朝から予定通り、雨は降り続いていた。昨日は、午前中などは外で作業ができたけれど、今日はもう何もできなかった。
やろうと思えば、できるんだろうけど、やらなかった。何もする気の起きない日曜だった。昨夜は、本当に珍しく24時くらいまでテレビを見ていたし、録画はしないことにしたので、仕方がなく夜更かしし、起きたのも7時くらいだったか。寝坊してしまった。
結局外に出たのは、15時くらいで、もう何もできない時間帯になっていた。ぼんやりしていたら、「笑点」が始まってしまう。……と思ってたのに、「笑点」は見ないで、家に帰ってから、何をしていただろう。
15時までというアジサイまつりに、ノコノコと雨の降りしきる中、私たちは出かけて行くことにした。まつりの後を少しだけ楽しみにして。
お客さんは誰もいなかった。まつりは、どろんこ綱引きやら、地域のいろんな団体のお店みたいなところ、展示などがあったみたいだった。
でも、私たちがたどり着いたころは、暗くなりかけていて、ひとりふたり、写真を撮るカッパを着たおじさんがひとり、主催者たちは続々と軽トラでお帰りのようだった。
まつりの後だった。もちろん、私たちはおまつり嫌いではあるので、それは望むところ。ただ、アジサイが雨に打たれているところ、昔、この水路のそばでヘビも見かけたりしたし、一度は乗ってみたい水路をボートで通り抜けるアトラクションは、とっくの昔に終わっていた。
水路の脇に、延々と咲き誇る様々な種類のアジサイたち、最初は一通り、その美しさに感心した。でも、どんな美人も三日で慣れるという通り、どんなにキレイなアジサイも、十本見たら、もういいやとなってしまったところだった。
小さなカエルがいる、というのは知っていた。水路の崖に立っているカエルたちを見つけて、こちらが立ち止まると、小さなカエルたちは危険と感じるのか、どんどん水路の方へ飛び込んでいたのだから。
水路から、どんな風に小さなカエルたちがはい上がるのか、それはわからなかったけれど、彼らは次々と水路にドボンとしていた。
アジサイの上にいるカエルたちは、わりと動かないでいた。こちらがモタモタとカメラを出していても、いつまでも葉やら花の上で待っていてくれた。
夜は近づいていて、カエルたちのおまつりの時間が迫っていたのかもしれない。ヘビやら、ホタルやら、他の生き物たちも出てくるだろうけど、とりあえずアジサイに乗っかっているかぎり、しばらくは安心だった。
私たちは、カエルではないので、水に濡れないようにビクビクしながら、カメラを操作し、もう何枚か撮ったから、帰ろうだなんて、思っていた。そして、夕飯は、マグロのとろろかけ、ジャガイモ炒め、ニラのみそぬた、お酒はなし、そんなで食べて、日曜の夜は深まっていくのだった。