報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「成田空港への旅」

2022-04-20 19:52:55 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[3月26日11:42.天候:晴 東京都墨田区菊川 菊川駅前バス停→都営バス東20系統車内]

 この日、私と高橋、リサは東京駅に向かおうとしていた。
 東京駅で斉藤絵恋さんと合流し、向かうは成田空港。

 愛原:「このバスが廃止されるのも、あと5日かぁ……」
 リサ:「廃止になったら、どうするの?」
 愛原:「面倒臭いけど、都営新宿線で乗り換えるしかないかなぁ……」

 私は首を傾げた。
 廃止になった後、どこかの民間のバス会社が代わりに運行なんてしてくれるわけがない。
 日立交通辺りがコミュニティバスとして運行してくれたらありがたいのだが。

 リサ:「バス来たよ」
 愛原:「ああ。あと何回乗れることやら……」

 車両は至って普通のノンステップバス。
 全国的に見られるタイプなので、外観上は特筆すべき点は無い。
 前扉から乗って、ICカードで先に運賃を払う。
 まあ、確かに乗客は少ないが、かといって空気輸送というわけでもないのだが……。
 私達は乗り込むと、後ろの席に座った。
 リサと高橋には2人席に座らせ、私は1人席に座る。

〔発車致します。お掴まりください〕

 バスは南の方に向かって走り出した。

〔ピンポーン♪ 毎度、都営バスをご利用くださいまして、ありがとうございます。このバスは東京都現代美術館、日本橋経由、東京駅丸の内北口行きでございます。次は森下五丁目、森下五丁目でございます〕

 成田空港に行くのは、絵恋さん母娘が乗る飛行機がそこから出るからである。
 那覇行きのLCC。
 普通、国内線といったら羽田空港というイメージなので、意表を突いた形だ。
 また、しかも今日搭乗するのではない。
 今日はあえて成田空港のホテルに一泊し、それから明日飛行機に乗るといった形だ。
 そうすることで、マスコミの目も誤魔化せると考えたのだろう。
 因みに今日来るのは、絵恋さん1人だけ。
 それも、大宮から新幹線でやってくる。
 なので、待ち合わせ場所は在来線コンコースということになる。

 愛原:「今日はホテルに一泊するから、一杯お別れするんだぞ?」
 リサ:「分かった」

 リサは大きく頷いた。

[同日12:14.天候:晴 東京都千代田区丸の内 都営バス東京駅丸の内北口バスプール→駅構内在来線コンコース]

 平日は商業車で混みやすい永代通りも、週末はそこまで混んでいなかった。
 都営バスが橋を渡る時、そこから見える景色は意外と良いので、東京観光で都内の景観を求めるのなら都営バスでの移動はオススメである。
 特に、中央大橋を渡る東16系統とかはオススメ。
 東京スカイツリーも見える。
 作者が豊洲の現場に、あえて都営バスで通勤していたのも、それが理由である。

〔「ご乗車ありがとうございました。終点、東京駅丸の内北口です。お忘れ物、落とし物の無いよう、ご注意ください」〕

 開いた中扉からバスを降りると、赤レンガ造りの駅舎の中へ向かった。
 観光スポットにもなっているせいか、ここで写真を撮る観光客の姿も見える。

 愛原:「ここでグリーン券を買って行こう」
 高橋:「特急で行くんスか?」
 愛原:「快速だよ~……予算の都合上」
 高橋:「さ、サーセン」

 成田空港駅まで、グリーン券を4枚買っておく。
 土曜日なので、安いホリデー料金が適用される。

 愛原:「Suicaが使えるけど、残額は大丈夫か?」
 高橋:「俺は大丈夫っス」
 リサ:「わたしはビミョー……」
 愛原:「カードを貸せ。チャージしといてやる」
 リサ:「ありがとう!」
 高橋:「交通費以外に無駄遣いしてるんじゃねぇだろうな?」
 リサ:「そ、そんなことないよ……」

 リサのICカードにチャージしてやり、それから在来線コンコースに入る。
 絵恋さんには、新幹線からの乗り換え改札口で待っているように伝えてある。
 そこへ向かってみると、果たしてそこに絵恋さんはいた。

 愛原:「こんにちは。大丈夫かい?」
 絵恋:「こんにちは。今日は……よろしくお願いします」

 絵恋さんはスカート姿の私服を着ていた。
 もっとも、リサも私服だが。
 絵恋さんは大きなキャリーバッグを持っている。

 愛原:「これから総武快速線で成田空港まで行くから」
 絵恋:「分かりました。キップなら、そこまで買ってます」

 絵恋さんは乗車券を見せた。
 新幹線特急券は乗り換え改札口で回収されたそうだが、成田空港までの乗車券は返却される。

 愛原:「分かった。それじゃこれ、グリーン券な」
 絵恋:「ありがとうございます」
 リサ:「先生、お腹空いた」
 愛原:「ああ、分かった。駅弁買って行こう」
 リサ:「おー!」

[同日12:38.天候:不明 JR東京駅・総武線地下ホーム→1259F列車5号車内]

〔まもなく3番線に、当駅始発、快速、成田空港行きが参ります。危ないですから、黄色い点字ブロックまでお下がりください。この列車は、11両です。グリーン車が付いております。……〕

 駅弁と飲み物を買って、グリーン車が来る位置に立ち、電車を待つ。
 蔓延防止が解除されたからなのか、旅行客の姿が多い……ようだが、本当に成田空港まで乗るのかどうかは微妙だ。
 国内旅行は少しずつ利用客を取り戻しつつあるようだが、海外客は【お察しください】。
 それでも成田空港への需要があるのは、偏に3月16日の地震のせいだろう。
 その地震のせいで東北新幹線が止まり、在来線には臨時列車が運行されたり、高速バスが増便されたり、そして羽田空港や成田空港からも東北方面への臨時便が飛んでいるくらいだ。
 新幹線への迂回路として成田空港を利用する客が、こんな鈍行みたいな快速でゆっくり空港まで行くとは思えないのだが……。

 愛原:「旧型か」

 今、横須賀線・総武快速線は新旧車両入れ替えの時期の為、2つのタイプの電車が一緒に走っている。
 新型車に興味があったが、やってきたのは旧型のE217系電車だった。
 既にグリーン車の座席は、成田空港方向へとセットされている。

〔「お待たせ致しました。どうぞ、ご乗車ください」〕

 ドアが開いて、私達は電車に乗り込んだ。
 大きなキャリーバッグを持っているということもあり、2階席には行かず、連結器横の平屋席に向かう。
 そこなら天井も高いので、荷棚もある。

 

 愛原:「ここに置くといいんだ」

 座面の後ろと壁の間に、スッポリとキャリーバッグを入れる。
 このスペースを売りにしているのが、JR東海の東海道新幹線だ。
 あとの荷物は荷棚に置く。

〔この電車は総武快速線、成田線直通、成田空港行きです。停車駅は錦糸町までの各駅と新小岩、市川、船橋、津田沼、稲毛、千葉、都賀、都賀から先の各駅です。4号車と5号車は、グリーン車です。車内でグリーン券をお買い求めの場合、駅での発売額と異なりますので、ご了承ください〕

 座席に座ると、テーブルを出してそこに弁当と飲み物を置いた。
 リサは早速、肉系の駅弁に箸をつけていた。
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“私立探偵 愛原学” 「リサ・トレヴァーのマッサージ屋さん」

2022-04-20 16:47:52 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[3月25日21:00.天候:雨 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 ここ最近は忙しい。
 年度末ということもあるのだが、それよりも私の周囲で色々な事が動き出しているからだ。
 斉藤秀樹元社長が実は黒幕で、ロシアに行ったまま行方不明とか、それに高野芽衣子君が所属する“青いアンブレラ”が関わっているとか、もう色々な対応に追われて……。
 今日は警視庁から戻ってきたところだ。
 私にとって斉藤元社長とは、ベッタリの大口クライアントだったのだが、その事で警察に疑われてしまった。
 管轄が違うせいか、この時はさしもの善場主任も助けてはくれない。
 もちろん事情聴取の時に、デイライトの名前は出しても良いということだったが、果たして警察がそれを聞いてどう思うかは不明だった。
 幸い私を事情聴取した担当刑事は真面目な男で、私が証拠資料を提出しながらスラスラと質問に答えたことで、私はけして斉藤容疑者逃亡に手を貸したわけではないと分かってくれたようだった。
 で、ようやく今、帰って来たところ。
 さすがに警視庁へは1人で行った。
 うん、さすがにあそこに高橋は連れて行けねぇ……。

 愛原:「ただいまー」
 高橋:「先生、お帰りなさい!」
 愛原:「な、何だ!?」

 そこへ何故か、特攻服に鉄パイプを持った高橋が待ち構えていた。

 高橋:「御無事だったんですね!良かったです!」
 愛原:「いや、無事に決まってんだろ!何だその恰好は?」
 高橋:「先生がサツに不当逮捕されようものなら、奪還しに行く覚悟でした!しかし、その必要は無かったようで良かったです!」

 高橋はそう言って、スマホを取り出した。
 どうやら、かつての族仲間にも声を掛けていて、『計画は中止』というグループLINEでも送っているのだろう。
 ……だから高橋は、連れて行けなかったんだよ。
 ね?私の判断、正しかったでしょ?

 愛原:「あー、疲れた……」
 高橋:「先生、夕食は食べて来たんですよね?」
 愛原:「永田町周辺、食うとこ無ぇのな!?」

 そういえば東京のああいう官庁街で、昼食用にキッチンカーが沢山出動していて話題になったことがあった。

 高橋:「晩酌にしますか?」
 愛原:「そうだなぁ……」
 リサ:「そんな先生のお疲れに!」

 リサが自分の部屋から出て来た。
 しかも体操服にブルマーという出で立ちであった。
 体操服の上は学校指定のものだが、ブルマーはかつて学校指定だった緑色のハイカットタイプである。
 当たり前だが、令和の今は東京中央学園においても(校則で明文化されているわけではないが)事実上の廃止状態である。
 但し、正式廃止ではない為か、今でも学校指定の衣料を扱う店舗では細々と売られていることがあるらしい。

 リサ:「リサ・トレヴァーのマッサージ店、緊急オープンします!」
 愛原:「また、老廃物と血液を吸う気か……」
 リサ:「今度はちゃんとしたマッサージだよ!こっちに来て、ソファに座って!」

 リサは私をリビングに連れて行く。
 良かった。
 いきなり、部屋に連れ込まれないで。
 しかし、リサのブルマー姿を後ろから見ていて思ったのだが……。
 マッサージ店というより、『JKリフレ店』だな。
 あれも確か、オプションで店員のJKに体操服で施術してもらうコースとかあったと思う。
 まさかリサのヤツ、それを見てマネしたか?

 リサ:「どこがお疲れですか?」
 愛原:「色々書類とか作らされたから、肩とか手とか……」
 リサ:「先生は足がお疲れですね。分かりました」
 愛原:「オマエが決めるんかい!」
 リサ:「それじゃ先生、ソファに横になって。わたしの枕、使って」
 愛原:「何でオマエの枕?」
 高橋:「先生!だったら俺の枕使ってください!」
 愛原:「あー……だったらリサの枕使うわ」
 高橋:「そんなぁ、先生!」
 リサ:「じゃあ、まずはうつ伏せに」
 愛原:「あいよ」

 私はリサの枕に顔を埋めるようにうつ伏せになった。
 うん、枕からはリサの体臭がする。
 若い女の子の物のせいか、匂いは【お察しください】。

 リサ:「では、右足から始めます」

 リサ、私の右足裏のツボをグッグッと押した。

 愛原:「おっ、おっ……!」
 リサ:「痛いですか?」
 愛原:「いや、大丈夫だ。なかなかいい……」

 足のマッサージはリサに何度かやってもらったこともあり、リサも手慣れているようだった。
 うん、こりゃいい。
 このまま寝ちゃいそう……。
 だが!

 リサ:「先生、まだ寝ちゃダメ!これからがいいトコロ!」
 愛原:「えっ、ダメなの!?……マジか。せっかく、寝そうになるくらい気持ちいいのに……」
 高橋:「この辺、リサはシビアっスね」
 リサ:「次は太ももでーす」
 愛原:「わっ!?何だ?!」
 高橋:「こら、リサ!しれっと変なとこ触るんじゃねぇ!」
 リサ:「? あのね、両方の太ももから足の付け根にかけて、リンパっていうのが通っていて、ここを強くさすると体にいいんだって」
 愛原:「あ、それ、聞いたことある」
 高橋:「裏メニュー付きメンズエステのトークじゃねーのか?」
 愛原:「まあ、いいや。そういうことになら、やってもらおう」
 高橋:「だったら俺!俺がやりたいです!」(;゚∀゚)=3ハァハァ
 リサ:「お兄ちゃん、一緒にやる?」
 愛原:「俺はリサにやってもらいたいなー」

 高橋だと本当に下心アリアリで触って来るかもしれん。
 いや、まあ、リサなら絶対大丈夫というわけでもないのだが……。

 高橋:「そんなぁ、先生~」( ;∀;)
 リサ:「先生、お兄ちゃん、泣いちゃったけど?」
 愛原:「大丈夫大丈夫。さ、続きをよろしく」
 リサ:「分かったー」
 愛原:「あ、そうだ。せっかくだから、ついでに頼みがある」
 リサ:「はいはい、何でしょう?」
 愛原:「さっきも言ったように、今は肩が凄く凝ってるんだ。こっちを重点的にやってくれないかな?」
 リサ:「お任せください。タイラント君並みに壁をブチ破る、日本版リサ・トレヴァーの破壊力、とくとご覧あれ」
 愛原:「俺の肩をブッ壊す気か!」
 リサ:「それでは……」

 ゴッ……!(リサの拳が愛原の肩に当たる音)

 リサ:「!? な、何これ!?カタっ!?」
 愛原:「な、何だよ?全然効いてないぞ?」
 高橋:「OK!ここはやっぱり俺の出番ですな!」

 今度は高橋が私の肩を揉む。

 高橋:「な、何スか、これ!?肩にコンクリでも入れてるんスか!?」
 愛原:「入れてるわけねーだろ!」
 リサ:「ね?先生の肩、凄い硬いでしょ?コンクリートの壁でもブチ破るタイラント君やわたしでもムリだよ?」
 高橋:「そうかもしれねーな!先生の肩だけ、Gウィルスに感染してるとかは!?」
 愛原:「あるわけねーだろ!」

 くっ、BOWと人外性癖に人外扱いされるとは……納得いかん!

 リサ:「先生の凝り固まった肩、内側からほぐすから、わたしの寄生虫を食べて!」

 リサ、口の中から芋虫のような寄生虫を出した。

 愛原:「食えるか!」
 高橋:「リサ、電マだ!オマエのオ○○ー用の電マ持って来い!」
 リサ:「分かった!」

 リサにはオ○ニ○用に買い与えた電マだが、本来は肩こり対策に使うので、『間違った正しい使い方』というか、『正しい間違った使い方』というべきか。

 高橋:「コンクリには電動ドリルです!ガチの電動ドリルを使うわけにはいかないので、別の電動工具を使います!」
 愛原:「なるほど。それが電マか。いいアイディアだ」

 因みにリサの食欲が旺盛ということは、性欲もそれ並みということだ。
 特に生理前でムラムラする時、リサは私の部屋のドアをブチ破って性的に襲い掛かって来ることもある為、それを抑えさせる為に買い与えたのが電マである。
 鍵を3つくらい付けていたのだが、全部壊して入って来たことがあったからな……。
 私のコンクリート並みに固まった肩は、リサの電マで何とかほぐされた。
 そんなリサは……。

 リサ:(フフ……。今夜使っちゃおう……

 と、思ったとか。
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