[3月10日18時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家3階ダイニング]
夕食は予定通り、ポークカレーとハンバーグであった。
ハンバーグをカレーの上に載せないのは、リサがお代わりしやすいようにする為である。
あと、ハンバーグ自体が大きい為に、どちらがメインか分からなくなる為。
うちには辛党が2人いるが、私に合わせて、カレーは中辛である。
辛味が足りない2人は、タバスコを掛けて辛味を強くして食べている。
リサ「あ、そういえば先生」
愛原「何だ?」
リサ「ホワイトデーのお返し、忘れてないよね?」
愛原「も、もちろんだとも」
リサ「スーパーでホワイトデーのフェアやってたからさ」
愛原「そ、そうなのか」
リサ「3倍返し、よろしく」
愛原「はいはい。リサの欲しい物をあげるよ。何がいい?」
リサ「先生の血、3リッター!」(*´Д`)ハァハァ
愛原「こらー!殺す気か!」
リサ「そしたら、先生のお肉、300グラム」(;゚∀゚)=3ハァハァ
高橋「先生、こいつ鬼化してやがりますぜ?」
愛原「早くカレー食べな!」
リサ「はーい」
愛原「バレンタインのチョコなら、レイチェルからも貰ってるんだ。レイチェルにもお返ししないといけないな」
リサ「レイチェルからも、もらったもんね」
愛原「そう。うーん……だったらさ、2日早いけど、今度の日曜日、直接プレゼント買ってあげるというのはどうだ?」
リサ「今度の日曜日ね」
愛原「日曜日なら、レイチェルも休みだろう」
リサ「だろうね」
愛原「アキバなら、俺達もレイチェルも出やすいだろう」
リサ「なるほど、分かった」
高橋「先生、俺達は……?」
愛原「パールにホワイトデーのお返しでも買ってやれよ」
パール「3倍返し、よろしく」
高橋「何でそこでジャックナイフ取り出すんだよ?」
愛原「きっちり3倍返ししないと刺すという警告だろう」
パール「さすがは名探偵。素晴らしい洞察力です」
高橋「あのな!」
愛原「警告に従わないと、お前が『流血の惨を見る事、必至であります』だぞ?」
リサ「お兄ちゃんの血は美味しくなさそうだねぇ……」
高橋「何だよ、それ!こう見えても、献血ルームじゃVIP待遇のB型だぞ!?」
愛原「いや、血液はその時々に応じて不足したりするから、B型が特にってわけでもないと思うぞ」
リサ「うーん……。私も血をもらってばっかりだから、たまには献血しないとね」
愛原「バイオハザードが起きるからやめなさい」
高橋「オメーの血で作った薬を注射されたから、栗原蓮華が鬼になったんだろうが!」
リサ「ちっ、そうだった」
とまあ、こんな感じでいつも夕食は取っている。
楽しい食卓な方だと思われる。
この後はまたリサと桃鉄やったり、風呂入って晩酌にビール飲んだりした。
リサは“鬼ころし”のパック。
体操服に紺色のブルマを穿いた鬼が、“鬼ころし”を飲む姿はシュールである。
あくまで暴走を抑える為の予防薬としての服用であり、未成年飲酒には当たらない。
もちろん、飲み過ぎると悪酔いする。
逆に変化が起きるので、それにも注意しなければならない。
深酒した私の血を吸ったリサが、血中アルコールを摂取した形となって悪酔いした時は大変だった。
今はさほどアルコールが入っているわけではないので、マッサージされても大丈夫だ。
リビングでリサとゲームをやりながら……。
愛原「明日は土曜日だけど、学校はあるの?」
リサ「うん、明日も午前中で終わり」
愛原「そうか。で、レイチェルは休みって感じかな?」
リサ「そうだろうね」
愛原「分かった。明日は真っ直ぐ帰るのか?」
リサ「そのつもり」
愛原「分かった。高橋に言って、昼飯の準備しといてもらおう」
リサ「ありがとう」
リサはそう言って、周りを見渡した。
そして、不意に私の唇に自分の唇を重ねて来る。
リサ「わたし達の婚姻届はいつ出してくれるの?」
愛原「い、いや、まだ先だろ。お前、今の戸籍じゃ、まだ17歳なんだから」
リサ「人間のままだったら、先生より年上なのに……」
愛原「しょうがないだろうが。早いとこ、人間に戻る算段を見つけないとな……」
リサがやたらベタベタしてくるのは、“鬼ころし”の酔いが回ってきたからだろうか。
鬼姿のままであることは変わりないのだが、噛み付く力も弱くなるほど鬼(型BOW)の力は封じられるし、何より……。
リサ「ふわ……」
リサは牙を剥き出しにするほどの大欠伸をした。
愛原「眠いのか?」
リサ「うー……鬼のくせに、お酒弱いのかなぁ……?これ飲むと眠くなる……」
愛原「いや、弱くはないと思うぞ」
アルコール度数15%の日本酒、本当に弱かったらそもそも飲めないからな。
それをリサは1回、悪酔いするほど何パックも飲んだことがあるかのだから、やっぱり酒は強い方なんだと思う。
愛原「もう風呂に入ったことだし、今日はもう寝ろ。明日も午前中だけとはいえ、学校なんだから」
リサ「はーい……」
ゲームはここで終わりにして、私はリサを自室に下がらせた。
リサ「明日の土曜ホラー劇場は、絶対に観る」
愛原「明日は飲まずに済むといいな」
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リサはソファから立ち上がった際に、ブルマの食い込みを直す仕草をした。
私の気を引く為とはいえ、鬼の女は一途が多いというのは本当だなぁ……。
[3月11日午前6時30分 天候:晴 同地区 愛原家3階ダイニング]
愛原「おはよう」
パール「あっ、先生。おはようございます。今日は事務所休みでしょうから、もう少しゆっくりされていても良かったですのに……」
愛原「いや、残務処理とかあるから、午前中は事務所にいるよ。リサも学校だしな。……あれ、高橋は?」
今朝の朝食当番はパールである。
昼食の当番は高橋だ。
まあ、高橋のことだから、またホットドッグでも作ってくれるのだろう。
それはいいとして……。
パール「何か、部屋にいますよ」
愛原「部屋に?」
私が様子を見に行こうとすると、高橋が出てきた。
愛原「おっ、高橋」
高橋「あっ、先生。おはざっす!」
愛原「ああ。どうしたんだ?」
高橋「いや、ちょっと……」
愛原「ん?」
高橋はリビングに行くと、そこでテレビを点けた。
ニュースをやっているチャンネルを回す。
〔「……はい、こちら事故現場の上空です。私は今、栃木県宇都宮市内の東北自動車道上空に来ています。御覧頂けますでしょうか?事故現場には、何台もの車が横転したり、衝突したりして、事故の壮絶さを物語っています」〕
どうやら東北自動車道で昨夜遅く、複数台の車が事故に遭ったらしい。
当事者としてはたまったものではないが、しかしあり触れた事故であることは否めない。
〔「……事故の原因は、まだ分かっていません。目撃者の話によりますと、突然、前を走る郵便局の大型トラックが横転し、そこへ後ろを走る別のトラックが追突。更に別のトラックや乗用車が追突、衝突したりしたもようです。またその際、トラックが燃え上がり、特に郵便局のトラックにおきましては、郵便物にも引火しており……」〕
愛原「ゆ、郵便物にも引火しており!?」
高橋「何か、すっげー嫌な予感がするのですが?」
愛原「あ、後で郵便局に問い合わせてみよう」
しかし一体、何が起こっているというのだろう?
夕食は予定通り、ポークカレーとハンバーグであった。
ハンバーグをカレーの上に載せないのは、リサがお代わりしやすいようにする為である。
あと、ハンバーグ自体が大きい為に、どちらがメインか分からなくなる為。
うちには辛党が2人いるが、私に合わせて、カレーは中辛である。
辛味が足りない2人は、タバスコを掛けて辛味を強くして食べている。
リサ「あ、そういえば先生」
愛原「何だ?」
リサ「ホワイトデーのお返し、忘れてないよね?」
愛原「も、もちろんだとも」
リサ「スーパーでホワイトデーのフェアやってたからさ」
愛原「そ、そうなのか」
リサ「3倍返し、よろしく」
愛原「はいはい。リサの欲しい物をあげるよ。何がいい?」
リサ「先生の血、3リッター!」(*´Д`)ハァハァ
愛原「こらー!殺す気か!」
リサ「そしたら、先生のお肉、300グラム」(;゚∀゚)=3ハァハァ
高橋「先生、こいつ鬼化してやがりますぜ?」
愛原「早くカレー食べな!」
リサ「はーい」
愛原「バレンタインのチョコなら、レイチェルからも貰ってるんだ。レイチェルにもお返ししないといけないな」
リサ「レイチェルからも、もらったもんね」
愛原「そう。うーん……だったらさ、2日早いけど、今度の日曜日、直接プレゼント買ってあげるというのはどうだ?」
リサ「今度の日曜日ね」
愛原「日曜日なら、レイチェルも休みだろう」
リサ「だろうね」
愛原「アキバなら、俺達もレイチェルも出やすいだろう」
リサ「なるほど、分かった」
高橋「先生、俺達は……?」
愛原「パールにホワイトデーのお返しでも買ってやれよ」
パール「3倍返し、よろしく」
高橋「何でそこでジャックナイフ取り出すんだよ?」
愛原「きっちり3倍返ししないと刺すという警告だろう」
パール「さすがは名探偵。素晴らしい洞察力です」
高橋「あのな!」
愛原「警告に従わないと、お前が『流血の惨を見る事、必至であります』だぞ?」
リサ「お兄ちゃんの血は美味しくなさそうだねぇ……」
高橋「何だよ、それ!こう見えても、献血ルームじゃVIP待遇のB型だぞ!?」
愛原「いや、血液はその時々に応じて不足したりするから、B型が特にってわけでもないと思うぞ」
リサ「うーん……。私も血をもらってばっかりだから、たまには献血しないとね」
愛原「バイオハザードが起きるからやめなさい」
高橋「オメーの血で作った薬を注射されたから、栗原蓮華が鬼になったんだろうが!」
リサ「ちっ、そうだった」
とまあ、こんな感じでいつも夕食は取っている。
楽しい食卓な方だと思われる。
この後はまたリサと桃鉄やったり、風呂入って晩酌にビール飲んだりした。
リサは“鬼ころし”のパック。
体操服に紺色のブルマを穿いた鬼が、“鬼ころし”を飲む姿はシュールである。
あくまで暴走を抑える為の予防薬としての服用であり、未成年飲酒には当たらない。
もちろん、飲み過ぎると悪酔いする。
逆に変化が起きるので、それにも注意しなければならない。
深酒した私の血を吸ったリサが、血中アルコールを摂取した形となって悪酔いした時は大変だった。
今はさほどアルコールが入っているわけではないので、マッサージされても大丈夫だ。
リビングでリサとゲームをやりながら……。
愛原「明日は土曜日だけど、学校はあるの?」
リサ「うん、明日も午前中で終わり」
愛原「そうか。で、レイチェルは休みって感じかな?」
リサ「そうだろうね」
愛原「分かった。明日は真っ直ぐ帰るのか?」
リサ「そのつもり」
愛原「分かった。高橋に言って、昼飯の準備しといてもらおう」
リサ「ありがとう」
リサはそう言って、周りを見渡した。
そして、不意に私の唇に自分の唇を重ねて来る。
リサ「わたし達の婚姻届はいつ出してくれるの?」
愛原「い、いや、まだ先だろ。お前、今の戸籍じゃ、まだ17歳なんだから」
リサ「人間のままだったら、先生より年上なのに……」
愛原「しょうがないだろうが。早いとこ、人間に戻る算段を見つけないとな……」
リサがやたらベタベタしてくるのは、“鬼ころし”の酔いが回ってきたからだろうか。
鬼姿のままであることは変わりないのだが、噛み付く力も弱くなるほど鬼(型BOW)の力は封じられるし、何より……。
リサ「ふわ……」
リサは牙を剥き出しにするほどの大欠伸をした。
愛原「眠いのか?」
リサ「うー……鬼のくせに、お酒弱いのかなぁ……?これ飲むと眠くなる……」
愛原「いや、弱くはないと思うぞ」
アルコール度数15%の日本酒、本当に弱かったらそもそも飲めないからな。
それをリサは1回、悪酔いするほど何パックも飲んだことがあるかのだから、やっぱり酒は強い方なんだと思う。
愛原「もう風呂に入ったことだし、今日はもう寝ろ。明日も午前中だけとはいえ、学校なんだから」
リサ「はーい……」
ゲームはここで終わりにして、私はリサを自室に下がらせた。
リサ「明日の土曜ホラー劇場は、絶対に観る」
愛原「明日は飲まずに済むといいな」
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リサはソファから立ち上がった際に、ブルマの食い込みを直す仕草をした。
私の気を引く為とはいえ、鬼の女は一途が多いというのは本当だなぁ……。
[3月11日午前6時30分 天候:晴 同地区 愛原家3階ダイニング]
愛原「おはよう」
パール「あっ、先生。おはようございます。今日は事務所休みでしょうから、もう少しゆっくりされていても良かったですのに……」
愛原「いや、残務処理とかあるから、午前中は事務所にいるよ。リサも学校だしな。……あれ、高橋は?」
今朝の朝食当番はパールである。
昼食の当番は高橋だ。
まあ、高橋のことだから、またホットドッグでも作ってくれるのだろう。
それはいいとして……。
パール「何か、部屋にいますよ」
愛原「部屋に?」
私が様子を見に行こうとすると、高橋が出てきた。
愛原「おっ、高橋」
高橋「あっ、先生。おはざっす!」
愛原「ああ。どうしたんだ?」
高橋「いや、ちょっと……」
愛原「ん?」
高橋はリビングに行くと、そこでテレビを点けた。
ニュースをやっているチャンネルを回す。
〔「……はい、こちら事故現場の上空です。私は今、栃木県宇都宮市内の東北自動車道上空に来ています。御覧頂けますでしょうか?事故現場には、何台もの車が横転したり、衝突したりして、事故の壮絶さを物語っています」〕
どうやら東北自動車道で昨夜遅く、複数台の車が事故に遭ったらしい。
当事者としてはたまったものではないが、しかしあり触れた事故であることは否めない。
〔「……事故の原因は、まだ分かっていません。目撃者の話によりますと、突然、前を走る郵便局の大型トラックが横転し、そこへ後ろを走る別のトラックが追突。更に別のトラックや乗用車が追突、衝突したりしたもようです。またその際、トラックが燃え上がり、特に郵便局のトラックにおきましては、郵便物にも引火しており……」〕
愛原「ゆ、郵便物にも引火しており!?」
高橋「何か、すっげー嫌な予感がするのですが?」
愛原「あ、後で郵便局に問い合わせてみよう」
しかし一体、何が起こっているというのだろう?