[12月19日14:00.神奈川県相模原市緑区 相模湖付近 イリーナ・レヴィア・ブリジッド]
(作詞・作曲mothy氏、クロノ・ストーリーより一部抜粋)
「退屈しのぎになるならそれも構わない」
「どうせ時間は無限にあるし」
嗤う魔道師
愛する人を失い、大事なものを壊したその果てに
与えられた悠久は 彼女にとって空虚でしかない
全てを手に入れ そして失った魔道師は
何を望む?何を求める?
時の果てに……
(歌:鏡音リン・レン、巡音ルカ)
[同日同時刻 JR東京駅 稲生ユウタ、威吹邪甲、威波莞爾、マリアンナ・スカーレット、蓬莱山鬼之助、栗原江蓮]
〔「ご乗車ありがとうございました。まもなく東京、東京です。お降りの際、お忘れ物の無いよう、ご注意ください。東京の次は、浜松町に止まります。有楽町、新橋へおいでのお客様は、山手線にお乗り換えください」〕
客扱い遅れによる数分の遅延を以って、京浜東北線快速電車は東京駅に滑り込んだ。
車内のモニタで、繰り返し東京駅開業100周年をうたう広告が流れている。
〔とうきょう、東京。ご乗車、ありがとうございます。次は、浜松町に止まります〕
ユタ達はそんな東京駅に降り立った。
「東京駅に着いたぜ。で、今度はどうするんだ?」
「中央特快に乗り換えるよ。まだ少し時間がある。トイレの無い電車だから、今のうちにどうぞ」
「あ、じゃあ、行ってくる」
江蓮が手を挙げた。
「じゃあ、私も」
マリアも同意した。
「トイレは向こうです」
女性2人がトイレに向かうのを見送ったキノは腕組みをしながら、
「何で女ってな、連れションしたがるんだ?」
と、首を傾げた。
「多分、それだけじゃないと思う」
ユタは首を傾げた。
「で、次の電車は何分だ?」
「14時29分」
「あ?だいぶあんなー」
「そうだよ」
「そうだよって……」
「東京駅の女性トイレは混んでるから、その待ち時間込み」
ユタはしたり顔で言った。
「マジかよ!」
「さすがは鉄ヲタです」
キノは驚愕し、カンジはポーカーフェイスを崩さずに称賛した。
[同日14:25.JR東京駅・中央線ホーム 上記メンバー]
〔まもなく1番線に、当駅止まりの電車が参ります。危ないですから、黄色い線までお下がりください。折り返し、14時29分発、中央特快、大月行きとなります〕
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/39/42/fd242836d1cdf107c19aeff04294b5d9_s.jpg)
(東京〜大月間で使用されるE233系中央特快。まあ、普通の通勤電車である)
電車がやってくる。
京浜東北線の色違いだ。
(E233系からE233系に乗り換えるのもオツだろう。……あまり面白味には欠けるけど)
と、ユタ。
ここまでの乗客がぞろぞろ降りて行くと、ユタ達は再び車中の人となる。
「今度は1番後ろになるのかい?」
威吹が言った。
「ああ。降りる駅は、後ろの方が楽なんだ」
「よく調べやがるなぁ。カンジに調査させてんのか?」
「オレは何もしていない」
キノの言葉に、カンジはポーカーフェイスを崩さずに首を横に振った。
〔この電車は中央線、中央特快、大月行きです。停車駅は神田、御茶ノ水、四ツ谷、新宿、中野、三鷹、国分寺、立川と、立川から先の各駅です〕
京浜東北線と違うのは、ドア横に半自動式用のドアボタンがあることだが、東京駅の折返しには使用しない。
その為、寒風が車内に入って来る。
「東京でこの寒さじゃ、現地はもっと寒いだろうなぁ……」
「また雪が降るかもね」
「マリアさんが言うと、本当に降りそうですよ」
ユタは笑みをこぼした。
[同日14:29.JR中央線・中央特快車内 上記メンバー]
京浜東北線は数分遅れだったが、中央線は時刻表通りに発車した。
〔JR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は中央線、中央特快、大月行きです。停車駅は神田、御茶ノ水、四ツ谷、新宿、中野、三鷹、国分寺、立川です。立川から先は、各駅に停車致します。次は神田、神田。お出口は、右側です。地下鉄銀座線は、お乗り換えです〕
放送だけ聞くと結構速い電車に聞こえるが、ドア上のモニタに表示される停車駅案内を見ると、立川から先が長く感じる停車駅だ。
「ところで、イリーナさんからは何か連絡は?」
「いや、無い」
ユタの質問に首を横に振るマリア。
「お前の師匠はどこへ消えたんだ?オレ達を誘うばかりで、姿を見せやしない」
威吹は眉を潜めて言った。
「師匠も忙しい時は忙しいんだ。お前達の武器を直す為に奔走しておられるのだぞ」
「……だってよ、威吹?」
「それを言われると、何も言い返せないが……。しかし、そこまでする理由ってのは……」
「!?」
突然、窓を打ち付ける激しい音。
「これは雹……いや、霰だな」
キノは窓の外を見て言った。
「霰!?この季節に!?」
「雹はともかく、霰は夏以外の季節にも降るぜ。こうしてる間にも、魔界からの揺さぶりは続く。今は1人でも多くの防衛力が欲しい。だから、刀くらい直してやんぞと。そういうことだな?」
キノはマリアを見下ろしながら言った。
「……そんなところだ」
「まあ、獄卒志望のオレには関係無ェ……と、言いたかったんだがな」
「地獄界にまで攻め込まれては、そこも危険地帯になってしまったな」
威吹が哀れむような顔をした。
「あくまでも魔王軍には与しねーが、死守の為に戦うのはしょうがねぇ……」
「それは当然だな」
威吹は大きく頷いた。
因みに、霰が降ったくらいで電車は止まらないのでご安心を。
(作詞・作曲mothy氏、クロノ・ストーリーより一部抜粋)
「退屈しのぎになるならそれも構わない」
「どうせ時間は無限にあるし」
嗤う魔道師
愛する人を失い、大事なものを壊したその果てに
与えられた悠久は 彼女にとって空虚でしかない
全てを手に入れ そして失った魔道師は
何を望む?何を求める?
時の果てに……
(歌:鏡音リン・レン、巡音ルカ)
[同日同時刻 JR東京駅 稲生ユウタ、威吹邪甲、威波莞爾、マリアンナ・スカーレット、蓬莱山鬼之助、栗原江蓮]
〔「ご乗車ありがとうございました。まもなく東京、東京です。お降りの際、お忘れ物の無いよう、ご注意ください。東京の次は、浜松町に止まります。有楽町、新橋へおいでのお客様は、山手線にお乗り換えください」〕
客扱い遅れによる数分の遅延を以って、京浜東北線快速電車は東京駅に滑り込んだ。
車内のモニタで、繰り返し東京駅開業100周年をうたう広告が流れている。
〔とうきょう、東京。ご乗車、ありがとうございます。次は、浜松町に止まります〕
ユタ達はそんな東京駅に降り立った。
「東京駅に着いたぜ。で、今度はどうするんだ?」
「中央特快に乗り換えるよ。まだ少し時間がある。トイレの無い電車だから、今のうちにどうぞ」
「あ、じゃあ、行ってくる」
江蓮が手を挙げた。
「じゃあ、私も」
マリアも同意した。
「トイレは向こうです」
女性2人がトイレに向かうのを見送ったキノは腕組みをしながら、
「何で女ってな、連れションしたがるんだ?」
と、首を傾げた。
「多分、それだけじゃないと思う」
ユタは首を傾げた。
「で、次の電車は何分だ?」
「14時29分」
「あ?だいぶあんなー」
「そうだよ」
「そうだよって……」
「東京駅の女性トイレは混んでるから、その待ち時間込み」
ユタはしたり顔で言った。
「マジかよ!」
「さすがは鉄ヲタです」
キノは驚愕し、カンジはポーカーフェイスを崩さずに称賛した。
[同日14:25.JR東京駅・中央線ホーム 上記メンバー]
〔まもなく1番線に、当駅止まりの電車が参ります。危ないですから、黄色い線までお下がりください。折り返し、14時29分発、中央特快、大月行きとなります〕
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/39/42/fd242836d1cdf107c19aeff04294b5d9_s.jpg)
(東京〜大月間で使用されるE233系中央特快。まあ、普通の通勤電車である)
電車がやってくる。
京浜東北線の色違いだ。
(E233系からE233系に乗り換えるのもオツだろう。……あまり面白味には欠けるけど)
と、ユタ。
ここまでの乗客がぞろぞろ降りて行くと、ユタ達は再び車中の人となる。
「今度は1番後ろになるのかい?」
威吹が言った。
「ああ。降りる駅は、後ろの方が楽なんだ」
「よく調べやがるなぁ。カンジに調査させてんのか?」
「オレは何もしていない」
キノの言葉に、カンジはポーカーフェイスを崩さずに首を横に振った。
〔この電車は中央線、中央特快、大月行きです。停車駅は神田、御茶ノ水、四ツ谷、新宿、中野、三鷹、国分寺、立川と、立川から先の各駅です〕
京浜東北線と違うのは、ドア横に半自動式用のドアボタンがあることだが、東京駅の折返しには使用しない。
その為、寒風が車内に入って来る。
「東京でこの寒さじゃ、現地はもっと寒いだろうなぁ……」
「また雪が降るかもね」
「マリアさんが言うと、本当に降りそうですよ」
ユタは笑みをこぼした。
[同日14:29.JR中央線・中央特快車内 上記メンバー]
京浜東北線は数分遅れだったが、中央線は時刻表通りに発車した。
〔JR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は中央線、中央特快、大月行きです。停車駅は神田、御茶ノ水、四ツ谷、新宿、中野、三鷹、国分寺、立川です。立川から先は、各駅に停車致します。次は神田、神田。お出口は、右側です。地下鉄銀座線は、お乗り換えです〕
放送だけ聞くと結構速い電車に聞こえるが、ドア上のモニタに表示される停車駅案内を見ると、立川から先が長く感じる停車駅だ。
「ところで、イリーナさんからは何か連絡は?」
「いや、無い」
ユタの質問に首を横に振るマリア。
「お前の師匠はどこへ消えたんだ?オレ達を誘うばかりで、姿を見せやしない」
威吹は眉を潜めて言った。
「師匠も忙しい時は忙しいんだ。お前達の武器を直す為に奔走しておられるのだぞ」
「……だってよ、威吹?」
「それを言われると、何も言い返せないが……。しかし、そこまでする理由ってのは……」
「!?」
突然、窓を打ち付ける激しい音。
「これは雹……いや、霰だな」
キノは窓の外を見て言った。
「霰!?この季節に!?」
「雹はともかく、霰は夏以外の季節にも降るぜ。こうしてる間にも、魔界からの揺さぶりは続く。今は1人でも多くの防衛力が欲しい。だから、刀くらい直してやんぞと。そういうことだな?」
キノはマリアを見下ろしながら言った。
「……そんなところだ」
「まあ、獄卒志望のオレには関係無ェ……と、言いたかったんだがな」
「地獄界にまで攻め込まれては、そこも危険地帯になってしまったな」
威吹が哀れむような顔をした。
「あくまでも魔王軍には与しねーが、死守の為に戦うのはしょうがねぇ……」
「それは当然だな」
威吹は大きく頷いた。
因みに、霰が降ったくらいで電車は止まらないのでご安心を。