伊藤とし子のひとりごと

佐倉市議会議員4期目
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福島原発震災情報連絡センター@いわき 原発労働者の実態から

2014-05-02 21:01:16 | 原発問題
4月26日 福島原発震災情報連絡センターではいわき市から楢葉町、富岡町ツアーのバスの中で
「原発・除染労働の実態について」全国一般いわき自由労働組合の桂書記長から話を聞いた。

なかなか報道されない原発作業員の置かれている実態だが、過酷なものだった。
ソ連のリクビタートルは原発事故収束を行った功績で、年金が付き、医療も保障された。
リクビタートルはソ連崩壊で、医療費の保障が少なくなっていると問題になっているが、日本の原発作業員の置かれている状況と比べると、あまりの格差に驚くばかり。

原発事故直後、港湾労働者は8月に港が復興するまで2か月間、フクイチの収束作業についていた。
港に戻ってきたが、ホールボディカウンターで400ミリシーベルトの被ばくをしていた
東電は当初250ミリシーベルトを超えていないと発表したが、下請け労働者は被ばくをしていた。
当時の管理が本当にでたらめだった。

いわき自由労働組合は避難民の仮設住宅を中心に、労働相談も入れて相談を受けてきた。

除染や収束作業を行うための除染労働環境について、
環境省は公務員と同じよう勤務手当1万円を出しているが、作業員は受け取っていなかった。

多重構造になっているので、分からないようになっている。、
雇い主が7次、8次であっても、3次下請けに直接雇われていることにする偽造の契約書を作っている。
下請け、孫請け、ひ孫請け、とどんどん間に入るとそれぞれがピンハネするわけだから、労働者に渡る賃金はわずかなものになってしまう。
しかし、裁判所はたとえ偽造雇用契約書であっても、印鑑が押されている雇用者が雇い主であると認定するはずだ。

例1
5次下請けの社長に中古車購入を強要され、退職を余儀なくされる。
退職後、賃金の未払い分を止められる。
組合に加入し、残業代、交通費未払い分、雇用保険は上位会社名義で加入していたので会社都合の離職票の発行を求めて交渉中。

この例は、雇用された当初、宿舎に集められたが 農家の廃屋だった。
次の宿舎は、いわきの里鬼ヶ城鬼というキャンプ場のバンガローだった
冬の真っ最中なので大変寒かった
元請からは一日400円が食事代としての契約だったが、実際にはまかないのおばさんは朝晩一日100円でやるように指示されていたため、野菜の煮たものだけだった。

例2
交通事故
通勤途上なので労災のはずだが、多重構造なのをゼネコンの本体に知られたくないため、請負構造を隠すために労災隠しを行った

ヤクザがどんな風に労働者を集めてどう扱ったか。
例3
ヤクザはインターネットで、借金漬け 訳ありを集める。
雇ってからは、仕事をさせず、会社に借金をさせる。
高い利子をつけて天引きをする。
日給2千円で働いている状況で、1万円はやくざに食われている。
生活保護と同じやり方。
労働基準監督署も巻き込んでヤクザは逃げてしまい、未払い賃金は上の会社が支払った。
ヤクザが労働基準監督署へ住所を教えろと言いに行き、本人は怖がってこちらにも連絡を取らなくなった。

同じ会社にずっと雇われている作業員はいない。
業者間で人が動くと、前の会社がやくざなら他の会社は雇わない。
ヤクザの会社と関わりがあると、採用拒否される。
誰でもOKというのはヤクザだけ。

例4
フクイチの溶接工
高濃度汚染現場は総労働時間が10時間を超えてはいけないが、長時間の労働を強いられている。
トイレに行く場合はタイベックという作業服をその度に脱ぎ捨てることになっているが、タイベックが足りなくなっている。
また、管理棟にバスで戻り脱いでトイレをすることになるが、30~40分かかるので、
「尿をするためにトイレに行くな」と言われることになった。
そんな訳で、
高濃度放射能汚染水問題があっても、β線の影響は短い距離なので、肌を露出して現場ですませているという。
被ばくが嫌な人は、そのまま垂れ流ししている。
不衛生なこと極まりないし、非人道的な指示を出している。
ガラスバッチは赤く点滅しても、そのまま放置されている。

復興作業の加速化が叫ばれ、1週間にタンク1個が2個になり、3個とノルマを3倍まで増やしたため長時間労働と不衛生な指示、被ばく線量の増大の結果を招いている。

東京新聞の記事などで取り上げられたため、長時間労働は改善されてきているというが、トイレの問題はどうなっているのか。
建設業の係争がそのままフクイチの収束作業に現れている。
ぜひ、公契約条例を各自治体で取り入れてほしい。
それがフクイチにも影響する、と言っていた。


作業員の割合は現在、地元の割合が増えてきているが、当初は東北の出稼ぎ労働者が多かった。

例1は、最初、沖縄 北海道などよそから来た人が多かった。

現在は福島第一、第二原発では5割が浜通りの出身者で、5200人が作業している。

内部被ばく線量はCPS1500を超えると危険ということで、東電の管理基準になっているが、
福島第一原発で10年働いてきた人が700CPSだったのに、
除染を1年半従事した作業員は1480CPSにもなっていた。
除染活動の方が3倍リスクが大きいということだ。

現在、若い男性から年配の人まで、フクイチでは作業しているが、驚くことに若い女性も結構いるということだ。
放射線の安全教育を一人8千円で行うことになっているが、実際は抜粋をコピーして渡し、「安全だ」という教育をしている。

ソ連では、これから妊娠する可能性のある女性は放射線管理区域には立ち入らせなかったが、日本ではそんなこと一切お構いなしのようだ。





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