいなと思ったんですけど、その後の質問タイムで一言いいたい人がたくさん出てきて、最後は少し疲れてしまった。あれがなかったら、もっとよかったかもしれないけど、それもまた人生というものでしょうか。

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