伊藤とし子のひとりごと

佐倉市議会議員4期目
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「日々の一滴」あっけなく現れた”本丸”(フクイチ)生活と自治7月号から

2013-07-14 09:53:25 | 原発問題
「生活と自治」7月号から
裏表紙に藤原新也さんの「日々の一滴」という連載がある。
この写真はスゴイ。”百聞は一見に如かず”。
汚染水問題の深刻さ、杜撰なチェック体制がこの写真には凝縮されている。

というわけで、記事を転載します。



「あっけなく現れた”本丸”」******************

 昨今は報道が目的であっても、福島県浪江町など帰還困難区域への入域許可が下りにくくなっている。
表向きには盗難などの警備上の問題もあってのことと聞くが、原発問題から国民の目をそらせる何らかの力学が働いていると感じざるを得ない。
 
 そんな中、この5月の半ば、あるルートの力添えを得て浪江町と双葉町に入ることができた。
低い所での空間線量は毎時4~5マイクロシーベルト。
線量が高いと言われる赤宇木では雑木林の中の地面線量は計測限界毎時100マイクロシーベルトの線量計が振り切れた。
それは予測の範囲内だったが、今回の取材には”誤算”があった。

 双葉町に入り、例の「原子力明るい未来のエネルギー」という横断看板をくぐり、せっかくここまで来たのなら、できるだけ原発に近づいてみようと車を走らせ、遠く小山の向こうに建屋の煙突の見えるところまで行った。
その方向を目指して道路を紆余曲折し、しばらく走るとどこか映像で見たことのあるような無機質な建物が左手に現れた。

 免振重要棟に似た建物だった。
 あっけにとられた。
あまりに原発が間近だったからだ。
と思いながらさらに道なりに車を走らせると目の前にとつぜん3つのカーブを描いた白い屋根が現れ、その前に遮蔽格子盾が幾つも置かれ緊張が漲っている。
再びあっけにとられた。
とつぜん原発のゲートが現れたのだ。

 車を降りると9名の警備員がこちらを注視し、幾人かが大声を上げながら両手をバッテン印を作り、息きせ切ってこちらに走ってくる。
スタッフのカメラのデータは消されたが、手のひらに入るカメラで撮った私のデータは温存された。
写真を見て驚いたのは建屋から約1キロ離れたゲート間近まで汚染水貯蔵タンクが押し寄せていることだ。
それ以上に驚いたのはあまりにもあっけなく原発ゲート前に侵入できたことである。
警備員があれだけ興奮するほどの警戒態勢でありながら、その前にチェックポイントがひとつもないずさんさは、ゲート内で何が起きているかを想像させてあまりある出来事だった。

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私たちが女川原発を視察に訪れた時も、矛盾を感じたものだった。
何重ものチェックでダメ出しが出された。
にもかかわらず、自分たちのHPには航空写真を載せている。

ずさんな管理と権威主義。
そして都合の悪いことから目をそらさせようという体質が問題なのではないだろうか。


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