[9月5日10:00.天候:晴 東京都23区内某所・東京都心大学 敷島孝夫、平賀太一、1号機のエミリー、3号機のシンディ]
エミリーは首都圏における平賀の研究拠点、都内の大学の研究室に運ばれた。
そこで修理と何があったかの調査である。
あの大爆発の最中、マルチタイプのエミリーはほとんど損傷することはなかった。
ケンショーセピアが、エミリーを大爆発の直撃から守ってくれたらしい。
だが、その代わりにセピアはバラバラとなって死亡した。
……いや、破壊されたと言った方が良いのか。
比較的無事だった右腕だけを拾い、あちこちで火炎が起きる最中、エミリーが発見したのは、同じくバラバラの焼死体と化した十条伝助。
顔だけは何とか本人と判別できる程度であったため、エミリーはそれを持ち去ったようである。
村中課長など、警察関係者は黒幕の死亡に地団太踏んだ。
だが、ここで新たな展開となる。
爆発に巻き込まれて死んだと思われた十条伝助だったが、頭部をレーザーで撃ち抜かれた跡があった。
あの後、警察が中に入って調べたが、殺傷能力のあるレーザーが飛んでくるような仕掛けは見当たらなかった。
と、なると、あとは1つしか無い。
キールが手持ちの光線銃で、十条伝助を撃ち殺した説。
「製作者を撃ち殺すとは、何て奴だ!」
敷島も不快感を露わにした。
「平賀博士、もういっそのこと、エミリーからキールの“記憶”は消した方がいいんじゃないですか?」
「アタシからもお願いするわ」
敷島の提案にシンディも乗った。
「残念だが、それは難しいことです。いや、自分もそれが1番だとは思うんですがね」
「何で難しいんですか?」
「消去した部分と残った部分を、何の違和感も無くつなぎ合わせるには莫大な手間と時間が掛かる。もう既にあの老人の死を見届けたのだから、キールを整備する者はもういないはずです」
「それはそうですけど……。もしまだKR団の残党がいれば、キールを確保される前にこちらが見つけ出しませんとね」
ケンショーイエローの話では、大爆発が起きる直前、キールと思しき者が脱出する所を見たという。
その時、既に十条伝助は殺されていた可能性がある。
「その通りです。が、ここからまた警察の仕事になりますよ、敷島さん?」
「いい加減、捜査権を委譲してもらいたいものです」
「日本の司法制度ではムリですな。せいぜい、警察の捜査のお手伝いをする程度ですよ?どこかの探偵みたいにね?」
「全く……。相手はもはや人間じゃないってのに……」
「『世の為、人の為。それがロボットの生きる道』」
「えっ?……どこかで聞いたことが……?」
「ドクター南里……」
「姉さん!?」
エミリーが僅かに起動した。
「ドクター南里の……格言……です」
「あー、そういやそんなことが書いてあったような気がするなぁ……」
敷島は顎を天井に向けながら、過去の記憶を紐解いた。
「南里先生のお言葉ですよ。自分の大学の研究室の中に、一応貼らせてもらっています」
「キールはもはや、その“道”から外れてますな」
「1度は破壊されないと分からないわね。アタシがそうだったように……」
シンディは自分のことのように……というか、まんま自分のことだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/59/b4/556649111988e2260b9c4ba37ce43adf_s.jpg)
(東京決戦の際、バージョン3.0などのロボット軍団を率いて日比谷界隈を占拠したシンディ。中央右側で大型ナイフを手に、ロボット軍団に命令を与えている。4.0以降は銃火器を装備しているが、3.0以前は飛び道具ではない武器を手にすることが多かった。この後、決戦の舞台は丸の内・大手町へ)
「今でも、あの東京決戦の時の“記憶”は消したい。でも、それはしちゃいけない」
「よく分かってるな。もう2度と、繰り返してはいけない」
「……でも、たかだか執事ロボットなんかにできるかしら?」
「キールは色々と強化されてるんだろ?」
「いや、でも、アタシから見たら、バージョン400よりも弱い気がするけどねぇ……」
「ただ、キールは人間じゃないからな。村中課長からは見つけ次第、破壊していいと言われてる。但し、空気は読めってさ」
「まあ……言わんとしていることは分かるけどねぇ……」
[同日11:03.新宿駅・都営新宿線ホーム 敷島孝夫&シンディ]
「じゃあね、姉さん。また来るからね」
シンディはエミリーと額を合わせて、それから敷島と共に大学を後にした。
その足で、財団があった新宿のビルに立ち寄る。
財団は解散したが、再結成の動きがあり、ビルの一室に事務局はあったからだ。
そこで業務連絡みたいなことをして、それから事務所に戻ることにした。
11時ちょうど発の急行電車は見送る。
最寄りの菊川駅には、急行は止まらないからだ。
その代わり、各駅停車は新宿駅始発なので余裕で着席した。
その横にシンディが立つ。
〔「お待たせ致しました。各駅停車の本八幡行き、まもなく発車致します。終点、本八幡まで、急行の通過待ちはありません」〕
発車ベルの合図の共に、京王線の車両を使用した電車が走り出した。
〔都営新宿線をご利用頂きまして、ありがとうございます。この電車は各駅停車、本八幡行きです。次は新宿三丁目、新宿三丁目。丸ノ内線、副都心線はお乗り換えです。お出口は、右側です〕
「まあ、エミリーは平賀先生が修理して下さっているから、何も心配することはないさ」
敷島は脇に立つシンディを見上げながら言った。
「ええ」
巨乳に顔が少し隠れたシンディは頷いた。
「一応は一段落したわけだから、今度は少し事務所の仕事に精を入れないとな」
「どのボカロに付き添う?」
「今日はミクにしよう。原点回帰だ」
「了解」
シンディは今日のミクのスケジュールをダウンロードした。
さすが売れっ子ボーカロイド初音ミク、今日もスケジュールはギッシリだった。
エミリーは首都圏における平賀の研究拠点、都内の大学の研究室に運ばれた。
そこで修理と何があったかの調査である。
あの大爆発の最中、マルチタイプのエミリーはほとんど損傷することはなかった。
ケンショーセピアが、エミリーを大爆発の直撃から守ってくれたらしい。
だが、その代わりにセピアはバラバラとなって死亡した。
……いや、破壊されたと言った方が良いのか。
比較的無事だった右腕だけを拾い、あちこちで火炎が起きる最中、エミリーが発見したのは、同じくバラバラの焼死体と化した十条伝助。
顔だけは何とか本人と判別できる程度であったため、エミリーはそれを持ち去ったようである。
村中課長など、警察関係者は黒幕の死亡に地団太踏んだ。
だが、ここで新たな展開となる。
爆発に巻き込まれて死んだと思われた十条伝助だったが、頭部をレーザーで撃ち抜かれた跡があった。
あの後、警察が中に入って調べたが、殺傷能力のあるレーザーが飛んでくるような仕掛けは見当たらなかった。
と、なると、あとは1つしか無い。
キールが手持ちの光線銃で、十条伝助を撃ち殺した説。
「製作者を撃ち殺すとは、何て奴だ!」
敷島も不快感を露わにした。
「平賀博士、もういっそのこと、エミリーからキールの“記憶”は消した方がいいんじゃないですか?」
「アタシからもお願いするわ」
敷島の提案にシンディも乗った。
「残念だが、それは難しいことです。いや、自分もそれが1番だとは思うんですがね」
「何で難しいんですか?」
「消去した部分と残った部分を、何の違和感も無くつなぎ合わせるには莫大な手間と時間が掛かる。もう既にあの老人の死を見届けたのだから、キールを整備する者はもういないはずです」
「それはそうですけど……。もしまだKR団の残党がいれば、キールを確保される前にこちらが見つけ出しませんとね」
ケンショーイエローの話では、大爆発が起きる直前、キールと思しき者が脱出する所を見たという。
その時、既に十条伝助は殺されていた可能性がある。
「その通りです。が、ここからまた警察の仕事になりますよ、敷島さん?」
「いい加減、捜査権を委譲してもらいたいものです」
「日本の司法制度ではムリですな。せいぜい、警察の捜査のお手伝いをする程度ですよ?どこかの探偵みたいにね?」
「全く……。相手はもはや人間じゃないってのに……」
「『世の為、人の為。それがロボットの生きる道』」
「えっ?……どこかで聞いたことが……?」
「ドクター南里……」
「姉さん!?」
エミリーが僅かに起動した。
「ドクター南里の……格言……です」
「あー、そういやそんなことが書いてあったような気がするなぁ……」
敷島は顎を天井に向けながら、過去の記憶を紐解いた。
「南里先生のお言葉ですよ。自分の大学の研究室の中に、一応貼らせてもらっています」
「キールはもはや、その“道”から外れてますな」
「1度は破壊されないと分からないわね。アタシがそうだったように……」
シンディは自分のことのように……というか、まんま自分のことだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/59/b4/556649111988e2260b9c4ba37ce43adf_s.jpg)
(東京決戦の際、バージョン3.0などのロボット軍団を率いて日比谷界隈を占拠したシンディ。中央右側で大型ナイフを手に、ロボット軍団に命令を与えている。4.0以降は銃火器を装備しているが、3.0以前は飛び道具ではない武器を手にすることが多かった。この後、決戦の舞台は丸の内・大手町へ)
「今でも、あの東京決戦の時の“記憶”は消したい。でも、それはしちゃいけない」
「よく分かってるな。もう2度と、繰り返してはいけない」
「……でも、たかだか執事ロボットなんかにできるかしら?」
「キールは色々と強化されてるんだろ?」
「いや、でも、アタシから見たら、バージョン400よりも弱い気がするけどねぇ……」
「ただ、キールは人間じゃないからな。村中課長からは見つけ次第、破壊していいと言われてる。但し、空気は読めってさ」
「まあ……言わんとしていることは分かるけどねぇ……」
[同日11:03.新宿駅・都営新宿線ホーム 敷島孝夫&シンディ]
「じゃあね、姉さん。また来るからね」
シンディはエミリーと額を合わせて、それから敷島と共に大学を後にした。
その足で、財団があった新宿のビルに立ち寄る。
財団は解散したが、再結成の動きがあり、ビルの一室に事務局はあったからだ。
そこで業務連絡みたいなことをして、それから事務所に戻ることにした。
11時ちょうど発の急行電車は見送る。
最寄りの菊川駅には、急行は止まらないからだ。
その代わり、各駅停車は新宿駅始発なので余裕で着席した。
その横にシンディが立つ。
〔「お待たせ致しました。各駅停車の本八幡行き、まもなく発車致します。終点、本八幡まで、急行の通過待ちはありません」〕
発車ベルの合図の共に、京王線の車両を使用した電車が走り出した。
〔都営新宿線をご利用頂きまして、ありがとうございます。この電車は各駅停車、本八幡行きです。次は新宿三丁目、新宿三丁目。丸ノ内線、副都心線はお乗り換えです。お出口は、右側です〕
「まあ、エミリーは平賀先生が修理して下さっているから、何も心配することはないさ」
敷島は脇に立つシンディを見上げながら言った。
「ええ」
巨乳に顔が少し隠れたシンディは頷いた。
「一応は一段落したわけだから、今度は少し事務所の仕事に精を入れないとな」
「どのボカロに付き添う?」
「今日はミクにしよう。原点回帰だ」
「了解」
シンディは今日のミクのスケジュールをダウンロードした。
さすが売れっ子ボーカロイド初音ミク、今日もスケジュールはギッシリだった。
その最たるものが街頭折伏だ。
特に、その際に使用するとされる写真などには、いくつかの突っ込み所に気付かざるを得ない。
相手に分かりやすく作ったのは分かるのだが、却って相手が話を聞いてくれなさそうなデザインになっているような気がしてならないのだ。
平日に堂々と休める職場にいる、今年までがチャンスだったのだが……。
ところで、ミクシィなど、ネットでは悪評極まりないものの、御山ではお年寄りの手を引く良い人が退転したのではないかという情報が入ってきた。
多分ガセだとは思うのだが、ナンボ自分が正しいことだと思っても、それがお寺や御住職の方針にそぐわないのであれば、自重するべきである。
……えっ、「総監の意向でブログ禁止になったらどうするのか?」って?
もしかして、それか!?
ようやく観光列車がデビューします(^O^)
灰皿はないけど栓抜きがつきます(^O^)
あとレトロ感を出すなら窓をユニットサッシにもどさないと(^O^)
灰皿は……まあ、嫌煙家の私からすれば再現不要です。
ユニットサッシ?西日本のキハ47は……あ!そうか!
今1つピンと来なかったんですが、キハ47は暖地仕様でしたね。
西日本の大半のリニューアル車両は窓を下半分はめ殺しにして上半分を全開にしかできないという改造をしているのです。
灰皿は使用不能で取り付けてもらえたらということです。
今じゃ列車からほぼ完全に消えてますからね……ちなみに私も嫌煙家ですが受動喫煙は窓を開けてれば大丈夫です。
イラストを見る限り、それも再現されているように見えますね。
嫌煙家の中にはアレルギーの如く、完全に車内禁煙を訴える者がいますし、冬季は窓を開けずに喫煙する人もいるので難しいと思いますよ。