早朝、小屋の窓から外を見ると、数人の登山者が山に入って行ったのが見えた。6:00。大日杉小屋を出発する。

登山道に入ってすぐ、大日杉という大きな杉の木がかつてはあったらしいが、今はその切株跡しか残っていない。奥深い山の雰囲気を感じながら、しばらく登っていくと、突然鎖場が現れた。

飯豊山は、どこのコースから登っても厳しいと聞いていたが、大日杉登山コースも半端じゃなかった。どのコースも距離が長く、登山口から山頂までの標高差は約1,500mもあり上級者向けの山である。

鎖場を登り切ったところの看板を見ると、“ざんげ坂”と書いてあった。標高差300mを一気に登ってきたわけだ。食料や寝袋を詰め込んだリュックがいつもに増して重たいから、急坂は応える。あまりにもキツイ坂だから神様にざんげして楽にして欲しいという気にさせられる場所なのだろうか。

ざんげ坂からさらに1時間ほど登っていくと、木立の隙間から雲海に浮かぶ山々が見えてきた。やっと雲の上に出てきたわけだ。

そしてさらに1時間ほど歩くと、まだら模様に残った雪渓を被った飯豊山が見えてきた。

登山道の湿った片隅には、ギンリョウソウが咲き出していた。ギンリョウソウは、葉緑素を欠いているため、大部分が白色で、菌類から栄養を得ているという。特に光を必要としないため、暗い森の中でよく見る植物だ。

回りの景色が良く見えるようになってきたので、気分的に楽になってきた。

そして、登山道の脇には、可憐な花が見られるようになってきた。

ピンクの花は、東北地方の一部の山域でしか咲いていないというヒメサユリだ。この花を最初に見ることが出来て、やはり、飯豊山は花の百名山でもあるのだと改めて思い知った。

8:52。地蔵岳1539mに到着する。地蔵岳は、大日杉小屋からの登山道にあり、飯豊山を展望する山として知られている。

地蔵岳山頂から少し上がった展望がいい場所から飯豊山を臨む。

草原の中には、いたるところでニッコウキスゲが見られるようになってきた。

花の百名山と言われるだけあって、いろんな花が見られるようになってきた。ピンクの花は、クルマバナだろうか。

もう終わりかけのハクサンチドリ。

タコが口を広げたようなヨウラクツツジ。

11:40。御坪と呼ばれる場所に到着する。小さな社の前には、賽銭が供えられており、信仰の場所なのだろう。

雪渓が間近に見られるようになってきた。前の方には小屋が見える。この日の宿となる切合小屋のようだ。

雪渓の雪が溶けだし、沢となって流れ落ちている。

沢水は豊富で、触ってみると冷たい。

雪渓が近いこともあり、雪解けを待って咲き出した可憐な花々が至る所で見られる。岩場に多く生え、葉に光沢があることから「鏡」に見立てたイワカガミ。

高い山では必ず見かけ、大群落を作るチングルマ。

日本海側の高山帯(白山から飯豊山にかけて)に分布し、雪渓周辺や湿地帯などの湿った場所に群生するハクサンコザクラ。

いよいよ最後の上りだが、切合小屋まで行く登山道が雪渓に埋もれているので、雪渓を避け、踏み跡を探しながら登っていく。


13:17。切合小屋に到着する。計画では14時くらいの到着予定だったが、思ったより早く着いてしまった。

大分時間があり、寒くもないので小屋の前の休憩スペースでこの日の反省会だ。小屋で買った高額のビールを大事に飲み干す。

切合小屋は、飯豊山の中では唯一、食事が出る小屋だ。17時の夕食のカレーをお代わりまでして、たらふく食べたあと、しばらく横になっていると、夕焼けが見えるという声を聞き、いそいで小屋の外に出てみる。なんと、飯豊山の最高峰である大日岳や尾西岳が赤く染まっているのが見える。神秘的な風景だった。

小屋に戻ると、もうやることはない。明かりもなく、明日の山行に備えて早めに眠りについた。翌日は、今回のメインである縦走ルートの山行だ。
参考1.2日目のコースマップ

参考2.2日目の高低図&コースタイム

「2020飯豊山縦走登山:3日目切合小屋~飯豊本山~烏帽子岳~梅花皮小屋」に続く。

登山道に入ってすぐ、大日杉という大きな杉の木がかつてはあったらしいが、今はその切株跡しか残っていない。奥深い山の雰囲気を感じながら、しばらく登っていくと、突然鎖場が現れた。

飯豊山は、どこのコースから登っても厳しいと聞いていたが、大日杉登山コースも半端じゃなかった。どのコースも距離が長く、登山口から山頂までの標高差は約1,500mもあり上級者向けの山である。

鎖場を登り切ったところの看板を見ると、“ざんげ坂”と書いてあった。標高差300mを一気に登ってきたわけだ。食料や寝袋を詰め込んだリュックがいつもに増して重たいから、急坂は応える。あまりにもキツイ坂だから神様にざんげして楽にして欲しいという気にさせられる場所なのだろうか。

ざんげ坂からさらに1時間ほど登っていくと、木立の隙間から雲海に浮かぶ山々が見えてきた。やっと雲の上に出てきたわけだ。

そしてさらに1時間ほど歩くと、まだら模様に残った雪渓を被った飯豊山が見えてきた。

登山道の湿った片隅には、ギンリョウソウが咲き出していた。ギンリョウソウは、葉緑素を欠いているため、大部分が白色で、菌類から栄養を得ているという。特に光を必要としないため、暗い森の中でよく見る植物だ。

回りの景色が良く見えるようになってきたので、気分的に楽になってきた。

そして、登山道の脇には、可憐な花が見られるようになってきた。

ピンクの花は、東北地方の一部の山域でしか咲いていないというヒメサユリだ。この花を最初に見ることが出来て、やはり、飯豊山は花の百名山でもあるのだと改めて思い知った。

8:52。地蔵岳1539mに到着する。地蔵岳は、大日杉小屋からの登山道にあり、飯豊山を展望する山として知られている。

地蔵岳山頂から少し上がった展望がいい場所から飯豊山を臨む。

草原の中には、いたるところでニッコウキスゲが見られるようになってきた。

花の百名山と言われるだけあって、いろんな花が見られるようになってきた。ピンクの花は、クルマバナだろうか。

もう終わりかけのハクサンチドリ。

タコが口を広げたようなヨウラクツツジ。

11:40。御坪と呼ばれる場所に到着する。小さな社の前には、賽銭が供えられており、信仰の場所なのだろう。

雪渓が間近に見られるようになってきた。前の方には小屋が見える。この日の宿となる切合小屋のようだ。

雪渓の雪が溶けだし、沢となって流れ落ちている。

沢水は豊富で、触ってみると冷たい。

雪渓が近いこともあり、雪解けを待って咲き出した可憐な花々が至る所で見られる。岩場に多く生え、葉に光沢があることから「鏡」に見立てたイワカガミ。

高い山では必ず見かけ、大群落を作るチングルマ。

日本海側の高山帯(白山から飯豊山にかけて)に分布し、雪渓周辺や湿地帯などの湿った場所に群生するハクサンコザクラ。

いよいよ最後の上りだが、切合小屋まで行く登山道が雪渓に埋もれているので、雪渓を避け、踏み跡を探しながら登っていく。


13:17。切合小屋に到着する。計画では14時くらいの到着予定だったが、思ったより早く着いてしまった。

大分時間があり、寒くもないので小屋の前の休憩スペースでこの日の反省会だ。小屋で買った高額のビールを大事に飲み干す。

切合小屋は、飯豊山の中では唯一、食事が出る小屋だ。17時の夕食のカレーをお代わりまでして、たらふく食べたあと、しばらく横になっていると、夕焼けが見えるという声を聞き、いそいで小屋の外に出てみる。なんと、飯豊山の最高峰である大日岳や尾西岳が赤く染まっているのが見える。神秘的な風景だった。

小屋に戻ると、もうやることはない。明かりもなく、明日の山行に備えて早めに眠りについた。翌日は、今回のメインである縦走ルートの山行だ。
参考1.2日目のコースマップ

参考2.2日目の高低図&コースタイム

「2020飯豊山縦走登山:3日目切合小屋~飯豊本山~烏帽子岳~梅花皮小屋」に続く。