[4月13日06時30分 天候:曇 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家4階・リサの部屋]
愛原「リサ、朝飯の時間だぞ!学校はどうするんだ!?」
リサ「頭が痛い……気持ち悪い……食べたくない……休む……」
リサはベッドに横になって、頭から布団を被っていた。
リサの部屋は、酒の臭いが充満している。
昨夜帰ってから部屋を除いたら、リサの部屋は“鬼ころし”のパックが部屋中に散乱していた。
そして、ベッドの上に大の字になって鼾をかいて眠っていた。
で、朝になったらこのザマだ。
愛原「未成年のくせに二日酔い起こしやがって!“鬼ころし”はお前が暴走しない為に、特別に少量だけ薬として飲むことが許されているだけなんだぞ!」
リサ「大きな声出さないで……!頭に響く……!」
リサは更に頭から布団を被った。
リサ「体が消えちゃいそう……」
愛原「えっ?」
リサ「…………」
すると、布団の膨らみが無くなって行く。
愛原「おい、リサ!」
私は上から布団を押してみた。
すると、感触が無い!
愛原「!?」
慌てて掛布団を剥がしてみると、そこいたはずのリサがいなくなっていた。
リサが消えた!?
愛原「わああああ!!」
私は慌てて部屋を飛び出した。
そして、階段を駆け下りて3階のダイニングに飛び込む。
愛原「たっ、たっ、大変だーっ!リサが消えたーっ!!」
リサ「だから大きな声出さないでよ……」
愛原「えっ!?」
リサはダイニングにいて、冷蔵庫を開けていた。
リサ「確かここに……ソルマックがあったよね……」
パール「先生、差し上げて宜しいのでしょうか?」
愛原「てか、何でオマエここにいるの!?」
リサ「えっ……何が……?」
愛原「さっきまで布団にいただろうが!?ワープでもできんのか、お前はーっ!?」
リサ「ちょっと……何言ってるか分かんない……」
愛原「何で分かんねーんだよ!パール、リサのヤツ、いきなり現れたのか!?」
パール「どうでしょうねぇ……。ただ、いつの間にかいらっしゃったって感じです」
リサは無言でソルマックを飲み干した。
リサ「寝てる……」
愛原「絶対、テレポートしたはずなんだよなぁ……」
特異菌に感染してモールデッドなどのクリーチャーになったり、BOWになったりした者は、たまにそういうことができるらしい。
リサも元は特異菌を持っていたわけだし、今も無毒化されているとはいえ、特異菌もどきを持っているわけだから……。
リサは今度は階段を通って、4階へと上がって行った。
高橋「先生、どうします?」
愛原「さすがに、酒臭いまま登校させるわけにはいかんだろ。今日は休ませるよ」
高橋「分かりました」
愛原「学校へは明日、連絡しておく。お前は善場係長に連絡しておいてくれ」
高橋「了解です。元々今日、ねーちゃんが来ることになってるんスよね?」
愛原「ああ。9時には来られる。例の仮面を取りにな。事務所オープンと同時に御到着だ」
高橋「で、その足で沖縄に行かれると?」
愛原「係長御自身は行かれないだろうが、仮面は調査員に渡されるんだろう」
高橋「なるほど」
今朝の朝食は和食。
サバの塩焼きと玉子焼きが出て来た。
肉系は無いので、それもまたリサが食欲の無い理由か。
Gウィルスを抱えているおかげで、リサは例え相手がエイズだろうがエボラだろうが、感染することはない。
それらのウィルスが体内に入っても、Gウィルスが食べてしまうからだ。
無毒化前の特異菌があった頃は、特異菌がインフルエンザやら新型コロナを取り込んでいた。
人間を化け物に変えてしまう最強最悪のウィルスは、殺人ウィルスでさえもエサに過ぎないのである。
幸いなのは、Gウィルスは空気感染や経口感染などはしないこと。
Gウィルスが胚を形成し、それを他の生物に植え付けることで繁殖する。
ところがその胚を特異菌が食べてしまうので、リサのGウィルスは外に漏れることは無かった。
[同日09:00.天候:曇 同地区内 愛原学探偵事務所2階]
約束の時間通り、1階のガレージに黒塗りのミニバンが到着する。
そこから善場係長が降りてきて、2階の事務所まで上がって来られた。
愛原「おはようございます!善場係長!」
エレベーターのドアが開くと同時に、私は係長を出迎えた。
善場「おはようございます。愛原所長。昨日はお疲れさまでした」
愛原「いいえ、恐れ入ります!どうぞ、こちらへ!」
私は善場係長を応接コーナーへと案内した。
愛原「こちらが、例の仮面です」
善場「ありがとうございます。2つありますね?」
愛原「一応、1つは予備です」
善場「なるほど、そうでしたか。お気遣い、ありがとうございます。費用についての領収証なども、頂いて行きますよ?」
愛原「はい、こちらです。よろしくお願いします」
私は領収証と書類を係長に渡した。
愛原「仮面の購入費用と、新幹線代やタクシー代などの交通費です」
善場「かしこまりました。これだけで宜しいですか?飲食代や、上野利恵に情報料を払ったのでしたら、その情報料なども請求して頂いて構いませんよ?」
愛原「いえ、さすがにそういうわけには……。それに、上野利恵からの情報は、あまり大したこと無い内容だったわけでしょう?」
善場「BSAAにとっては、あまり有用とは言えないかもしれませんね。ただ、他の省庁では有益に思う所があるかもしれません」
愛原「そういうものですかね……」
善場「取りあえず、今お出しして頂いた費用につきましては、後ほど精算させて頂きます」
愛原「ありがとうございます」
善場「ところでリサは今日、学校を休んでいるそうですね?」
愛原「さすがに、酒の臭いをさせたまま登校させるわけにはいきませんから」
善場「体に変化などはしていないですか?」
愛原「今のところは普通に部屋で寝ているだけです。私も時たま深酒してしまって、二日酔いになってしまうこともありますが、大体は昼ぐらいには治ります。リサもそうだといいのですが……」
善場「そうですね。もしもリサに変化がありましたら、すぐに連絡して頂けると助かります」
愛原「もちろんです。そうさせて頂きます」
善場「よろしくお願い致します」
係長が退所される時、私もガレージまで送らせて頂いた。
運転席には係長の部下と思しき男性職員が待機していたが、係長はリアシートではなく、助手席に乗り込んだ。
どうもリアシートにも誰か乗っていたようで、それがどうやら今回、沖縄まで行く調査員達のようである。
これから羽田空港まで向かうようなことを言っていたので、それで間違いないだろう。
デイライトの職員達の車はガレージから出て行ったが、シャッターを閉めるようなことはしない。
今日は他にもクライアントが来訪する予定となっており、中にはデイライトのように車で来る人もいるからだ。
愛原「リサ、朝飯の時間だぞ!学校はどうするんだ!?」
リサ「頭が痛い……気持ち悪い……食べたくない……休む……」
リサはベッドに横になって、頭から布団を被っていた。
リサの部屋は、酒の臭いが充満している。
昨夜帰ってから部屋を除いたら、リサの部屋は“鬼ころし”のパックが部屋中に散乱していた。
そして、ベッドの上に大の字になって鼾をかいて眠っていた。
で、朝になったらこのザマだ。
愛原「未成年のくせに二日酔い起こしやがって!“鬼ころし”はお前が暴走しない為に、特別に少量だけ薬として飲むことが許されているだけなんだぞ!」
リサ「大きな声出さないで……!頭に響く……!」
リサは更に頭から布団を被った。
リサ「体が消えちゃいそう……」
愛原「えっ?」
リサ「…………」
すると、布団の膨らみが無くなって行く。
愛原「おい、リサ!」
私は上から布団を押してみた。
すると、感触が無い!
愛原「!?」
慌てて掛布団を剥がしてみると、そこいたはずのリサがいなくなっていた。
リサが消えた!?
愛原「わああああ!!」
私は慌てて部屋を飛び出した。
そして、階段を駆け下りて3階のダイニングに飛び込む。
愛原「たっ、たっ、大変だーっ!リサが消えたーっ!!」
リサ「だから大きな声出さないでよ……」
愛原「えっ!?」
リサはダイニングにいて、冷蔵庫を開けていた。
リサ「確かここに……ソルマックがあったよね……」
パール「先生、差し上げて宜しいのでしょうか?」
愛原「てか、何でオマエここにいるの!?」
リサ「えっ……何が……?」
愛原「さっきまで布団にいただろうが!?ワープでもできんのか、お前はーっ!?」
リサ「ちょっと……何言ってるか分かんない……」
愛原「何で分かんねーんだよ!パール、リサのヤツ、いきなり現れたのか!?」
パール「どうでしょうねぇ……。ただ、いつの間にかいらっしゃったって感じです」
リサは無言でソルマックを飲み干した。
リサ「寝てる……」
愛原「絶対、テレポートしたはずなんだよなぁ……」
特異菌に感染してモールデッドなどのクリーチャーになったり、BOWになったりした者は、たまにそういうことができるらしい。
リサも元は特異菌を持っていたわけだし、今も無毒化されているとはいえ、特異菌もどきを持っているわけだから……。
リサは今度は階段を通って、4階へと上がって行った。
高橋「先生、どうします?」
愛原「さすがに、酒臭いまま登校させるわけにはいかんだろ。今日は休ませるよ」
高橋「分かりました」
愛原「学校へは明日、連絡しておく。お前は善場係長に連絡しておいてくれ」
高橋「了解です。元々今日、ねーちゃんが来ることになってるんスよね?」
愛原「ああ。9時には来られる。例の仮面を取りにな。事務所オープンと同時に御到着だ」
高橋「で、その足で沖縄に行かれると?」
愛原「係長御自身は行かれないだろうが、仮面は調査員に渡されるんだろう」
高橋「なるほど」
今朝の朝食は和食。
サバの塩焼きと玉子焼きが出て来た。
肉系は無いので、それもまたリサが食欲の無い理由か。
Gウィルスを抱えているおかげで、リサは例え相手がエイズだろうがエボラだろうが、感染することはない。
それらのウィルスが体内に入っても、Gウィルスが食べてしまうからだ。
無毒化前の特異菌があった頃は、特異菌がインフルエンザやら新型コロナを取り込んでいた。
人間を化け物に変えてしまう最強最悪のウィルスは、殺人ウィルスでさえもエサに過ぎないのである。
幸いなのは、Gウィルスは空気感染や経口感染などはしないこと。
Gウィルスが胚を形成し、それを他の生物に植え付けることで繁殖する。
ところがその胚を特異菌が食べてしまうので、リサのGウィルスは外に漏れることは無かった。
[同日09:00.天候:曇 同地区内 愛原学探偵事務所2階]
約束の時間通り、1階のガレージに黒塗りのミニバンが到着する。
そこから善場係長が降りてきて、2階の事務所まで上がって来られた。
愛原「おはようございます!善場係長!」
エレベーターのドアが開くと同時に、私は係長を出迎えた。
善場「おはようございます。愛原所長。昨日はお疲れさまでした」
愛原「いいえ、恐れ入ります!どうぞ、こちらへ!」
私は善場係長を応接コーナーへと案内した。
愛原「こちらが、例の仮面です」
善場「ありがとうございます。2つありますね?」
愛原「一応、1つは予備です」
善場「なるほど、そうでしたか。お気遣い、ありがとうございます。費用についての領収証なども、頂いて行きますよ?」
愛原「はい、こちらです。よろしくお願いします」
私は領収証と書類を係長に渡した。
愛原「仮面の購入費用と、新幹線代やタクシー代などの交通費です」
善場「かしこまりました。これだけで宜しいですか?飲食代や、上野利恵に情報料を払ったのでしたら、その情報料なども請求して頂いて構いませんよ?」
愛原「いえ、さすがにそういうわけには……。それに、上野利恵からの情報は、あまり大したこと無い内容だったわけでしょう?」
善場「BSAAにとっては、あまり有用とは言えないかもしれませんね。ただ、他の省庁では有益に思う所があるかもしれません」
愛原「そういうものですかね……」
善場「取りあえず、今お出しして頂いた費用につきましては、後ほど精算させて頂きます」
愛原「ありがとうございます」
善場「ところでリサは今日、学校を休んでいるそうですね?」
愛原「さすがに、酒の臭いをさせたまま登校させるわけにはいきませんから」
善場「体に変化などはしていないですか?」
愛原「今のところは普通に部屋で寝ているだけです。私も時たま深酒してしまって、二日酔いになってしまうこともありますが、大体は昼ぐらいには治ります。リサもそうだといいのですが……」
善場「そうですね。もしもリサに変化がありましたら、すぐに連絡して頂けると助かります」
愛原「もちろんです。そうさせて頂きます」
善場「よろしくお願い致します」
係長が退所される時、私もガレージまで送らせて頂いた。
運転席には係長の部下と思しき男性職員が待機していたが、係長はリアシートではなく、助手席に乗り込んだ。
どうもリアシートにも誰か乗っていたようで、それがどうやら今回、沖縄まで行く調査員達のようである。
これから羽田空港まで向かうようなことを言っていたので、それで間違いないだろう。
デイライトの職員達の車はガレージから出て行ったが、シャッターを閉めるようなことはしない。
今日は他にもクライアントが来訪する予定となっており、中にはデイライトのように車で来る人もいるからだ。
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