井上荒野さんの「あちらにいる鬼」を読みました。
作者の「あれの」おもしろいなまえだなぁ~と名前だけは知っていましたが読んだことはありませんでした。
題名に惹かれて手に取ってみました。(題名から何となくの予感がありましたが)
作者の父親 井上光晴と瀬戸内寂聴の不倫と、それを知りながら冷静な目で成り行きを見守っている奥様
作者が瀬戸内とお母さまになりきって、三人の交際を淡々と語っています。
私から言わせると「世間の非常識が貴方たちの常識なの!」と驚きの内容でした。
唯、作者の研ぎ澄まされた感覚や表現力から、ドロドロした不倫関係ではなく幼い時から両親のありようを
見てきた作者の消化された作品として楽しく読みました。
帯封に書かれた瀬戸内さんの賛辞
作者の父井上光晴と、私の不倫が始まった時作者は五歳だった。
五歳の娘が将来小説家になることを信じて疑わなかった亡き父の魂は、
この小説の誕生を誰よりも深い喜びを迎えたことだろう。
モデルに書かれた私が読み傑作だと、感動した名作!!
井上荒野さんの他の作品も読んでみたいと思った一作でした。
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