[6月14日10時45分 天候:晴 静岡県富士宮市某所 斉藤家隠し別荘]
外観が洋館みたいな雰囲気だと思ったが、内装もそのような感じだった。
エントランスが2階吹き抜けになっており、2階の天井からシャンデリア風の照明がぶら下がっている。
廃墟だとは聞いていたが、案外館内は綺麗に掃除されていた。
外観は古いままなのだが……。
愛原「もう少しリニューアルすれば、また再利用できそうだな?」
アンバー「急いでお掃除しましたので~」
愛原「キミが?」
アンバー「はい~」
アンバーの受け答えに、パールは鼻で笑った。
愛原「よし、とにかく行こう」
リサ「ここが……エレンのもう1つの家……」
パール「ただの隠し別荘です。ここには御嬢様は、幼い頃に1度しか来られていないそうです」
アンバー「そう。パールが来る前だったわぁ~。今から10年前……それはもう小っちゃくて可愛かったですよぉ~」
愛原「そうか。それで、QRコードで開く鍵のドアはどこだ?」
アンバー「こちらですぅ~」
アンバーが案内したのは、エレベーター。
しかも、ただのエレベーターではない。
愛原「鉄格子のエレベーター!?」
恐らくは東京・日本橋高島屋にあるようなエレベーターがあった。
ただ、確かあそこにあるエレベーターは、内側が鉄格子になっているだけで、外側はガラス扉になっているはずだ。
こちらのエレベーターは、内側も外側も鉄格子である。
アンバー「そうなんですぅ~」
愛原「若い頃に働いていた運送会社に倉庫に、似たようなものがあったな」
ただそれは荷物運搬用のリフトであって、内側では操作できないものだ。
しかしこれは中を覗くと、ちゃんと内側から操作できるようになっている。
愛原「このエレベーター、動かせるのか?」
アンバー「停電中なので、予備電源を起動させないとダメなんですよぉ~」
愛原「そ、そうか」
それが廃墟たる所以だ。
主を失った家は光熱費が支払われず、止められる運命にあるのだろう。
愛原「予備電源のスイッチはどこにある!?」
アンバー「お気になさらず~。正規の電源を復旧させれば良いのですぅ~」
アンバーはパチンと指を鳴らした。
すると、どこかでガチャンというレバーを操作する音が聞こえ、屋内の照明が復旧した。
と、同時に、エレベーターの電源も入る。
愛原「??? 電気代払ってなくて止められてるんじゃ???」
アンバー「その理由は、下に行けば分かりますぅ~」
愛原「下!?」
私はボタンを押した。
すると、鉄格子のロックが外れる音がする。
私は外側の鉄格子を開け、それから内側の鉄格子を開けた。
当然、エレベーターの電源も復旧したので、内側の照明も点灯している。
乗り込むと、私は外側の鉄格子を閉め、それから内側の鉄格子も閉めた。
ちゃんと閉めないと、エレベーターが起動しない仕組みだということは、雑学で知っていた。
しかし、『B』のボタンを押しても、エレベーターが動かない。
まさか、下の方で鉄格子が開いてしまっているのでは?
アンバー「これですぅ~」
アンバーはボタンの横の蓋を開けると、そこから読取機を取り出した。
まさか、これに例のQRコードを読み取らせろと?
QRコードが書かれたカードを翳した。
すると、ピッという音がして、『B』ボタンのランプが点灯する。
私がもう1度押すと、やっとエレベーターが動き出した。
愛原「ここまで面倒なことをさせるとは、相当な秘密がこの地下に眠っているらしい」
パール「と、先生は推理されておられるけど、どうなの?」
アンバー「はい~!きっと、愛原先生にとっては、重要な秘密ですぅ~」
愛原「それは期待させてもらおう」
そして、エレベーターがドンという衝撃をさせて止まる。
古いエレベーターなので、衝撃があるのはしょうがない。
そして、カチンという鉄格子のロックが外れる音がした。
内側から開け、外側も開ける。
パール「そして、ちゃんと閉めるのですね?」
愛原「そういうことだ」
地下室は、1本の廊下が伸びていた。
まるで渡り廊下のように、左右には何にも無い。
地下なので窓は無く、所々天井に設置された20ワット程度の白熱電球が灯っているだけ。
なので、廊下は薄暗かった。
廊下の突き当りには、1枚の扉があった。
木目調の高級そうなドアだ。
そのドアは、カードキーで開けるタイプだった。
パール「アンバー、カードキーを」
アンバー「無いですぅ~」
パール「あぁ?てめェ、フザてんのか?」
パールはアンバーの胸倉を掴んだ。
パールの口調は、明らかにヤンキー時代のものである。
愛原「パール!落ち着け!」
パール「は、はい!」
パールはパッとアンバーを放した。
アンバー「このマーク、見たこと無いですかぁ~?」
アンバーはカードキー差込口の上を指さした。
そこには、アンブレラのマークが描かれていた。
ということは……。
愛原「リサ!オマエのカードキーだ!」
リサ「う、うん!」
リサは定期入れからアンブレラのゴールドカードキーを取り出した。
そして、それを読取機に差し込む。
すると、ピッという音がしてドアロックが外れる音がした。
愛原「開けた瞬間、タイラントが飛び出して来るなんてことは無いよな?」
アンバー「分かりません」
パール「何で分かんねーんだよ!?」
アンバー「地下室は、そもそも私も入ったことが無いのでぇ~……。申し訳無いですぅ~……」
愛原「まあ、仕方が無い」
リサ「タイラント君がいるなら、わたしに反応して、向こうからドア開けてくれそうなものだけどね」
愛原「じゃあ、リサが先に入ってみるか?」
リサ「そうだね。もし罠が仕掛けられてたとしても、わたしは死なないもの」
リサはそう言うと、ドアを開けた。
部屋は真っ暗だった……が、人感センサーになっているのか、すぐにカチッという音がして、室内の照明が点灯した。
主にアクリルカバーに入った白い蛍光灯だ。
中はまるで大企業の社長室みたいな造りになっており、立派な執務机がある。
だが、中には誰もいなかった。
リサ「先生、大丈夫みたいだよ」
愛原「ああ」
私は銃を構えて、中に入った。
そして、周囲を見渡す。
愛原「……!」
私は天井の片隅に、監視カメラがあるのを見つけた。
何故この部屋に、そのような物があるのだろうか。
愛原「うっ!?」
その時、机の上の電話が鳴り出した。
私が電話を取る。
愛原「も、もしもし?」
電話口に出た人物とは?
①愛原公一
②高橋正義
➂高野芽衣子
④善場優菜
⑤それ以外の人物
⑥無言
外観が洋館みたいな雰囲気だと思ったが、内装もそのような感じだった。
エントランスが2階吹き抜けになっており、2階の天井からシャンデリア風の照明がぶら下がっている。
廃墟だとは聞いていたが、案外館内は綺麗に掃除されていた。
外観は古いままなのだが……。
愛原「もう少しリニューアルすれば、また再利用できそうだな?」
アンバー「急いでお掃除しましたので~」
愛原「キミが?」
アンバー「はい~」
アンバーの受け答えに、パールは鼻で笑った。
愛原「よし、とにかく行こう」
リサ「ここが……エレンのもう1つの家……」
パール「ただの隠し別荘です。ここには御嬢様は、幼い頃に1度しか来られていないそうです」
アンバー「そう。パールが来る前だったわぁ~。今から10年前……それはもう小っちゃくて可愛かったですよぉ~」
愛原「そうか。それで、QRコードで開く鍵のドアはどこだ?」
アンバー「こちらですぅ~」
アンバーが案内したのは、エレベーター。
しかも、ただのエレベーターではない。
愛原「鉄格子のエレベーター!?」
恐らくは東京・日本橋高島屋にあるようなエレベーターがあった。
ただ、確かあそこにあるエレベーターは、内側が鉄格子になっているだけで、外側はガラス扉になっているはずだ。
こちらのエレベーターは、内側も外側も鉄格子である。
アンバー「そうなんですぅ~」
愛原「若い頃に働いていた運送会社に倉庫に、似たようなものがあったな」
ただそれは荷物運搬用のリフトであって、内側では操作できないものだ。
しかしこれは中を覗くと、ちゃんと内側から操作できるようになっている。
愛原「このエレベーター、動かせるのか?」
アンバー「停電中なので、予備電源を起動させないとダメなんですよぉ~」
愛原「そ、そうか」
それが廃墟たる所以だ。
主を失った家は光熱費が支払われず、止められる運命にあるのだろう。
愛原「予備電源のスイッチはどこにある!?」
アンバー「お気になさらず~。正規の電源を復旧させれば良いのですぅ~」
アンバーはパチンと指を鳴らした。
すると、どこかでガチャンというレバーを操作する音が聞こえ、屋内の照明が復旧した。
と、同時に、エレベーターの電源も入る。
愛原「??? 電気代払ってなくて止められてるんじゃ???」
アンバー「その理由は、下に行けば分かりますぅ~」
愛原「下!?」
私はボタンを押した。
すると、鉄格子のロックが外れる音がする。
私は外側の鉄格子を開け、それから内側の鉄格子を開けた。
当然、エレベーターの電源も復旧したので、内側の照明も点灯している。
乗り込むと、私は外側の鉄格子を閉め、それから内側の鉄格子も閉めた。
ちゃんと閉めないと、エレベーターが起動しない仕組みだということは、雑学で知っていた。
しかし、『B』のボタンを押しても、エレベーターが動かない。
まさか、下の方で鉄格子が開いてしまっているのでは?
アンバー「これですぅ~」
アンバーはボタンの横の蓋を開けると、そこから読取機を取り出した。
まさか、これに例のQRコードを読み取らせろと?
QRコードが書かれたカードを翳した。
すると、ピッという音がして、『B』ボタンのランプが点灯する。
私がもう1度押すと、やっとエレベーターが動き出した。
愛原「ここまで面倒なことをさせるとは、相当な秘密がこの地下に眠っているらしい」
パール「と、先生は推理されておられるけど、どうなの?」
アンバー「はい~!きっと、愛原先生にとっては、重要な秘密ですぅ~」
愛原「それは期待させてもらおう」
そして、エレベーターがドンという衝撃をさせて止まる。
古いエレベーターなので、衝撃があるのはしょうがない。
そして、カチンという鉄格子のロックが外れる音がした。
内側から開け、外側も開ける。
パール「そして、ちゃんと閉めるのですね?」
愛原「そういうことだ」
地下室は、1本の廊下が伸びていた。
まるで渡り廊下のように、左右には何にも無い。
地下なので窓は無く、所々天井に設置された20ワット程度の白熱電球が灯っているだけ。
なので、廊下は薄暗かった。
廊下の突き当りには、1枚の扉があった。
木目調の高級そうなドアだ。
そのドアは、カードキーで開けるタイプだった。
パール「アンバー、カードキーを」
アンバー「無いですぅ~」
パール「あぁ?てめェ、フザてんのか?」
パールはアンバーの胸倉を掴んだ。
パールの口調は、明らかにヤンキー時代のものである。
愛原「パール!落ち着け!」
パール「は、はい!」
パールはパッとアンバーを放した。
アンバー「このマーク、見たこと無いですかぁ~?」
アンバーはカードキー差込口の上を指さした。
そこには、アンブレラのマークが描かれていた。
ということは……。
愛原「リサ!オマエのカードキーだ!」
リサ「う、うん!」
リサは定期入れからアンブレラのゴールドカードキーを取り出した。
そして、それを読取機に差し込む。
すると、ピッという音がしてドアロックが外れる音がした。
愛原「開けた瞬間、タイラントが飛び出して来るなんてことは無いよな?」
アンバー「分かりません」
パール「何で分かんねーんだよ!?」
アンバー「地下室は、そもそも私も入ったことが無いのでぇ~……。申し訳無いですぅ~……」
愛原「まあ、仕方が無い」
リサ「タイラント君がいるなら、わたしに反応して、向こうからドア開けてくれそうなものだけどね」
愛原「じゃあ、リサが先に入ってみるか?」
リサ「そうだね。もし罠が仕掛けられてたとしても、わたしは死なないもの」
リサはそう言うと、ドアを開けた。
部屋は真っ暗だった……が、人感センサーになっているのか、すぐにカチッという音がして、室内の照明が点灯した。
主にアクリルカバーに入った白い蛍光灯だ。
中はまるで大企業の社長室みたいな造りになっており、立派な執務机がある。
だが、中には誰もいなかった。
リサ「先生、大丈夫みたいだよ」
愛原「ああ」
私は銃を構えて、中に入った。
そして、周囲を見渡す。
愛原「……!」
私は天井の片隅に、監視カメラがあるのを見つけた。
何故この部屋に、そのような物があるのだろうか。
愛原「うっ!?」
その時、机の上の電話が鳴り出した。
私が電話を取る。
愛原「も、もしもし?」
電話口に出た人物とは?
①愛原公一
②高橋正義
➂高野芽衣子
④善場優菜
⑤それ以外の人物
⑥無言
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