[3月8日15時45分 天候:晴 静岡県沼津市宮本 愛鷹(あしたか)パーキングエリア下り線]
私達は取りあえず、愛鷹パーキングエリアへと到着した。
愛原「ここ……だよな?」
尚、本線と分岐して中に入ると、もう1つ分岐がある。
それはバス停。
東名愛鷹バス停が、パーキングエリアの中にあるのである。
もちろん、バス専用で他の車は入って来れない。
東名高速を走るJRバスのうち、急行便しか停車しない為、バス停は閑散としている。
また、多くの高速バスが足柄サービスエリアで休憩する中、急行便はここで休憩する。
高橋「一応はそうですね」
取りあえず、駐車場に車を止めた。
それから、ETC出口の方に行ってみる。
愛原「ダメだ!徒歩では行けない!」
高橋「取りあえず出てみますか?ダメなら、また入ればいいわけですし」
愛原「そ、それもそうだな」
私達は再び車に乗り込み、それでスマートインターチェンジの出口に向かった。
ETC専用である為、出口にはセンサーとバーがある。
すぐにバーが開いた。
どうやら出口の先は丁字路になっているようだ。
沼津市街へは右折して、国道1号線に向かうように案内されている。
さて、彼らはどっちへ曲がったのだろうか?
因みに、この近くにラブホは無いようだ。
高橋は左に曲がった。
あえて、市街地とは逆の方向に向かうようだ。
しかし、また左折する。
愛原「ん?」
高橋「いえ、このデイリーヤマザキ、一般道側にも駐車場があるみたいなんで、こっちに一旦止めます」
愛原「あ、なるほど。さて、どうしたもんかねぇ……」
私はスマホを取り出した。
分かりやすいラブホは無い。
また、都合良く寂れたドライブインだとか、そもそも車の男達のうちの誰かの家が近くにあったとしても、そこまでの特定は困難だ。
その時、公一伯父さんから電話が掛かって来た。
愛原学「なに?どうしたの、伯父さん?」
愛原公一「1つ、言い忘れたことがあっての」
学「何だい?」
公一「愛鷹パーキングエリアの北側……新東名高速よりも更に北に行った所に、日本アンブレラの研究所だった場所がある。当然、日本アンブレラが潰れた以上、その研究所も潰れて今は存在しない。ところが、そこに隣接する形で設置されていた保養施設は、別の企業が引き取って運営していたらしい」
学「そうなの?……でも、『していた』って過去形ということは……」
公一「うむ。コロナ禍による客減の影響で経営が傾き、今は閉鎖されておる。但し、研究施設と違って閉鎖されているというだけで、まだ建物は取り壊されておらんそうだ」
学「閉鎖されたホテルの廃墟か……。確かに、暴走族が溜まり場にしそうなものだが……」
私はチラッと高橋を見た。
高橋は肩を竦めただけだった。
学「分かった。何のヒントも無かったから、取りあえず行ってみることにするよ」
公一「うむ。日が暮れる前に、探索を終えることじゃ。逢魔が時が、1番危険じゃからの」
その逢魔が時にプリウスミサイルをぶっ放して、『6番』に西日の直射日光を浴びせ、焼死させたのはどこのお爺さんだったっけ?
そうか……。
日本版リサ・トレヴァー、『最も恐ろしい12人の巫女』の中で、『6番』だけが成人女性で、尚且つ太陽の光に弱かったんだっけ。
そして、栗原蓮華も太陽の光に弱い。
今はまだ明るいから、太陽の下に引きずり出してやれば、それで倒せるようなものだ。
学「その保養施設の名前は?」
公一「アンブレラ保養センターじゃ。昔の名前で営業していたのが、仇になったのかもな」
学「なるほど……」
私は電話を切った。
愛原学「新しい情報が入った。そこへ行ってみよう」
高橋「分かりました」
私達は先ほどの道に出ると、進路を北に取った。
愛原「これで間違ってたら、もう帰るしか無いよ」
高橋「確かに……」
[同日16時00分 天候:晴 同県沼津市某所 旧・日本アンブレラ保養センター]
通りに面している保養センターだった場所。
まさかとは思うが、一般には開放していないと思うが……。
門扉は堅く閉ざされていた。
高橋「いや、先生。南京錠が壊されています。あれなら、簡単に開きますよ」
愛原「なにっ!?」
高橋が車を降りて、門扉の閂を開けしまう。
そして、門扉を大きく開けた。
高橋「ほら!」
愛原「しかし、でっかく『立入禁止』とあるのに……」
高橋「ゾッキーはそんなの気にしませんって。俺達も行きますよー」
これで中に誰もいなかったら、不法侵入の言い訳どうしよう?
……と、思ったら!
高橋「先生、あれを!」
愛原「んっ!?」
高橋が指さした所には、駐車場がある。
そこには、黒塗りのゼロ・クラウンが止まっていた。
車を降りて駆け寄ると、改造車だった。
ナンバーは富士山ナンバーで、番号も監視カメラの映像で見たヤツと全く同じだ。
車の中を覗き込んだが、違法改造車である為、全部の窓がフルスモークで、それを確認することは不可能だった。
試しに、窓ガラスをコンコン叩いてみる。
愛原「誰かいますか?」
しかし、誰もいない。
為にドアを開けてみようと思ったが、全てのドアに鍵が掛かっていた。
取りあえず、車が見つかったことを善場主任に報告しよう。
そう思ってスマホを取り出した時だった。
愛原「!?」
建物の中から、何か大きな物音がした。
何かが倒れて、ガラスが割れるような音だ。
高橋「中に誰かいるみたいです」
愛原「一応、それを確認してから主任に報告するか。どこから入れる?」
高橋「この場合、案外正面から入れたりするものです」
愛原「マジか……」
マジだった。
ガラス扉のガラスが1枚そっくり無くなっていて、そこから侵入可能であった。
そっくり無いものだから、傍から見たらガラスがあるように見えるのだが。
私達は取りあえず、愛鷹パーキングエリアへと到着した。
愛原「ここ……だよな?」
尚、本線と分岐して中に入ると、もう1つ分岐がある。
それはバス停。
東名愛鷹バス停が、パーキングエリアの中にあるのである。
もちろん、バス専用で他の車は入って来れない。
東名高速を走るJRバスのうち、急行便しか停車しない為、バス停は閑散としている。
また、多くの高速バスが足柄サービスエリアで休憩する中、急行便はここで休憩する。
高橋「一応はそうですね」
取りあえず、駐車場に車を止めた。
それから、ETC出口の方に行ってみる。
愛原「ダメだ!徒歩では行けない!」
高橋「取りあえず出てみますか?ダメなら、また入ればいいわけですし」
愛原「そ、それもそうだな」
私達は再び車に乗り込み、それでスマートインターチェンジの出口に向かった。
ETC専用である為、出口にはセンサーとバーがある。
すぐにバーが開いた。
どうやら出口の先は丁字路になっているようだ。
沼津市街へは右折して、国道1号線に向かうように案内されている。
さて、彼らはどっちへ曲がったのだろうか?
因みに、この近くにラブホは無いようだ。
高橋は左に曲がった。
あえて、市街地とは逆の方向に向かうようだ。
しかし、また左折する。
愛原「ん?」
高橋「いえ、このデイリーヤマザキ、一般道側にも駐車場があるみたいなんで、こっちに一旦止めます」
愛原「あ、なるほど。さて、どうしたもんかねぇ……」
私はスマホを取り出した。
分かりやすいラブホは無い。
また、都合良く寂れたドライブインだとか、そもそも車の男達のうちの誰かの家が近くにあったとしても、そこまでの特定は困難だ。
その時、公一伯父さんから電話が掛かって来た。
愛原学「なに?どうしたの、伯父さん?」
愛原公一「1つ、言い忘れたことがあっての」
学「何だい?」
公一「愛鷹パーキングエリアの北側……新東名高速よりも更に北に行った所に、日本アンブレラの研究所だった場所がある。当然、日本アンブレラが潰れた以上、その研究所も潰れて今は存在しない。ところが、そこに隣接する形で設置されていた保養施設は、別の企業が引き取って運営していたらしい」
学「そうなの?……でも、『していた』って過去形ということは……」
公一「うむ。コロナ禍による客減の影響で経営が傾き、今は閉鎖されておる。但し、研究施設と違って閉鎖されているというだけで、まだ建物は取り壊されておらんそうだ」
学「閉鎖されたホテルの廃墟か……。確かに、暴走族が溜まり場にしそうなものだが……」
私はチラッと高橋を見た。
高橋は肩を竦めただけだった。
学「分かった。何のヒントも無かったから、取りあえず行ってみることにするよ」
公一「うむ。日が暮れる前に、探索を終えることじゃ。逢魔が時が、1番危険じゃからの」
その逢魔が時にプリウスミサイルをぶっ放して、『6番』に西日の直射日光を浴びせ、焼死させたのはどこのお爺さんだったっけ?
そうか……。
日本版リサ・トレヴァー、『最も恐ろしい12人の巫女』の中で、『6番』だけが成人女性で、尚且つ太陽の光に弱かったんだっけ。
そして、栗原蓮華も太陽の光に弱い。
今はまだ明るいから、太陽の下に引きずり出してやれば、それで倒せるようなものだ。
学「その保養施設の名前は?」
公一「アンブレラ保養センターじゃ。昔の名前で営業していたのが、仇になったのかもな」
学「なるほど……」
私は電話を切った。
愛原学「新しい情報が入った。そこへ行ってみよう」
高橋「分かりました」
私達は先ほどの道に出ると、進路を北に取った。
愛原「これで間違ってたら、もう帰るしか無いよ」
高橋「確かに……」
[同日16時00分 天候:晴 同県沼津市某所 旧・日本アンブレラ保養センター]
通りに面している保養センターだった場所。
まさかとは思うが、一般には開放していないと思うが……。
門扉は堅く閉ざされていた。
高橋「いや、先生。南京錠が壊されています。あれなら、簡単に開きますよ」
愛原「なにっ!?」
高橋が車を降りて、門扉の閂を開けしまう。
そして、門扉を大きく開けた。
高橋「ほら!」
愛原「しかし、でっかく『立入禁止』とあるのに……」
高橋「ゾッキーはそんなの気にしませんって。俺達も行きますよー」
これで中に誰もいなかったら、不法侵入の言い訳どうしよう?
……と、思ったら!
高橋「先生、あれを!」
愛原「んっ!?」
高橋が指さした所には、駐車場がある。
そこには、黒塗りのゼロ・クラウンが止まっていた。
車を降りて駆け寄ると、改造車だった。
ナンバーは富士山ナンバーで、番号も監視カメラの映像で見たヤツと全く同じだ。
車の中を覗き込んだが、違法改造車である為、全部の窓がフルスモークで、それを確認することは不可能だった。
試しに、窓ガラスをコンコン叩いてみる。
愛原「誰かいますか?」
しかし、誰もいない。
為にドアを開けてみようと思ったが、全てのドアに鍵が掛かっていた。
取りあえず、車が見つかったことを善場主任に報告しよう。
そう思ってスマホを取り出した時だった。
愛原「!?」
建物の中から、何か大きな物音がした。
何かが倒れて、ガラスが割れるような音だ。
高橋「中に誰かいるみたいです」
愛原「一応、それを確認してから主任に報告するか。どこから入れる?」
高橋「この場合、案外正面から入れたりするものです」
愛原「マジか……」
マジだった。
ガラス扉のガラスが1枚そっくり無くなっていて、そこから侵入可能であった。
そっくり無いものだから、傍から見たらガラスがあるように見えるのだが。