報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“ユタと愉快な仲間たち” 「南進から西進へ」

2014-12-20 15:17:04 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[12月19日14:00.神奈川県相模原市緑区 相模湖付近 イリーナ・レヴィア・ブリジッド]

(作詞・作曲mothy氏、クロノ・ストーリーより一部抜粋)

「退屈しのぎになるならそれも構わない」
「どうせ時間は無限にあるし」
 嗤う魔道師

 愛する人を失い、大事なものを壊したその果てに
 与えられた悠久は 彼女にとって空虚でしかない

 全てを手に入れ そして失った魔道師は
 何を望む?何を求める?
 時の果てに……

(歌:鏡音リン・レン、巡音ルカ)

[同日同時刻 JR東京駅 稲生ユウタ、威吹邪甲、威波莞爾、マリアンナ・スカーレット、蓬莱山鬼之助、栗原江蓮]

〔「ご乗車ありがとうございました。まもなく東京、東京です。お降りの際、お忘れ物の無いよう、ご注意ください。東京の次は、浜松町に止まります。有楽町、新橋へおいでのお客様は、山手線にお乗り換えください」〕

 客扱い遅れによる数分の遅延を以って、京浜東北線快速電車は東京駅に滑り込んだ。
 車内のモニタで、繰り返し東京駅開業100周年をうたう広告が流れている。

〔とうきょう、東京。ご乗車、ありがとうございます。次は、浜松町に止まります〕

 ユタ達はそんな東京駅に降り立った。
「東京駅に着いたぜ。で、今度はどうするんだ?」
「中央特快に乗り換えるよ。まだ少し時間がある。トイレの無い電車だから、今のうちにどうぞ」
「あ、じゃあ、行ってくる」
 江蓮が手を挙げた。
「じゃあ、私も」
 マリアも同意した。
「トイレは向こうです」
 女性2人がトイレに向かうのを見送ったキノは腕組みをしながら、
「何で女ってな、連れションしたがるんだ?」
 と、首を傾げた。
「多分、それだけじゃないと思う」
 ユタは首を傾げた。
「で、次の電車は何分だ?」
「14時29分」
「あ?だいぶあんなー」
「そうだよ」
「そうだよって……」
「東京駅の女性トイレは混んでるから、その待ち時間込み」
 ユタはしたり顔で言った。
「マジかよ!」
「さすがは鉄ヲタです」
 キノは驚愕し、カンジはポーカーフェイスを崩さずに称賛した。

[同日14:25.JR東京駅・中央線ホーム 上記メンバー]

〔まもなく1番線に、当駅止まりの電車が参ります。危ないですから、黄色い線までお下がりください。折り返し、14時29分発、中央特快、大月行きとなります〕

 
(東京〜大月間で使用されるE233系中央特快。まあ、普通の通勤電車である)

 電車がやってくる。
 京浜東北線の色違いだ。
(E233系からE233系に乗り換えるのもオツだろう。……あまり面白味には欠けるけど)
 と、ユタ。
 ここまでの乗客がぞろぞろ降りて行くと、ユタ達は再び車中の人となる。
「今度は1番後ろになるのかい?」
 威吹が言った。
「ああ。降りる駅は、後ろの方が楽なんだ」
「よく調べやがるなぁ。カンジに調査させてんのか?」
「オレは何もしていない」
 キノの言葉に、カンジはポーカーフェイスを崩さずに首を横に振った。

〔この電車は中央線、中央特快、大月行きです。停車駅は神田、御茶ノ水、四ツ谷、新宿、中野、三鷹、国分寺、立川と、立川から先の各駅です〕

 京浜東北線と違うのは、ドア横に半自動式用のドアボタンがあることだが、東京駅の折返しには使用しない。
 その為、寒風が車内に入って来る。
「東京でこの寒さじゃ、現地はもっと寒いだろうなぁ……」
「また雪が降るかもね」
「マリアさんが言うと、本当に降りそうですよ」
 ユタは笑みをこぼした。

[同日14:29.JR中央線・中央特快車内 上記メンバー]

 京浜東北線は数分遅れだったが、中央線は時刻表通りに発車した。

〔JR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は中央線、中央特快、大月行きです。停車駅は神田、御茶ノ水、四ツ谷、新宿、中野、三鷹、国分寺、立川です。立川から先は、各駅に停車致します。次は神田、神田。お出口は、右側です。地下鉄銀座線は、お乗り換えです〕

 放送だけ聞くと結構速い電車に聞こえるが、ドア上のモニタに表示される停車駅案内を見ると、立川から先が長く感じる停車駅だ。
「ところで、イリーナさんからは何か連絡は?」
「いや、無い」
 ユタの質問に首を横に振るマリア。
「お前の師匠はどこへ消えたんだ?オレ達を誘うばかりで、姿を見せやしない」
 威吹は眉を潜めて言った。
「師匠も忙しい時は忙しいんだ。お前達の武器を直す為に奔走しておられるのだぞ」
「……だってよ、威吹?」
「それを言われると、何も言い返せないが……。しかし、そこまでする理由ってのは……」
「!?」
 突然、窓を打ち付ける激しい音。
「これは雹……いや、霰だな」
 キノは窓の外を見て言った。
「霰!?この季節に!?」
「雹はともかく、霰は夏以外の季節にも降るぜ。こうしてる間にも、魔界からの揺さぶりは続く。今は1人でも多くの防衛力が欲しい。だから、刀くらい直してやんぞと。そういうことだな?」
 キノはマリアを見下ろしながら言った。
「……そんなところだ」
「まあ、獄卒志望のオレには関係無ェ……と、言いたかったんだがな」
「地獄界にまで攻め込まれては、そこも危険地帯になってしまったな」
 威吹が哀れむような顔をした。
「あくまでも魔王軍には与しねーが、死守の為に戦うのはしょうがねぇ……」
「それは当然だな」
 威吹は大きく頷いた。
 因みに、霰が降ったくらいで電車は止まらないのでご安心を。
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小説の途中ですが、ここで本日の雑感をお送りします。

2014-12-20 00:56:16 | 日記
イマドキの大人婚(2)日本人の晩婚化が進むワケ(Mocosuku Woman) - goo ニュース

 武闘派さん達の抗争は逃げるに限る。
 巻き込まれたら、たまったものではない。
 前のお寺も変なイザコザに巻き込まれたもので、脱講を決意した次第だ。
 元顕正会員に対するイメージは頗る悪く、それがため、今のお寺はなるべく元顕の少ない組織に所属させて頂いた。
 はっきり言って救い難い連中ばかりだ。
 よく、よっぴんさんは、御祈りできるものだ。
 私なんか、
「お前なんか勝手にしろ!」
 と、さっさと見切りを付けるものだが……。

 またもやポリ銀さんが殊勝な記事を作成しておられ、私のような思考の者を遠回しに諌められておられるが、あいにくと私は聖人君子ではない。
 そう簡単に慈悲が持てたら苦労などしない。
 罰を祈るようなことはさすがにしないものの、逆縁にした本人が仏縁の無さを呪うが良いとは思う。
 退転者もそう。
 自分で勝手に辞めて行ったのだから、何度も復帰させてやることはないのだ。
 出戻りを認めている企業だって、そうそう無いよ。
 だから私は、別のお寺を紹介してもらったんだけどね。
 ま、功徳はまだ無いけども。
 まあ、しょうがない。こちとら所詮、中途採用者。新卒採用者より待遇が悪いのは必然か。

 山門入り口さんの所で、愚痴らせて頂いた。
 大白法の記事に対する苦言を呈した部分なのだが、支部登山で人材育成という意味は確かに私も分からない。
 私なんざ登山回数は既に2ケタを数えているが、育成されているとはとても思えないのだが。
 あと、家族そろって御講に行こうって言われたところで、そもそも一緒に行く家族がいない。
 私しか信心していないため。
 いや、元顕正会員なら、ほぼこういうパターンだと思う。
 それが武闘派信徒の呼び掛けに応じ、勇気を出して近くのお寺、もしくは呼び掛けた信徒の所に連絡するだけでも大変なのに、折伏を受けて、更に御受誡するだけでなく、それを更に続けるって物凄いことなんだよ、実は。
 プロパーさん達はそれが当たり前だから、更にもっと多くを求めて来るけど、いやちょっと待てよと。
 一代法華の辛さが理解できないくせに、色々言われても困るよというのが本音だ。

 実は今の支部でぼんやり聞いた話なのだが、ある地区に私のような一代法華の男性信徒がいたそうだ。
 恐らくは私と同じように、自分1人の信心だけで終わるだろうと思っていたようである。
 それが、結婚を機に一変したらしい。
 そもそも、結婚すら人生設計に入っていなかったらしく、孤独死を想定していたくらいだったが、同じ年代の女性信徒を紹介されて意気投合。
 それまでの信心生活を大きく好転させる結果を招いた……みたいなプチ体験発表だ。
 無論、法統相続は順調に進んでいるとのこと。
 こっちの方がよっぽど励みになる。
 え?この程度で?と、プロパーさん達は思うかもしれない。
 だが、顕正会の体験発表は重過ぎる。重過ぎて飽きる。
 恐らくはインパクトを狙っているのだと思うが、似たような内容の発表が続くと飽きるものだ。

 とはいうものの、あくまで体験発表は例外の紹介であり、誰も彼もがそうなるとは限らない。
 あくまで、そういうこともあるよ、という感じに留めた方が良い。

 過度の期待は大いなる絶望を招く。

 今まで宗門を去って行った者達は、多分そのパターンなのではないか。
 来年は、もう少し開き直ることにしよう。
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“ユタと愉快な仲間たち” 「合宿に行こうツアー」

2014-12-18 19:38:19 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[12月19日12:50.埼玉県さいたま市中央区 西武バス・上落合8丁目バス停 稲生ユウタ、威吹邪甲、威波莞爾、マリアンナ・スカーレット]

 除雪された歩道を進むユタ達。
 幸いにして、あれから雪が降ることはなかった。
 ずっと晴れ。
 日差しの照り付ける所は雪が融けているが、日当たりの悪い所は相変わらず雪が残っている。
 大人達が突然の大雪で難儀していたにも関わらず、子供達は逞しく、雪ダルマなんかを作っていた。
 バス路線のある県道は、地下に首都高速さいたま新都心線が通っていて、その構造上、地上の県道は広い分離帯によって仕切られている。
 そのあまりにも分離帯としては広過ぎるが故に、当局は遊歩道として整備している。
 そこも雪が積もっていて、ベンチ脇に雪ダルマなんか置いてあると、子供達の逞しさが分かるのだ。
「うう……っ」
 時折吹き荒ぶ寒風。
「今年の冬は寒そうだなぁ……。これも、魔界の揺さぶりか何かですか?」
 ユタの質問に、マリアが答える。
「必ずしもそうとは言えないが、少なからず影響はあると思う。ただ、関東の雪に関して言えば、(雪女郎)連合会の仕業だ」
「雪女共め。余計なことしやがって」
「まあまあ、先生。逆にオレ達は雪に慣れているので、却って不慣れな魔界の者達を掃討することができました」
「何か、オレ達の実力が疑われているようで、少し癪に障るのだが……」
「そんなことはないさ。確実性を更に強くしただけのことだよ」
 ユタもフォローするように言った。
 そこへバスがやってくる。
 ガラ空きのバス車内は、暖房が効いていて温かった。
 4人して1番後ろの座席に座る。

〔発車します。お掴まりください〕
〔次は日赤入口、日赤入口。……〕

「キノ達はどうするんだ?」
 威吹がユタに聞いた。
「今日は栗原さんが高校の終業式だから、それ終わって即行で来るってよ。あ、お昼は食べてくるだろうけどね。僕達みたいに」
「そうか……」
「イリーナさんは現地でお待ちなんですか?」
 今度はユタがマリアに聞く。
「ああ。既に知り合いに頼み込んでいるみたいだ」
「刀の修理が2〜3日でできるなんて、さすがは魔道師ですね。ファンタジーでも、魔法が使える刀鍛冶が、それで主人公の剣を強化するって話があったような……」
「“ベタなファンタジーの法則”だな」
「……ですね」
 ユタとマリアは2人して笑った。
(マリアさん、笑えるようになったなぁ……)
 と、ユタ。

[同日13:00.JR大宮駅東口→構内→京浜東北線ホーム 上記メンバー、栗原江蓮、蓬莱山鬼之助]

〔お待たせ致しました。まもなく終点、大宮駅東口。終点、大宮駅東口でございます。……〕

 ユタの母親が事故に巻き込まれたスクランブル交差点も、今ではそれが嘘みたいに穏やかになっている。
 さいたま市のダウンタウンの1つなので、人の多さは相変わらずだが。
 大宮高島屋の前でバスを降りると、4人はまた寒風に襲われた。
 だが、あちこちで見かけるクリスマス・セールの案内を見ると、如何に平和であることが分かる。
 これだけ見れば、魔界の脅威にさらされているとは、とても思えない。

「おう、遅かったじゃねーか」
「お前が早過ぎだ!」
 駅構内の待ち合わせ場所に行くと、既にキノと江蓮が待っていた。
 キノの嘯きにツッコミを入れるのは威吹。
 この剣客達、実は漫才コンビとしてもイケるのでは?と、ユタは密かに思っている。
 意外と気が合うし、激戦で刀が折れたのも奇遇過ぎる。
「栗原さん、何かこれから大会に遠征するって感じだね」
 ユタは江蓮の恰好を見て言った。
「そう?まあ、逆にこれの方が怪しまれなくていいっしょ」
 制服姿に剣道の竹刀(木刀?)を布袋に入れて肩に担いでいる。
 まるで、これから剣道の大会に向かう女子剣道部員って感じだ。
 実際、剣道部員ではあるのだが。
 キノが稽古を付けたことにより、県内最強クラスにのし上がったことは知る人ぞ知る。
 一応、功徳として支部内で体験発表したことも。
「まあ……実際、合宿みたいなものだ」
 マリアはフッと微笑を浮かべた。
「おう、ユタ。これからは、お前の案内だ。マニアックなルートはカンベンだぜ?」
「はいよ。じゃあ、行きましょうか」

〔本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。1番線に停車中の電車は、13時14分発、快速、大船行きです。発車まで、しばらくお待ち願います〕

 京浜東北線の先頭車に乗り込んだ。
「……って、こいつで東京まで行くのかよ?」
「乗り換え無しで楽じゃないか」
 文句を言いたがるキノに、ユタは平然と答えた。
「急ぐ旅でもないのだからいいだろう」
 威吹もユタに援護した。
 ブルーの座席に座って、発車を待つ面々。

〔この電車は京浜東北線、快速、大船行きです。田端までは、各駅に止まります〕

[同日13:14.JR京浜東北線車内 上記メンバー]

 JR大宮駅・京浜東北線ホームの発車メロディは、さいたま市の市歌をアレンジしたものが流れる……というが、市民の作者をして、どの部分をアレンジしたのかは謎だ。
 恐らく、出だし部分の市民有志によるアカペラコーラスだと思われるが……。
 せっかくだから、タケカワユキヒデが歌っている部分を使えと思うのは作者だけ?

〔JR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は京浜東北線、快速、大船行きです。停車駅は田端までの各駅と、上野、秋葉原、東京、浜松町です。浜松町から先は、各駅に停車致します。次はさいたま新都心、さいたま新都心。お出口は、右側です〕

「マリアさん、手が赤いですけど、大丈夫ですか?」
 ユタは隣に座るマリアの手を見て言った。
「ああ。肌が白いものだから、寒いとすぐ赤くなるだけだ……から、心配ない」
 ユタはパッと同じ白い肌の威吹を見た。
「いや、ボクは大丈夫」
「オレもです」
 銀色の妖狐2人は、寒さくらいでは赤くならないらしい。
「そうか。じゃあ、僕が温めてあげます」
 ユタがマリアの手を握る。
 本当にヒヤッとした。
「あ……その……ありがと……」
「いえいえ」
 その様子を見ていたキノ、江蓮に、
「おい、手が冷たくなってねーか?オレが温めてやるぞ?」
 と、振るが、
「あ?何か言った?」
 スマホでゲームに夢中の江蓮、その指先は逆に熱そうだった。
「……何でもねぇっ」
「キノ、家の方は大丈夫なのか?」
 威吹はキノに苦笑しながら聞いた。
「ああ……まあ、何とかな。今は家の修復中だ。弟も妹も療養中で、戦うことしか能の無ェオレは何もできやしねぇ。肝心の刀が折れりゃ、尚更だ。それが2〜3日で直るってんなら、その話に乗らねぇ手は無ェ。だからこうしてやってきた」
「栗原さんとも一緒にいれるからね」
 ユタはニヤッと笑って言った。
「おう、さすがユタ。分かってんなー」
 手は握らせてもらえなかったキノだが、肩ポンポンはやらせてもらえたようだ。
「あの、先生……」
「何だ?」
 カンジがポーカーフェイスを崩さずに、タブレットを見ていた。
 そのタブレットの画面を威吹に見せて言う。
「相模湖周辺は、雨の予報が出ています」
「ほお……。雪の次は雨か。まあ、これから剣の林がやってくるのだ。弾の雨でなければ、どうということはない」
「はい」
 威吹は四字熟語の剣林弾雨に掛けたのだが、カンジ以外の者には分からなかったという。
 剣客のキノも知らなかった。
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恐らくは最初から無かった。

2014-12-18 18:40:54 | 日記
神戸の理研関係者、淡々と STAP細胞再現できず(神戸新聞) - goo ニュース

 再現不能な以上、多大なる非難は止むを得まい。
 ただ、本人も関係者も、対応がお粗末だったとしか言えない。
 科学研究における新発見は、かなり大きな部分が福運に左右される。
 今まで賞をもらった科学者を見て御覧なさいよ、と。
 如何にも福運に恵まれていそうな雰囲気を放っているだろう。
 対して、小保方氏らはどうだ。
 正直、あんまり生命力についても期待できなさそうだ。
 まあ、私も同じようなものなので、あえて自分のことを棚に上げさせて頂いているが。
 ダメ元な部分が大きいのだから、実は無かった、間違いですとなった時点で、素直に頭を下げればそれで済んだ話だったのだ。
 歪んだ名誉欲が先行して、自らの研究内容を振り返る態度が無かったからこそ、自殺者まで出てしまったわけだ。

 もし実現すればと残念な気はするが、はっきり言って同情する気にはなれない。

 時事ネタは意外と的確なパラパラさんは、どう思うかな?
 ボロクソに非難するのか、それとも小保方氏に同情するか二極化だろう。
 同性であっても、気に入らなければボロクソに非難するのが氏の特徴だ。

 もう既に第二部も終わった“アンドロイドマスター”の女性科学者アリスは、失敗したらとっとと次に行くタイプで、失敗に固執するタイプではない。
 アメリカ人と日本人の違いについて、描いた部分もあった。
 失敗に固執するのが日本人の悪い部分であるかもしれない。

 折伏して逆縁だったらもう放っておいて、次に行く主義だな、私は。
 1度は言いたいことを言っている(仏種が下りている)のだから、後は罰が下った時にでも気づいて連絡くれ。
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“ユタと愉快な仲間たち” 「対策会議」

2014-12-17 20:12:45 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[12月16日10:00.埼玉県さいたま市中央区 ユタの家 稲生ユウタ、威吹邪甲、威波莞爾、マリアンナ・スカーレット]

「魔界からの揺さぶりがここまでとは思わなかった」
 今はさすがに雪も止み、日が差していた。
 だが外は雪が積もっていて、まるで雪国のようだ。
 マリアは居間に集まったメンバーを見渡して言った。
「大魔王バァルが魔界に戻って来るという噂は本当ですか?」
 カンジがポーカーフェイスを崩さずに言った。
「少なくともうちの師匠はもちろん、その上の大師匠様もそのように予言されている。ほぼ間違いないだろう」
「それは何故だ?女王陛下の話では、数百年は戻って来ぬはずだろう?」
「……これはあまり口外できない話なのだが、大師匠様がバァル大帝を唆したとも聞いた」
「は!?」
「大師匠様は、イリーナ師匠が一時期宮廷魔導師を務める前に、元老院の一員だったことがある。バァル大帝からの信任も厚かったようだ」
「すると、大魔王バァルは大師匠の情報に踊らされたと気づいて、急いで戻って来たというわけですか」
「可能性はある」
「ちっ。嘘をつくなら、もっとマシな嘘をつけというものだ」
「何だと!?」
 威吹の言葉に、マリアがカチンと来た。
「私が嘘をついてるとでも言うのか!」
「はあ?いや、オレはアンタが嘘を付いているとは言っておらん。大師匠とやらが、大魔王に対してもっとマシな嘘をつけと陰口を叩いたまで。想定期間数百年に対し、数年は短い」
「まあ……それはそうだが」
 マリアは振り上げた拳を下ろした。
「それで、だ。ユウタ君から聞いたんだけど、刀が折れたそうだな?」
「ああ。それがどうした?」
「今は1人でも戦力が欲しい。うちの師匠が、お前の刀を直すそうだ」
「なにっ!?」
「それは本当ですか?」
 2人の妖狐は目を丸くした。
「それは魔法で?」
 ユタの言葉に微笑を浮かべるマリア。
「魔法なんだけど、師匠が直接ではなく、師匠の魔道師仲間で直せるのがいるらしい。それを紹介するとのことだ」
「そりゃいい話だ」
「ふーむ……」
「威吹!いいじゃないか!刀が直るんだよ!?」
「それは吝かではないのだが、法外な対価を要求されることはないだろうな?」
「普通の日本刀を直すわけではないから、それなりの対価は掛かるだろう。とはいえ、お前が用意できる金でいいそうだぞ」
「ほお……」
「今、用意できる大金はいくらだ?」
「そうよなァ……。取りあえず今現在、懐に20両はあるが……」
 威吹は着物の懐から、チラッと小判の束を見せた。
「先生、オレもカンパします!」
 人間形態のカンジは、基本的に着物ではなく、今風のシャツにジーンズだ。
 ジーンズのポケットから出した財布には、ぎっしりと札が入っていた。
(どうして妖狐族はお金持ってるんだろう???)
 ユタが常日頃から思っていること。
 妖狐を御使いとする稲荷大明神は、確かに商売繁盛の神として祀られているが……。
 但し、イリーナに言わせれば、 それは神ではなく、強欲の悪魔マモンに似た存在だという。
 強欲の悪魔も、それと契約すれば金には困らなくなるというが……。
「取りあえず、その金で交渉してみる」
「あの、マリアさん」
「なに?」
 話が終わった頃を見計らって、ユタが挙手して話に入る。
 妖狐達の前では険しい顔のマリアも、ユタの前では表情を崩す。
「地獄界の様子はどうなんですか?かなり厳しい状態だそうですが……」
「取りあえず閻魔庁が動いて、そこの直属部隊によって、叫喚地獄の方は敗北を免れた」
「おおっ!」
「だけど、その本部事務所たる蓬莱山家は半壊半焼。次男の蓬莱山鬼郎丸は重傷だ」
「キノの弟さん……」
「末娘の蓬莱山魔鬼も精神不安定により、閻魔庁にて療養中、長姉の美鬼が付き添いをしているもようだね」
「キノ本人は?」
「栗原江蓮の所で療養中」
「ウソだぁ〜」
「体のいい同棲ですな」
 妖狐族はそれぞれ好き勝手なことを言った。
「だけど、激戦を戦い抜いたのは間違いないよね。ちょっと、詳しい話を聞いてみる」
 ユタは手持ちのスマホを取り出し、江蓮のケータイに掛けた。
「あ、もしもし。栗原さん?どうも、こんにちは。稲生です」
 ユタとは気心知れた、お寺の仲間。
 そんなつもりで話していたのだが、何故かマリアが眉を潜めた。
「……いや、しばらくは勧誡できそうにない。大学を卒業したら、家を出ようかと思ってる。その時がチャンスかもね。……で、話はそういうことじゃなくて、キノのこと。……そう。大変だったねぇ……」
 ユタが多弁になるのを見て、表情を曇らせるマリア。
「まあ、そこは人間同士。気が楽になるのも無理は無い。魔女が相手では、身も構えるというものだ」
 威吹はニヤッと笑って言った。
「まあ、栗原女史には既に先約があるので、それを知らぬ稲生さんではないでしょうがね」
 と、カンジがフォローになってるんだかなってないんだかといった言葉を発した。
「……へえ、そうなんだ。激戦だったみたいだしねぇ……。あ、ちょっと待って!」
 ユタは電話から顔を離した。
「あの、キノも激戦で刀が折れちゃったみたいで……。キノの刀も直せますか?」
「頼んでみるけど……。ただ、タダではないぞ?」
「もしもし?有料だけど、直せるかもしれないって。……そう。……うん。また、詳しいことが分かったら電話するから。……え、そうなの?」
「マリアンナ師。お気づきになりませんか?」
「何がだ?」
 カンジの言葉にマリアが訝し気な顔をした。
「何故、稲生さんが親し気に会話できているのか……」
「どうせ私は魔法使いだ。ただの人間とは違う……」
「そういうことではありません。確かにあなたは、生粋の人間ではない。しかし、我々妖狐よりもずっと人間同然の姿をしています。しかし、あなたは稲生さんが自然に会話できないバリアーを作ってしまっているのですよ」
「バリアー?」
「栗原女史は稲生さんより年下です。しかし、栗原女史は年上たる稲生さんには、そんなに気を使っていません」
「そうだな。年上に対しての礼儀がなっていない」
「だが、ユタは大して気にも留めていない様子だぞ。お前が気にし過ぎなんじゃないのか?」
「そんなことは……」
「もう答えを言ってしまいますが、もしあなたが稲生さんともっと親密になりたいのなら、『年上には敬語』命令を撤廃するべきです」
「そんなことで親密になれるのか?」
「まあ、気安くはなるよな。もっとも、お前がそういう関係を望んでいるかどうかにもよるが……」

 ようやくユタの電話が終わった。
「いやあ、まさか女子高生から折伏を受けるとは思わなかったねぇ……」
 ユタは複雑な笑みを浮かべながら、頭をかいた。
「で、何だって?」
 威吹の問いに、ユタは答えた。
「是非お願いしたいって。お金はできるだけ工面するってさ」
「なるほど」
「やっぱり馴染んだ刀が1番いいから、直せるものなら直したいって」
「気持ちは分かる」
 威吹は頷いた。同じ剣客として、気持ちは分かるのだろう。
「よろしいですか、マリアさん?」
「分かった。師匠に頼んでみる」
 マリアは頷いて、ローブのポケットから眼鏡を取り出して掛けた。

 話は意外と早く進んだようである。
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