とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

MITメディアラボから地球の未来が見えてくる

2012-12-08 18:15:13 | サイエンス
12月6日の地球イチバンというNHKの番組をたまたま見てしまった。この日は、地球でイチバン未来が見える研究所~徹底潜入・MITメディアラボ~という内容だった。MIT メディアラボ(MIT Media Lab)とは、米国マサチューセッツ工科大学建築・計画スクール内に設置された研究所である。

MITといえば、QS 世界大学ランキングの2012-2013年版で初の1位を獲得した大学である。このランキングを決める基準は研究者からの評価/教員一人当たりの論文引用数/留学生比率/教員一人当たりの論文引用数 などを総合的に評価したものだという。今まで2位・3位にとどまっていたMITが何故1位に輝いたのか?という理由には論文引用数や学生一人当たりの教員比率が飛躍的に伸びた事にあると分析されている。また、このランキングのベスト10は全てイギリス、アメリカの大学で占められている。日本では、東大がやっと30位に入っているのが最高である。

まさに、世界一と言われるMITのメディアラボでは、「コンピューターと人間との融合」をテーマに、世界十数か国から最高の頭脳を集め、電子書籍など、世界中で使われるようになったデジタル技術を次々と開発してきたという。“世界を変える”最先端の技術とアイディアはどうやって生み出されるのかという疑問を、この番組で解き明かしてくれた。

メディアラボの精神は「Anti Disciplinary」(=専門分野に縛られるな)だという。この研究所に招致された研究者はまず自分の今まで研究したものを全て捨てることを要求されるそうだ。研究者というと、自分の殻に閉じこもり他の者を寄せ付けないようなイメージがあるが、ここではそういったものを全て取り去り、新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革を要求されている。いわゆるイノベーション(innovation)と呼ばれる変化を起こす技術が研究されているのである。

メディアラボでの研究の一例を挙げると、撮影技術の研究、携帯電話の新技術の研究、ロボットの研究、ハイテク都市研究、幼稚園研究、オペラ研究、遺伝子や神経の研究などがあり、「世界を変える」ようなアイデアがあれば、新しい分野を作ってもよく「マジック」なんていう研究分野も検討されているそうだ。番組では、手のひらを広げると番号が出てきて、そこを押すと電話が出来るとか、相手を見ると、相手のプロフィールが体に投影されるという技術、卓球台表面に鯉が泳ぐ映像が投影され、玉の落下する場所に鯉が集まるという技術、過去に弾いたピアノ演奏を100%再現する技術等、一見役に立ちそうもない技術だが、発想を変えれば凄い技術に繋がりそうなものが幾つか紹介されていた。また、100ドルでパソコンを作り途上国の子供たちに配布しているという話もあった。こんな格安で、インターネットやメールが出来るパソコンが普及したら、まさしく地球全体のイノベーションに繋がるだろう。

MITメディアラボでは、研究室の壁が、全てガラス張りで中の研究者の行動は逐一分かるようになっている。チップをはめ込んだカードを研究者が携帯しているので、どこにいるかも全てわかるらしい(ちょっと、あまり分かりすぎるのも困りそうだが…)。また、落書きがいたるところで許されており、ちょっとした思い付きをボードに落書きすると、他の研究者が書き加えることができる。こんなアナログ的な使い方が最新のテクノジーの開発には重要なのである。そして、現在の所長は、日本人の伊藤穰一さんが選出されている。数少ない日本人のなかから所長が日本人というのも凄い。この人は、大学中退でありながら、国際社会で顕著な活動を行い世界で『日本』の発信に貢献した業績をもとに、内閣府から世界で活躍し『日本』を発信する日本人の一人に選ばれたという経歴を持っている。多彩な職歴をもち、様々な分野の研家者と研究者を繋ぐ役割を期待されての抜擢だという。この人は研究者ではないが、幅広い人脈を持ち、「自分ができるよりも、できる人を知っていることに価値がある」という。今の時代は、こういった能力が重要かもしれない。

この記事を書く前に、日本の清涼飲料水メーカーが、昼間の冷却用の電力使用をゼロにできる自動販売機「ピークシフト自販機」を開発し、日中の消費電力は従来比95%削減になるというニュースを聞いていたのだが、改めてMITメディアラボの研究と日本の技術の違いをまざまざと感じた。日本の技術は、世界に誇れるものがいろいろあるが、基本的には既存技術を飛躍的に改善したものが多い。まさに「カイゼン」は日本の得意とするところだが、0から創造という技術はあまりないような気がする。日本でも、様々な分野の研究者、技術者をうまく結びつけてイノベーションを起こすようなことを行なって欲しいと番組を見て強く感じたのである。

東京の夜景が綺麗すぎる

2012-11-19 19:05:03 | サイエンス
今日、午前11時前に国際宇宙ステーションに滞在していた日本人宇宙飛行士の星出彰彦さんが、ロシアの宇宙船「ソユーズ」で地球に帰還した。およそ4ヶ月という宇宙ステーションの長期滞在中、船外活動は日本人最長の計21時間23分だったといい、米露に次ぐ世界3位の船外活動になったそうだ。本当にお疲れ様でしたと申し上げたい。

さて、帰還前にツイッターで星出さんが撮影した宇宙ステーションから見た地球の画像が何枚も公開されているが、なかでも特に凄い写真がある。それは、東京の夜景である。まるで、生物の血管や神経組織、蜘蛛の糸のようにも見える。何枚も宇宙からみた美しい地球の写真があったが、東京の夜景はいままで見た事もないほど綺麗だ。まさに、今も休みなくずっと活動している東京の姿を宇宙から捉えたものとして注目すべき写真だった。


「スピーチ・ジャマー」体験できる簡易ソフトが無料公開

2012-09-26 21:52:54 | サイエンス
ユーモアあふれる科学研究などに贈られるイグ・ノーベル賞の音響賞に、
日本人科学者の発明した「スピーチ・ジャマー」が受賞したことを、先日ブログに書いた。
スピーチ・ジャマーとは、産総研の栗原一貴研究員(34)と科学技術振興機構の
塚田浩二さきがけ研究員(35)が開発した話し相手の過度のおしゃべりを阻む装置である。
おもしろい発明だと感心していたのだが、先ごろ栗原一貴研究員が所属する産業技術総合研究所のHPで
「スピーチ・ジャマー」を体験できる簡易ソフトが無料公開されたそうだ。

「体験版」ソフトは、下記のサイトからダウンロードできる。

SpeechJammerLite
https://sites.google.com/site/qurihara/home/speechjammer/lt

さっそく体験してみたくてHPからソフトをダウンロードしてみた。
ただ、使うにはマイク付きの無線ヘッドホンが必要らしい。
手元にあったのは、イヤホンと有線のマイクだったので残念ながらうまく動作しなかった。
正常に動作する場合は、発声すると自分の声が0.2秒遅れて耳に届き、脳が混乱して話しにくくなるらしい。
誰か、試しにやって感想を教えて欲しいものだ。



今夜、ペルセウス座流星群がピーク

2012-08-12 19:56:06 | サイエンス


今夜から13日未明にかけて、しぶんぎ座(1月)、ふたご座(12月)と並ぶ「3大流星群」の一つ「ペルセウス座流星群」が、出現のピークになるそうだ。10日から14日ごろまで観測できるというので、夏休みの人は夜更かししても大丈夫だろう。

方向は、北東方向のカシオペア座とペルセウス座の間に位置する放射点から飛び出すように星が流れる。周囲が暗く好条件の場所なら、1時間に20個以上の観測も可能であり、月のない方向を見れば観測しやすいそうだ。

また、14日未明には、金星の手前を月が横切って隠す珍しい現象「金星食」が起きる。石垣島(沖縄県)を除く日本の大部分で観測可能だというが、立派な望遠鏡がないと見ることはできない。ちかくに天文台があれば、きっと観測イベントが開催されているにちがいない。

ヒッグス粒子発見はノーベル賞もの

2012-07-05 20:00:37 | サイエンス
昨日は、久々にサイエンス系のニュースがトップニュースとしてテレビや新聞を賑わした。そのニュースとは、欧州合同原子核研究所(CERN)が4日、ヒッグス粒子とみられる新粒子を発見したと発表したことである。ヒッグス粒子とは、素粒子物理学の基礎となる「標準理論」で考えられた17種類の素粒子のうちの最後の1つとされ、今までは理論的にあると考えられていただけで、その存在は確認されていなかった物質である。

物質を細かく分けて行った時、かつては原子「アトム」が究極の物質と考えていた。だが原子は原子核と電子で構成され、されに原子核は陽子と中性子に分けられることがわかった。そして、さらに細かく分けることが出来ることがわかり、それが究極の物質となる素粒子である。その素粒子の中でも、最後まで存在が確認できなかったものがヒッグス粒子であり、その発見はまさにノーベル賞ものだという。ヒッグス粒子という名前は、その存在を提唱したヒッグス博士に由来する。

さて、ヒッグス粒子とは一体なんだろう。サイエンス系の雑誌で、その名前は聞いたことがあったが、あんまり良くわかっていなかった。今回の報道で、その重要性や性質が細かく報道され、新聞を読んだり、テレビの解説を見てしっかり勉強できた。それらの解説によれば、一般の素粒子は、ビッグバンで宇宙空間に誕生した時、何の抵抗を受けることもなく真空中を自由に運動していた。その時点では質量がなかったのである。しかし、その後真空の相転移が起こり、真空がヒッグス粒子の場で満たされてしまう。その時点で、自由に飛び交っていた素粒子がヒッグス粒子にくっつき質量を得ることとなり、様々な物質の誕生に繋がったというのである。

「神の粒子」と呼ばれるヒッグス粒子の存在は、この宇宙の物質が質量を持つ理由、ひいては銀河、惑星、そして人間が存在し得る理由を説明し、それによって物理学の「標準理論」の最後のピースを埋めることになるかもしれないというわけである。まさに、そんな究極の物質を発見したとあっては、物理学者たちは感動ものであろう。ただ、この発見がただちに人類の役に立つような発明や発見に結びつくものではない。宇宙の誕生に迫る一つの足がかりになっただけであり、さらに未知の発見に繋がっていくのかもしれない。科学っていうのは人間のあくなき好奇心によって何処までも限りなく先に進んでいくのだろう。それを思うと、とっても夢があるニュースであった。

「金星の太陽面通過」撮影成功!!

2012-06-06 19:25:24 | サイエンス


今日の天気は、朝から曇り空で太陽は多分見えないだろうと半ばあきらめていた。
それでも、念のためカメラとフィルター、三脚を持って仕事に出かけていた。
すると、10時過ぎくらいから西の空が晴れてきた。
まだ、太陽は雲の中だったが、この分ではもう少し経てば雲が切れるはずだと期待して待った。

やがて、雲の切れ間から輝く太陽が顔を出してきた。
やった!これで観測できそうだと仕事を片付け、いい場所を探してカメラをセットする。
最初の何枚かは、うまく撮れず金星の黒い影がはっきりしなかった。
これは、ダメかなと思ったが、念のためカメラの感度を落としたり、シャッター速度や露出等の設定をいろいろ変えてみた。
そして、いろいろやって最後に確認したら、丸い太陽の上の方に小さな黒点がしっかり写っていた。
やった!!ついに撮影成功である。

わざわざ、フィルターを作って準備した甲斐があった。
午後1時には、太陽が雲の中に入ってしまい、見えなくなってしまった。
本当にいいタイミングで観測できてよかった。
今年は、「金環日食」と「金星の太陽面通過」という二つの珍しい天体ショーを見ることができ、記憶に残る年となった。

6月6日は「金星の太陽面通過」

2012-05-24 21:40:12 | サイエンス
先日の金環日食は、けっこう多くの人が見たようで大いに盛り上がった。
そして、続けてだが6月6日には、「金星の太陽面通過」という現象が見られるそうだ。
金星の太陽面経過とは、太陽の上を金星の丸い影が動いていく現象で、
地球-金星-太陽が一直線に並び、金星が太陽の手前を通過するために起きる。
地球からの距離が月よりも金星が遠いため、太陽には小さな丸となって見える。
時間は午前7時過ぎから、午後2時前くらいの間で太陽上を移動する。

この現象は、金環日食よりもレアな現象で、今、世界に生きている人々にとって、おそらく人生最後のチャンスだという。
次回は105年後の2117年12月11日まで起こらないということだ。
先日の日食観測グラスがそのまま使えるので、購入した人はまだ捨てないで「金星の太陽面通過」を観測して欲しい。
私も、この日は、しっかり準備して観測写真を撮りたいものだ。

因みに、2004年6月8日にあった「金星の太陽面通過」の様子は、こんな感じだったそうだ。


(国立天文台のHPより)

金環日食に感動する!

2012-05-22 22:47:52 | サイエンス
八ヶ岳野辺山高原ウルトラマラソンの翌朝は、金環日食の日であった。
早くから、新聞やテレビで予告されていたこともあって日食観測用グラスをしっかり用意して民宿に泊まっていた。
マラソンを完走できたこともあって、翌朝は早々と目が覚めた。
嬉しいことに、カーテンを開けると太陽が眩しく輝いていた。
天気予報では、曇りで晴れ間が見えるかどうかはっきりしない様子だったが、
うまい具合に外れて、絶好の観測日和となっていたのだ。

早速、観測グラスで太陽を観測してみると、朝6時半くらいから太陽の上部が僅かに欠け始めていた。
民宿の窓から見えるのだが、やはり外に出てしっかり見てみたくなり、
仲間達と連れ立って、周囲を散歩しながらリング状になるまで待つことにした。
結局、民宿近くの松原湖(長野県小海町)のほとりで観測することになった。

観測グラスで見ると、欠けていく様子が実に良くわかる。
結局、民宿に泊まった仲間全員が松原湖に集まってきた。
みんなでワーワー言いながら、太陽を眺めている様は面白い。
これほど、同じ目的で大勢の人間が行動するのはめったにないことである。

やがて、7時30分を少し過ぎた頃、太陽の中にすっぽり月が入り、金色のリングが出来上がっていた。
全員が歓声を上げる。
こんな天体ショーを見たのは生まれて初めてのことだ。
広範囲で金環日食が見られるのは実に912年ぶりというから、ほとんどの人が初めて見る光景だったに違いない。
完全な金環状態は僅かな時間であったが、しっかり目に焼き付けることが出来た。
ただ、コンパクトデジカメはうまく撮影する事が出来ず、まともに撮れた写真が一枚もない。
三脚、一眼レフ、専用フィルターなど、しっかり用意しておくべきだった。
まあ、新聞やテレビではプロの撮った写真が公開されているので、それで充分だ。

金環日食を見ていて、一つ気付いたことは、気温がかなり低下していたことだ。
やはり、太陽の光は温かい。
月の影で光が遮られ、地球に降り注ぐ熱も低下していたことが良くわかった。
太陽の恵みが如何に大きいことも、改めて体感出来た気がする。

さて、次の金環日食は、北海道で2030年6月1日、中部地方で2041年10月25日に観測できるという。
長生きしてれば、もう一度見られるかな。

LED照明の次に来るのは有機EL照明

2012-03-29 21:58:32 | サイエンス
最近は、省エネと長寿命ということでLED照明が急速に普及してきた。我が家でも、数年前に白熱球を蛍光管タイプに全部買えた。そして、最近は安くなってきたLED照明に少しずつ変えつつある。まだ、全ての照明をLED照明に変えてはいないが、いずれ居間や和室の照明もLEDに変えたいと思っていた。

そんな矢先だが、LEDに続く高効率照明として期待されているものに「有機EL照明」があるそうだ。基板上に成形した有機物の層において電子と正孔が結合することで発光するという原理だ。ELとは、エレクトロ・ルミネセンス(Electroluminescence)の略で電界発光のことだ。有機ELデバイスは、電流を流すと、有機材料自身が発光(自発光)するデバイスのことである。自発光のため、薄いデバイスが作製でき、また発光材料が有機物であるため、プラスチックや紙などの曲げられる素材の上に載せる事ができるため、面状に発光する(面発光)という特長がある。

有機ELは今のところ携帯電話やテレビのディスプレイが主として利用されているが、照明用としても期待されており、商品として普及する日が近いといわれている。将来的には天井全体や壁全体が柔らかい光を発しているような理想的な明かりが実現できるといわれており、新しいコンセプトの生活照明の実現など、夢に描いたような革新的な発明になるかもしれない。

金星、月、木星が一直線に。

2012-03-26 19:15:35 | サイエンス


先ほど、西の空を見たら上から金星、月、木星が一直線に並んでいた。
少し、ブレてしまったが、一直線になっているのがわかる。
今夜の天気はよく、絶好の観測日和である。
天文台の予測どおり、見事な天体ショーを見ることができた。