[3月19日16:00.天候:晴 静岡県熱海市 KKRホテル熱海2Fプール]
リサと愛原達は、ホテルのプールで泳いでいた。
絵恋は青いタートルネックのビキニを着ていたが、リサは黒いスポブラと同じ色のビキニショーツを穿いている。
まるで、ビーチバレーの水着みたいだ。
愛原は撮影の為に、完全防水のデジカメを持って来ていた。
これは普通の画像も撮影できるし、動画も撮影できる。
リサ:「うーむ……」
リサは一通りプール内を泳いだり、水底へ潜水したりした。
泳ぎは特に苦手ではない。
ただ、学校の水泳の授業を受けたりしていて気づいたことがある。
リサ:「わたし、水中では無敵じゃない」
絵恋:「えっ?」
リサ:「呼吸する為に水の上に出ないといけないし、水の中を速く泳げるわけでもない」
絵恋:「リサさん、泳ぎは得意そうだけどね」
リサ:「うん、でも人並み。人間と同じ」
リサは周りに誰もいないを確かめてから、わざと右手だけ第1形態に変化した。
爪が長く鋭く伸びて尖る。
この爪に引き裂かれたり、突き刺されたりしたら、並みの人間はひとたまりも無いだろう。
ところでしれっと爪だけ変化させているが、この『部分変化』は昔からできていたわけではない。
Gウィルスが変化したのか、或いはリサ自身が何か身に付けた技の1つなのかは分からないが、一部分だけでも意図的に変化できるようになった。
この爪で、水を引っ掻いてみる。
だが、その動きは地上よりも遅かった。
普通に水圧の抵抗を受けて素早く爪を振り下ろすことができないばかりか、その爪も水の抵抗を受けてミシミシ言う有り様であった。
リサ:「わたしに勝ちたかったら、わたしを水の中に落とすといいかもね」
絵恋:「これは意外だったわ」
リサはすぐに爪をしまった。
リサ:「通りでオリジナルの大先輩も水の中では現れなかったし、他のリサ・トレヴァー達も水の中で戦おうとしなかったわけだ」
絵恋:「ゾンビとかもそうなのかしら?」
リサ:「わたしでさえそうなんだから、ザコゾンビ達もそうだろうね」
ただ、歩く死体と化しているわけだから、溺死させることはできない。
例え水中に長時間浸からせて水死させたと思っても、ゾンビなら生きている。
下水道などの水路に現れたゾンビが、地上のそれらと比べて動きが遅く、ザコさ加減が増しているのはそこに理由があるのだろう。
もっとも、主人公達も人間である以上、条件は似たようなものであるが。
リサ:「そう考えると怖くなってきた。上がろう」
絵恋:「リサさんでも怖いと思うことはあるのね」
リサ:「そりゃあるって。目の前にロケラン持ったBSAAが現れたら、さすがにわたしもビックリする」
もっとも、ボスクラスのBOWはそのロケランの弾を弾き返したり、上手く避けたりすることもあるので、ロケランとて完全チートアイテムというわけではない。
リサもそれを避けられる自信があるが、さすがに被弾したら大怪我するだろうとは思っている(死ぬとは思っていない)。
絵恋:「ねえ。あっちにジャグジーがあるよ。あっちに入りましょう」
リサ:「おー、ジャグジー。先生、ジャグジーに行って……って、あれ?」
いつの間にか愛原の姿が無くなっていた。
高橋:「ああ、先生か。今、善場の姉ちゃんから電話掛かって来たんでな。撮影係は俺が代理だ」
リサ:「先生も忙しい」
高橋:「そりゃそうだ。何せ、先生は一流の名探偵なんだからよ。コナンばりにここで殺人事件が起きても、先生ならすぐに解決してくれるぜ」
絵恋:「善場さんってことは、お父さん絡みなの?」
高橋:「いよいよ、タイーホかもしれねーぜ?ああ?」
絵恋:「…………」
リサ:「サイトー、ジャグジー入ろ」
絵恋:「うん」
[同日17:00.天候:晴 同ホテル7F大浴場]
プールを楽しんだ後で、温泉に浸かる。
大浴場からは、相模灘の風景を眺めることができる。
この時間ともなると、日が傾いてくるので、幻想的な光景が広がる。
リサ:「さすがにここでは水着は着れないから、まっぱだね」
絵恋:「リサさんと一緒に入る、最後のお風呂かぁ……」
リサ:「また明日も入ればいい。特に愛原先生は温泉好きだから、明日も入ると思う。このホテルの風呂だけじゃなく、どこかのお風呂とか……」
絵恋:「それもそうね。……そうだ。リサさん、背中流してあげるね」
リサ:「ありがとう。だけど今日は、わたしがサイトーの背中を流してあげる」
絵恋:「ええっ?」
リサ:「いつも流してもらって悪いから」
絵恋:「リサさん……」
2人で洗い場に移動した。
リサ:「それじゃ、行くよ」
絵恋:「は、はい」
リサは絵恋の背中にタオルを当てた。
絵恋:「も、萌えぇぇぇぇっ!!」
リサ:「おっ、久しぶりの絶叫」
リサが背中を流している間、女湯では絵恋の萌え絶叫がこだましていたという。
[同日18:00.天候:晴 同ホテル1Fレストラン]
夕食はホテル1Fにあるレストランで。
ここでは和食か中華料理を楽しむことができる。
今回のプランは和食であった。
風呂上がりの4人は、全員浴衣に着替えている。
愛原:「ちょっと、食べながらでいいから聞いてもらいたいんだが……」
愛原がビールの入ったグラス片手に、絵恋を見た。
愛原:「ロシアのウラジオストクの病院から、キミのお父さんを連れ去った連中というのは、“青いアンブレラ”で間違いないようだ。ヴェルトロは、同じ町の郊外のアジトにいた所をBSAAに捕獲されている」
高橋:「“青いアンブレラ”って、アネゴのいる所じゃないですか」
愛原:「ああ。恐らく高野君も、その部隊にいたのかもな。数少ない日本人隊員で、対象が同じ日本人の斉藤元社長じゃ、駆り出されるに決まってる」
高橋:「ヴェルトロはダサく捕まったんですね」
愛原:「本当はヴェルトロが斉藤元社長を捕獲しに行くはずだったのだが、それを“青いアンブレラ”に横取りされた形になったらしい。で、宙に浮いた彼らを待ち受けていたのはBSAAと」
高橋:「“青いアンブレラ”なら、斉藤元社長を殺したりはしませんかね?」
愛原:「そうだな。無闇な殺生はしないのが彼らのやり方だから……」
絵恋:「あの……その“青いアンブレラ”は、父をさらってどうするつもりなのでしょうか?」
愛原:「分からんな。彼らの声明によると、『バイオテロ組織ヴェルトロから守る為、致し方無く行動した』ということになっている。だが、『すぐに病院に戻す』とも言ってないんだ。高野君なら、どうするかなぁ……」
高橋:「どうしますかねぇ……」
リサ:「まあ、殺しはしない?」
愛原:「しないとは思うけどね」
高橋:「アネゴならしねぇよな……」
愛原と高橋は首を傾げた。
リサと愛原達は、ホテルのプールで泳いでいた。
絵恋は青いタートルネックのビキニを着ていたが、リサは黒いスポブラと同じ色のビキニショーツを穿いている。
まるで、ビーチバレーの水着みたいだ。
愛原は撮影の為に、完全防水のデジカメを持って来ていた。
これは普通の画像も撮影できるし、動画も撮影できる。
リサ:「うーむ……」
リサは一通りプール内を泳いだり、水底へ潜水したりした。
泳ぎは特に苦手ではない。
ただ、学校の水泳の授業を受けたりしていて気づいたことがある。
リサ:「わたし、水中では無敵じゃない」
絵恋:「えっ?」
リサ:「呼吸する為に水の上に出ないといけないし、水の中を速く泳げるわけでもない」
絵恋:「リサさん、泳ぎは得意そうだけどね」
リサ:「うん、でも人並み。人間と同じ」
リサは周りに誰もいないを確かめてから、わざと右手だけ第1形態に変化した。
爪が長く鋭く伸びて尖る。
この爪に引き裂かれたり、突き刺されたりしたら、並みの人間はひとたまりも無いだろう。
ところでしれっと爪だけ変化させているが、この『部分変化』は昔からできていたわけではない。
Gウィルスが変化したのか、或いはリサ自身が何か身に付けた技の1つなのかは分からないが、一部分だけでも意図的に変化できるようになった。
この爪で、水を引っ掻いてみる。
だが、その動きは地上よりも遅かった。
普通に水圧の抵抗を受けて素早く爪を振り下ろすことができないばかりか、その爪も水の抵抗を受けてミシミシ言う有り様であった。
リサ:「わたしに勝ちたかったら、わたしを水の中に落とすといいかもね」
絵恋:「これは意外だったわ」
リサはすぐに爪をしまった。
リサ:「通りでオリジナルの大先輩も水の中では現れなかったし、他のリサ・トレヴァー達も水の中で戦おうとしなかったわけだ」
絵恋:「ゾンビとかもそうなのかしら?」
リサ:「わたしでさえそうなんだから、ザコゾンビ達もそうだろうね」
ただ、歩く死体と化しているわけだから、溺死させることはできない。
例え水中に長時間浸からせて水死させたと思っても、ゾンビなら生きている。
下水道などの水路に現れたゾンビが、地上のそれらと比べて動きが遅く、ザコさ加減が増しているのはそこに理由があるのだろう。
もっとも、主人公達も人間である以上、条件は似たようなものであるが。
リサ:「そう考えると怖くなってきた。上がろう」
絵恋:「リサさんでも怖いと思うことはあるのね」
リサ:「そりゃあるって。目の前にロケラン持ったBSAAが現れたら、さすがにわたしもビックリする」
もっとも、ボスクラスのBOWはそのロケランの弾を弾き返したり、上手く避けたりすることもあるので、ロケランとて完全チートアイテムというわけではない。
リサもそれを避けられる自信があるが、さすがに被弾したら大怪我するだろうとは思っている(死ぬとは思っていない)。
絵恋:「ねえ。あっちにジャグジーがあるよ。あっちに入りましょう」
リサ:「おー、ジャグジー。先生、ジャグジーに行って……って、あれ?」
いつの間にか愛原の姿が無くなっていた。
高橋:「ああ、先生か。今、善場の姉ちゃんから電話掛かって来たんでな。撮影係は俺が代理だ」
リサ:「先生も忙しい」
高橋:「そりゃそうだ。何せ、先生は一流の名探偵なんだからよ。コナンばりにここで殺人事件が起きても、先生ならすぐに解決してくれるぜ」
絵恋:「善場さんってことは、お父さん絡みなの?」
高橋:「いよいよ、タイーホかもしれねーぜ?ああ?」
絵恋:「…………」
リサ:「サイトー、ジャグジー入ろ」
絵恋:「うん」
[同日17:00.天候:晴 同ホテル7F大浴場]
プールを楽しんだ後で、温泉に浸かる。
大浴場からは、相模灘の風景を眺めることができる。
この時間ともなると、日が傾いてくるので、幻想的な光景が広がる。
リサ:「さすがにここでは水着は着れないから、まっぱだね」
絵恋:「リサさんと一緒に入る、最後のお風呂かぁ……」
リサ:「また明日も入ればいい。特に愛原先生は温泉好きだから、明日も入ると思う。このホテルの風呂だけじゃなく、どこかのお風呂とか……」
絵恋:「それもそうね。……そうだ。リサさん、背中流してあげるね」
リサ:「ありがとう。だけど今日は、わたしがサイトーの背中を流してあげる」
絵恋:「ええっ?」
リサ:「いつも流してもらって悪いから」
絵恋:「リサさん……」
2人で洗い場に移動した。
リサ:「それじゃ、行くよ」
絵恋:「は、はい」
リサは絵恋の背中にタオルを当てた。
絵恋:「も、萌えぇぇぇぇっ!!」
リサ:「おっ、久しぶりの絶叫」
リサが背中を流している間、女湯では絵恋の萌え絶叫がこだましていたという。
[同日18:00.天候:晴 同ホテル1Fレストラン]
夕食はホテル1Fにあるレストランで。
ここでは和食か中華料理を楽しむことができる。
今回のプランは和食であった。
風呂上がりの4人は、全員浴衣に着替えている。
愛原:「ちょっと、食べながらでいいから聞いてもらいたいんだが……」
愛原がビールの入ったグラス片手に、絵恋を見た。
愛原:「ロシアのウラジオストクの病院から、キミのお父さんを連れ去った連中というのは、“青いアンブレラ”で間違いないようだ。ヴェルトロは、同じ町の郊外のアジトにいた所をBSAAに捕獲されている」
高橋:「“青いアンブレラ”って、アネゴのいる所じゃないですか」
愛原:「ああ。恐らく高野君も、その部隊にいたのかもな。数少ない日本人隊員で、対象が同じ日本人の斉藤元社長じゃ、駆り出されるに決まってる」
高橋:「ヴェルトロはダサく捕まったんですね」
愛原:「本当はヴェルトロが斉藤元社長を捕獲しに行くはずだったのだが、それを“青いアンブレラ”に横取りされた形になったらしい。で、宙に浮いた彼らを待ち受けていたのはBSAAと」
高橋:「“青いアンブレラ”なら、斉藤元社長を殺したりはしませんかね?」
愛原:「そうだな。無闇な殺生はしないのが彼らのやり方だから……」
絵恋:「あの……その“青いアンブレラ”は、父をさらってどうするつもりなのでしょうか?」
愛原:「分からんな。彼らの声明によると、『バイオテロ組織ヴェルトロから守る為、致し方無く行動した』ということになっている。だが、『すぐに病院に戻す』とも言ってないんだ。高野君なら、どうするかなぁ……」
高橋:「どうしますかねぇ……」
リサ:「まあ、殺しはしない?」
愛原:「しないとは思うけどね」
高橋:「アネゴならしねぇよな……」
愛原と高橋は首を傾げた。