[3月28日10:45.天候:晴 東京都八王子市石川町 中央道・石川PA]
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首都高に入ってから、およそ1時間足らずで中央自動車道の石川パーキングエリアに到着した。
ここは起点の高井戸インターから下り線に入って、最初のパーキングエリアである。
逆に上り線側から見れば、中央道最後のパーキングエリアということもあり、パーキングエリアにしては規模が大きめに造られている。
この傾向は、東北自動車道の羽生パーキングエリアでも見られる。
高橋:「はい、到着っス」
愛原:「お疲れさん」
高橋が車を止めると、私は後ろを振り向いて言った。
愛原:「それじゃ、ここで休憩だよ」
リサ:「おー、八王子ラーメン!」
愛原:「やっぱり行く気か」
まあ、どっちみち時間調整はしないといけないからな……。
私も車を降りた。
愛原:「その前にトイレだ」
上野凛:「あ、私も行きます。理子も行こう」
高橋:「俺は一服してから……」
まだお昼前ということもあり、フードコートは空いていた。
その中に八王子ラーメンを売る『麺や石川』という店があり、そこで八王子ラーメンを食べることができる。
トイレやら一服やら済ませてから向かうと、既にリサが券売機の前で待機していた。
愛原:「で、何にするんだ?」
リサ:「いえーい!先生の奢り!」
凛:「いいんですか!?」
愛原:「上京中のキミ達の面倒を見ることは、善場主任の依頼だからな」
他にも任務はあるが、今のところはそれ。
どうもデイライトは、BOWや半BOW(人間とのハーフをそう呼んでいいのか?)を中央に集約したいらしい。
東京中央学園への進学をこの姉妹に勧めたのも、それが狙いであるようだ。
もちろん、その前にリサもそうだったのだが。
凛:「御馳走様です」
理子:「ありがとうございます」
高橋:「ゴチになります!」
愛原:「いや、高橋は自分で出せよ」
高橋:「ええっ!?」
愛原:「オマエ、競馬とオートレースで給料より稼いでるんだろうが……」
高橋:「何でバレてるし!?」
愛原:「バレバレだっつーの!」
私は券売機に現金を突っ込んだ。
愛原:「何でも好きなの頼んでいいぞー」
リサ:「厚切りチャーシューましまし麺」
愛原:「いきなりヘヴィなの行くな!」
凛:「八王子ラーメンミニチャーハンセットいいですか?」
愛原:「おっ、いいぞ」
理子:「わたしも、お姉ちゃんと同じので」
愛原:「あいよ。俺は……普通のチャーシュー麺にしよう」
高橋:「じゃあ、俺も……」
ここには他にもカレーやソバもあるのだが、誰も注文しなかった。
カウンター席に横並びに座る。
天井からはテレビがぶら下がっていた。
しばらくして、自分の番号が呼ばれる。
こういうフードコートは、全てセルフサービスだ。
愛原:「リサの……凄いな」
リサ:「いただきまーす」
リサならラーメン二郎でも余裕で完食できるだろう。
ぶっちゃけ半分人間の血が入っている上野姉妹よりも成長が遅そうなリサだが、こんな小さな体のどこにそんなボリューミーなラーメンが入るのか不思議でしょうがない。
いや、そのエネルギーは変化の際に消費されることは知っているのだが、要はその前の話だ。
凛:「リサ先輩は、そういう普通の食べ物が食べれるから人食いをせずに済んでいるんですね」
愛原:「そうなのか」
凛:「人食いをする奴らは、味覚がおかしくなるんです。普通の人間の食べる物が何でも不味く感じて、受け付けなくなる。その代わり、人間の血肉が美味しく感じて仕方なくなるんだそうです」
愛原:「なるほどな」
『1番』もかつてはそうだったらしいが、それでも最終的には人間の食べ物を受け付けなくなり、人食いに至っている。
今のところリサは、普通に人間の食事ができているが……。
その為か、デイライトさんから依頼されているリサの監視内容に、食事内容も報告内容に入っているのである。
今日の昼は……八王子ラーメン厚切りチャーシュー増し増しっと。
愛原:「こりゃ美味い。また、あえて長ネギ無しの玉ねぎのみじん切り入りというのは新鮮だな」
これが八王子ラーメンの特徴。
因みに上野姉妹は食べる前に、写真を撮っていた。
まあ、これも東京都内の名物の1つか。
東京郊外はこれでいいとして、都心だと……。
荻窪にも名物ラーメンがあったような気がするのだが、そこに本部のある妙観講員の食べログを待つ。【お察しください】。
〔「ここで速報が入って来ました」〕
食べ終わってからふと上を見上げると、テレビが速報を伝え始めた。
〔「新潟県柏崎市の海岸で、不審なコンテナが流れ着いているとの通報が警察に寄せられ、駆け付けた警察官が中を確認した所、大日本製薬の元代表取締役社長の斉藤秀樹容疑者を発見しました」〕
愛原:「ぶっ!」
高橋:「ファッ?!」
リサ:「んん?!」
凛:「はい?」
理子:「?」
〔「発見当時、斉藤容疑者は意識不明の状態であった為、駆け付けた警察官は消防へ通報、市内の病院に搬送されました。容体については意識不明ということ以外には、まだ不明です。尚、斉藤容疑者が入っていたコンテナにはハングル文字が書かれており、このコンテナが韓国または北朝鮮から流れて来たものと見て、調べを進めています」〕
愛原:「日本海の警備ってザルか?」
高橋:「今でも北朝鮮の工作員が上陸しようと思えばできるらしいっスからねぇ……」
愛原:「ああ、そうか。オマエは新潟出身なんだったな」
“青いアンブレラ”って、北朝鮮にも顔が利くのか?
高橋:「アネゴから連絡は?」
愛原:「いや、無い。何だ?斉藤元社長は、“青いアンブレラ”からも見捨てられたのか?」
私は後で善場主任に連絡しようと思った。
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首都高に入ってから、およそ1時間足らずで中央自動車道の石川パーキングエリアに到着した。
ここは起点の高井戸インターから下り線に入って、最初のパーキングエリアである。
逆に上り線側から見れば、中央道最後のパーキングエリアということもあり、パーキングエリアにしては規模が大きめに造られている。
この傾向は、東北自動車道の羽生パーキングエリアでも見られる。
高橋:「はい、到着っス」
愛原:「お疲れさん」
高橋が車を止めると、私は後ろを振り向いて言った。
愛原:「それじゃ、ここで休憩だよ」
リサ:「おー、八王子ラーメン!」
愛原:「やっぱり行く気か」
まあ、どっちみち時間調整はしないといけないからな……。
私も車を降りた。
愛原:「その前にトイレだ」
上野凛:「あ、私も行きます。理子も行こう」
高橋:「俺は一服してから……」
まだお昼前ということもあり、フードコートは空いていた。
その中に八王子ラーメンを売る『麺や石川』という店があり、そこで八王子ラーメンを食べることができる。
トイレやら一服やら済ませてから向かうと、既にリサが券売機の前で待機していた。
愛原:「で、何にするんだ?」
リサ:「いえーい!先生の奢り!」
凛:「いいんですか!?」
愛原:「上京中のキミ達の面倒を見ることは、善場主任の依頼だからな」
他にも任務はあるが、今のところはそれ。
どうもデイライトは、BOWや半BOW(人間とのハーフをそう呼んでいいのか?)を中央に集約したいらしい。
東京中央学園への進学をこの姉妹に勧めたのも、それが狙いであるようだ。
もちろん、その前にリサもそうだったのだが。
凛:「御馳走様です」
理子:「ありがとうございます」
高橋:「ゴチになります!」
愛原:「いや、高橋は自分で出せよ」
高橋:「ええっ!?」
愛原:「オマエ、競馬とオートレースで給料より稼いでるんだろうが……」
高橋:「何でバレてるし!?」
愛原:「バレバレだっつーの!」
私は券売機に現金を突っ込んだ。
愛原:「何でも好きなの頼んでいいぞー」
リサ:「厚切りチャーシューましまし麺」
愛原:「いきなりヘヴィなの行くな!」
凛:「八王子ラーメンミニチャーハンセットいいですか?」
愛原:「おっ、いいぞ」
理子:「わたしも、お姉ちゃんと同じので」
愛原:「あいよ。俺は……普通のチャーシュー麺にしよう」
高橋:「じゃあ、俺も……」
ここには他にもカレーやソバもあるのだが、誰も注文しなかった。
カウンター席に横並びに座る。
天井からはテレビがぶら下がっていた。
しばらくして、自分の番号が呼ばれる。
こういうフードコートは、全てセルフサービスだ。
愛原:「リサの……凄いな」
リサ:「いただきまーす」
リサならラーメン二郎でも余裕で完食できるだろう。
ぶっちゃけ半分人間の血が入っている上野姉妹よりも成長が遅そうなリサだが、こんな小さな体のどこにそんなボリューミーなラーメンが入るのか不思議でしょうがない。
いや、そのエネルギーは変化の際に消費されることは知っているのだが、要はその前の話だ。
凛:「リサ先輩は、そういう普通の食べ物が食べれるから人食いをせずに済んでいるんですね」
愛原:「そうなのか」
凛:「人食いをする奴らは、味覚がおかしくなるんです。普通の人間の食べる物が何でも不味く感じて、受け付けなくなる。その代わり、人間の血肉が美味しく感じて仕方なくなるんだそうです」
愛原:「なるほどな」
『1番』もかつてはそうだったらしいが、それでも最終的には人間の食べ物を受け付けなくなり、人食いに至っている。
今のところリサは、普通に人間の食事ができているが……。
その為か、デイライトさんから依頼されているリサの監視内容に、食事内容も報告内容に入っているのである。
今日の昼は……八王子ラーメン厚切りチャーシュー増し増しっと。
愛原:「こりゃ美味い。また、あえて長ネギ無しの玉ねぎのみじん切り入りというのは新鮮だな」
これが八王子ラーメンの特徴。
因みに上野姉妹は食べる前に、写真を撮っていた。
まあ、これも東京都内の名物の1つか。
東京郊外はこれでいいとして、都心だと……。
荻窪にも名物ラーメンがあったような気がするのだが、
〔「ここで速報が入って来ました」〕
食べ終わってからふと上を見上げると、テレビが速報を伝え始めた。
〔「新潟県柏崎市の海岸で、不審なコンテナが流れ着いているとの通報が警察に寄せられ、駆け付けた警察官が中を確認した所、大日本製薬の元代表取締役社長の斉藤秀樹容疑者を発見しました」〕
愛原:「ぶっ!」
高橋:「ファッ?!」
リサ:「んん?!」
凛:「はい?」
理子:「?」
〔「発見当時、斉藤容疑者は意識不明の状態であった為、駆け付けた警察官は消防へ通報、市内の病院に搬送されました。容体については意識不明ということ以外には、まだ不明です。尚、斉藤容疑者が入っていたコンテナにはハングル文字が書かれており、このコンテナが韓国または北朝鮮から流れて来たものと見て、調べを進めています」〕
愛原:「日本海の警備ってザルか?」
高橋:「今でも北朝鮮の工作員が上陸しようと思えばできるらしいっスからねぇ……」
愛原:「ああ、そうか。オマエは新潟出身なんだったな」
“青いアンブレラ”って、北朝鮮にも顔が利くのか?
高橋:「アネゴから連絡は?」
愛原:「いや、無い。何だ?斉藤元社長は、“青いアンブレラ”からも見捨てられたのか?」
私は後で善場主任に連絡しようと思った。