報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「2月28日」

2021-03-01 11:39:18 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[2月28日11:00.天候:晴 東京都墨田区江東橋 学生服販売店]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 今日はリサの高校制服が出来上がったので、取りに行くところだ。
 まあ、必然というか何とかいうか、斉藤絵恋さんも一緒にである。

 愛原:「やっぱりメイド服は目立つなぁ……」

 私は高橋と一緒にリサを連れて来たのだが、絵恋さんは専属のメイドである霧崎真珠さんと一緒に来た。
 メイドだからって、本当にメイド服を着ている。
 それ以外の服を着るのは、高橋とデートする時だけである。
 その時は一転して、迷彩柄の入った服を着る。
 何か、どっかのアニメにあったような気がするなぁ……。
 ある時は軍隊の特殊部隊員、ある時は大富豪に雇われたメイド……なんて。

 霧崎:「これは私に与えられた咎ですので」

 当然ながら街中を歩けば目立つ目立つ。
 しかし霧崎さんは、その視線を全く気にも留める様子は無い。
 そうしているうちに、試着室からリサと絵恋さんが出て来た。
 当然ながら試着室は1人用の個室なのだが、絵恋さんがリサと2人で入りたがってしょうがなかった。
 何とか宥めすかし、1人ずつ着替えてもらっている。

 リサ:「どう?先生?似合う?」
 愛原:「おー、似合う似合う」

 といっても、中等部の制服とあまり雰囲気は変わらない。
 違うのは何度も先述している通り、ブレザーがシングルからダブルに変わっただけだ。
 スカートやリボンの色も変わらない。
 上からモスグリーンのブレザー、ベスト並びにスカートはグレー、リボンは臙脂色という、まるで昔の東京無線タクシーの制服みたいな感じだったのである。
 因みにここ最近、女子もスラックスを選べる学校が出て来たらしい。
 東京中央学園では、未だ検討中とのこと。

 高橋:「少しデカくないスか?」
 愛原:「善場主任もそうだったが、高校の時に急成長することがあるらしい。特に、リサ・トレヴァーの傾向として。サイズが合わなくなって買い直すよりはマシってことだ」
 高橋:「なるほど」
 絵恋:「り、リサさん!?萌えぇぇぇぇっ!!」

 案の定、絵恋さんはリサの高校制服を見て悶絶した。

 高橋:「毎回登校する度にこれじゃ、こっちも大変だぜ?」

 高橋は眉を潜めて、悶絶している絵恋さんを指さしながら霧崎さんに言った。

 霧崎:「大丈夫。そのうち慣れるから」
 店主:「こちらが体操服になります。こちらも試着されますか?」
 愛原:「あ、いえ、大丈夫です。今の体操服でピッタリということは、それよりサイズアップされたものなら着れるはずなので」

 私は断った。
 本当は試着しておくに越した事は無いのだが、それでまた絵恋さんが悶絶されても困るからだ。
 因みに高等部の体操服は、中等部と同じながら色違いである。
 具体的にはショートパンツやジャージの色が中等部はライトグリーンで、高等部がダークグリーンになるだけだ。
 緑色に拘っているのは、正に学園のシンボルカラーだからだろう。
 因みにスクール水着は、夏前に改めて学校で購入することになる。
 但し、水着に関しては中等部と何ら変わらない(が、やっぱりグリーンである)。
 工業系の池袋高校だと、この他に作業服もあるらしいが、それもきっと緑色なんだろうなぁと思う。
 本八幡にも系列の高校があるが、そちらは商業系である。

 霧崎:「それでは御嬢様、私服にお着替えを。そろそろお帰りの時間でございます」
 絵恋:「そ、そうね」
 リサ:「じゃあ着替える」

 リサはさっさと試着室に入って行った。
 そして高校の制服や体操服を受け取ると、迎えに来ていた新庄さんの車に乗り込んだ。

 新庄:「それでは、埼玉に向かいます」

 黒塗りのアルファードに乗り込む。
 霧崎さんは助手席に座り、私と高橋が真ん中、リサと絵恋さんが後ろに座った。
 そして、車が走り出した。

 すぐに錦糸町から首都高に入るが、絵恋さんがトイレに行きたいということで、途中の箱崎ジャンクションにある箱崎パーキングエリアに立ち寄る。
 ついでなので私も車を降りて、小用に向かった。
 当然の如く、高橋もついてくる。

 霧崎:「御嬢様は少しお時間が掛かりますので、しばらくお待ち願います」

 トイレから出た後で、外で待っている霧崎さんが深々と頭を下げる。

 愛原:「そうなのか。何かあったのか?」
 リサ:「サイトー、さっきの興奮のせいで、アレがアソコからドバッと出たからちょっと【お察しください】」
 愛原:「た、大変だな。女性用の生理用品は消費税非課税にするか、年末調整で還付してあげてほしいくらいだ」

 しょうがないので、私は自販機で飲み物を買った。

 リサ:「オレンジジュースとポッキー」

 リサがジュースとお菓子をおねだりしてきた。

 愛原:「はいよ。だけど、向こうに着いたら昼食会だぞ?」
 リサ:「甘い物は別腹」
 愛原:「あ、そう」
 高橋:「俺は一服して来ます」
 霧崎:「では、私も一旦失礼致します」
 愛原:「あ、ああ」

 そういえば霧崎さんも喫煙者だったな。
 メイド服姿でタバコを吸う霧崎さん。
 メイド萌えの人々にとっては、絶望でしかない。
 いや、それとも新たな萌え要素となるだろうか。

[同日12:00.天候:晴 埼玉県さいたま市中央区上落合 斉藤家]

 こうして昼頃には、私達は斉藤家に到着することができた。

 新庄:「お疲れ様でございます」
 愛原:「どうもありがとうございます」

 私達はスライドドアから車外に降りた。
 一方、霧崎さんは助手席のドアから降りると、荷物を手に先に家の中に入った。

 メイド一同:「お帰りなさいませ、御嬢様!いらっしゃいませ、愛原様!」
 愛原:「はは……こんにちは」
 高橋:「一段とメイドカフェっぽくなりましたねぇ……」
 リサ:「メイドさん、増えてる?」
 ダイヤモンド:「こちらへどうぞ。御昼食の準備が整ってございます」
 愛原:「ありがとう」

 私達は家の中に上がらせて頂き、そしてダイニングへと通された。

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